FC2ブログ

てきとうVIP

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --年--月--日 --:-- |
  2. スポンサー広告

上条「…ディアボロ?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 18:46:00.26 ID:VJPpn4gL0
上条当麻は我が目を疑った。
ベランダに布団を干そうと思ったら、
ピンク色の髪に緑の斑点を付けた、半裸同然のおっさんが引っかかっていたからである。

ディアボロ「………」
上条「…えーっと、どちらさま?」

どうやら意識が無いらしく、上条はとにかく介抱してやる事にした
……何か男の体に触った時にバチンと音が鳴った様な気がしたが、恐らく気のせいだろう。

上条「補習行かなきゃならねぇのに…」

そう嘆息しつつもシッカリ介抱してやる上条は何だかんだでお人好しだった。


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 18:58:02.35 ID:VJPpn4gL0
小萌先生に怪我人を見つけたから遅れる旨を連絡した所、

小萌「上条ちゃん…そんなに私の授業受けたく無いんですかぁ…?」

と涙目声で返され大いに慌てたものの、誠意誠心説得した結果

小萌「わかりました…でも上条ちゃん、明日はちゃんとくるんですよ」

と、補習を休む事を認められた。
ある意味ラッキーだが、見ず知らずのオッサンを介抱せねばならない事を考えると、
どっちが幸か不幸かは解らないが。

寝ている男を起こさないよう、風呂場で電話を掛けていた上条が、
男の様子を見るべく部屋に戻った所。

???「次は…どこから襲ってくるんだ…?いやだいやだ…もう死にたくない…おうちかえる!」

部屋の隅で大の男が布団にくるまって怯えていた。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 19:20:32.24 ID:VJPpn4gL0

上条「えーっと…大丈夫でせうか?」

上条は相手を刺激しないように、やんわりとした態度で男に近づくが、

???「ヒィッ~~!! オ レ の 傍 に 近 寄 る な ~ !」

男は一層怯えて布団にくるまってしまう。
上条のベッドの上に布団のお化けの様な塊が出来上がった。

上条「(あちゃ~…こりゃ落ち着くまで待った方がいいか…)」

上条は男の様子を見て、しばし時間を置いた方がいいと判断した。
一先ず、ベッドの傍で胡坐かいて、漫画本を読んで時間をつぶす。
上条お気に入りの「ピンクダークの少年」だ。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 19:22:04.74 ID:VJPpn4gL0

男は震えていた。男は恐怖していた。
絶え間なく襲いかかる死の連鎖は、かつては「帝王」とすら呼ばれた男の心を完全にズタズタにしていた。
まるで子犬か、いもしない幽霊に怯える小学生の子供の様に、布団にくるまってぶるぶると震え続けていた。

5分経過し、10分経過し、15分ほど経過した時、男はようやく様子がおかしい事に気がついた。

???「(何だ…?どういう事だ…?何故襲ってこない…?何故俺はまだ死んでない?)」

今まで自分を襲ってきた絶え間ない「死」は、正に絶え間なく、
心構えの準備する間も与えず、自分の命を刈り取って行く筈だ。
にもかかわらず…

???「(おかしい…何かがおかしいぞ…これは一体…)」

いつまでたっても「死」が来ない。その事実に一瞬男は安心しかけるが、

???「(いや、油断は出来んぞ…)」
???「(こうやって時間を空けて安心させておいて)」

『自分を知れ…そんなオイシイ話が…… あると思うのか? おまえの様な人間に』

???「(と、ばかりに唐突にむごたらしく、俺を殺すのかも知れないッ…!)」

男は再び恐怖して、布団にくるまった。
そのまま、さらに20分ほど時間が過ぎた。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 19:33:32.41 ID:VJPpn4gL0
???「(お…おかしい!余りにも死と死の時間が空きすぎている!こんな事は今まで無かったぞ!)」

男もようやく様子がおかしい事を真に認識し始めた。
恐る恐る、布団のくるみを緩めて隙間を作り、辺りの様子を覗う。

???「(何の変哲も無い部屋だ…男が…東洋人が一人いる…ウニの様な頭だ…まだ若い…学生か何かか…)」

少年は漫画か何かを読んでいるらしい。
ふと、こちらの様子の変化に気付いたのか、漫画から目を離して男の方を見た。

上条「んあ…ようやく落ち着いたみたいだな…大丈夫か?」

少年、上条当麻はそう声を掛けて来るが、男は応えない。
否、応えられない、と言った方が正確だろう。
布団の中で、男はまるで滝のように冷や汗を流して、ガタガタ震えているのである。
「死に続ける運命」に巻き込まれて以来、男にとって他人とは、
「自分の死因」以外の何物でも無く、まともな会話など、久しくしていなかった事なのだ。

上条「(まだ調子悪そうだな…もう少しそっとしておいてやるか…?)」

上条は男の怯えを感じ取って、再び「ピンクダークの少年」に視線を落とした。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 19:46:48.26 ID:VJPpn4gL0
???「(落ち着け…落ち着くのだディアボロよ…一先ず、『死』が襲ってくる様子は無いのだ…)」
???「(お、俺は帝王と呼ばれた男なのだ…たかがガキ一人に何をビビってるんだ…落ち着け…落ち着くのだ…)」

必死に冷静になろうとする、男、『ディアボロ』の意志とは反対に、
彼の体は震え、動悸は激しく、息は上がり、冷汗は相変わらず滝の如きである。
その姿に、かつてはイタリア、否、ヨーロッパでも有数の凶悪なるマフィア組織、
『パッショーネ』のボスを務めた男の威厳も、凄味も微塵もありはしない。
『ジョルノ・ジョバーナ』…ディアボロをボスの座から引きずり落とした男の仕掛けた『死に続ける運命』は、
ディアボロの心を完全にヘシ折り、粉微塵に砕いて、暗黒空間にぶちまけてしまったのだから。

ディアボロ「……ひ、一つ…尋ねてもいい…か?」

それでも、腐っても元ギャングボスである。
なけなしの勇気と凄味を振り絞って、ディアボロは上条に声を掛けた。

上条は、驚いた様子で、ディアボロを方を見た。
ディアボロは、布団の塊から頭を半分だけ出して、言葉を続ける。

ディアボロ「お前は俺を…殺さないのか…?殺し…に来たんじゃない…のか?」


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 19:51:13.73 ID:F+xdtVqK0
ああ無効化したのね

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 19:56:18.91 ID:VJPpn4gL0
上条「……はあ?」

上条は男が突拍子も無い事を言い出したのに、目を丸くした。
殺すつもりだったら、わざわざこうして介抱などしないだろう。

上条「いや…この学園都市でこの上条さんほど無害な人はそういないと思いますよ」
上条「(ひょっとして…タチの悪い能力者に絡まれたのかねぇ…んで、逃げててベランダに引っかかってた?)」

そんな事を考えながら、一先ず、安心させるためにそう返す。
ディアボロは依然、怯えた様子だが、少し落ち着いた様子で再度尋ねる。

ディアボロ「信用しても…いいんだな…?お前は俺を殺しに来たんじゃないんだな…?」
上条「いや…だから大丈夫ですって…ここにはアンタを狙う様な人はいませんって」
上条「第一、ほら、現に上条さんは寸鉄一つ帯びて無いし」
ディアボロ「…素手でも人は締め殺せる」
上条「いや、だから大丈夫だって(めんどくさいなコイツ)」

そう言って上条は両手をひらひらさせた。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 20:05:48.35 ID:VJPpn4gL0
ディアボロ「…………」

まだ疑わしげな目をしているものの、少しは安心したのか、
布団から完全に顔を出して、何かを言おうとして…

ぐぅ~っ

お腹の音が鳴った。
上条のではない。ディアボロのである。

上条「…」
ディアボロ「…」
上条「何か喰うか?」
ディアボロ「…たのむ」

何かをディアボロに食べさせようと思った上条だったが、
つい昨日、某ビリビリ中学生に電化製品の大半を破壊され、
冷蔵庫の中身が全滅させられていた事を思い出した。

上条「…不幸だ」

そう嘆息した。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 20:15:10.97 ID:VJPpn4gL0
上条「すまん…ピザまんしか無かったんだが…これでいいかな」
ディアボロ「…構わない…すまんが、もう食べてもいいか…」
上条「どうぞどうぞ」

「何が食べたい?」と尋ねた上条にディアボロは「ピッツァを食べたい」と応えたのだが、
最初、どこかのコンビニで冷凍ピザでも買ってこようと思ったものの、
昨日の某ビリビリ中学生の電撃攻撃で電子レンジもお亡くなりになっており、
かといってピザの出前をたのもうにも、上条には手持ちが無かった。
仕方が無いので、近くのコンビニでピザまんとパニーニを買って来たのだが、

ディアボロ「………」

ディアボロは文句を言わず(言える立場でも無いが)、モグモグとピザまんを食べ始め、
早くも食べ終えて、すでにパニーニに手が掛っていた。

ディアボロ「………ううっ…」
上条「!…どうした!?食あたりでもしたか?!」

パニーニを半分ほど食べた辺りで、突如、ディアボロがボロボロと泣き始めたのである。
大粒の涙だ、滂沱の如く流す。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 20:28:57.45 ID:VJPpn4gL0
ディアボロ「いや…違うんだ…ただ…こうしてマトモに食事するの自体…久しぶりで…」
上条「………」

食事…普通の人間であれば、毎日している当たり前の、生きる為の行動。
絶え間無い死の連鎖のただなかにあったディアボロにとって、それは余りにも久しぶりの事だった。
極々当たり前に食事をしている…ただそれだけの事実が、ディアボロの心を歓喜で満たしていた。
いったいどれほどぶりかも解らない、久しぶりの人間らしい行為であった。

ディアボロ「食べると言う事が…自分が生きているという事が…これほど喜ばしいとはっ…!」
上条「………(このオッサン…一体今までどんな生活してきたんだ…?)」

涙をぼろぼろ流しながらパニーニに齧りつくディアボロの様子は、上条に憐れみを覚えさせた。
飢えた第三世界の子供たちですら、食事でこんな表情はしないだろう。
それだけの切実さがディアボロの表情にはあった。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/03(金) 20:37:19.80 ID:FqSSxPw/0
ボス、よかったな

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 20:44:35.37 ID:VJPpn4gL0
上条「なあ…アンタ、俺の部屋のベランダに引っかかってたんだけどさ…」
ディアボロ「………」
上条「何であんな所にいたんだ…そもそもアンタはどっから来たんだ…?」
ディアボロ「………」

ディアボロは何処からどう見ても日本人では無いし、外見年齢的にも学生には見えない。
ひょっとして外から来た人間だろうか、上条はそんな事を考えていた。
一方、ディアボロは「そんな事、俺が聞きたいくらいだ」と考えていた。
連鎖する死の運命が、ディアボロを様々な所に矢継ぎ早に飛ばしてきた事もあって、
ディアボロには、ここが何処かどころか、今が一体、何年何月何日なのかすら解らないのだ。

ディアボロ「(ここは何処か…今は何時か…まるで解らん…それに…)」
ディアボロ「(この少年は東洋人のようだが…日本語か?話しているのは。それが理解できるのも妙だが)」
ディアボロ「(そもそも何で俺は当たり前の様に日本語で会話出来ているのだ…?ワケが解らんぞ)」

死の連鎖からの脱出から続く、不可解な状況の連続に、
ディアボロは返事するのも忘れて、思考に没頭してしまった。
そんなディアボロの沈黙を、上条は、「ああ、答えられな事情でもあるのか」と、早合点して、

上条「話したくないんなら…何も言わなくていい(聞いて藪蛇になるのも嫌ですからね、上条さんは)」

と、そんな事を言ったのだった。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 21:05:04.58 ID:VJPpn4gL0
上条「んーと…俺はちょっと用事で外に出てくるけど…好きにしてもらって構わないんで」

結局、上条はディアボロに何一つ聞かず、ディアボロも色々と尋ねようにもタイミングを逸したため、
さっきの会話は互いに何も語らずに終わってしまった。
それから一時間程、上条は「ピンクダークの少年」の続きを、ディアボロは新聞を読んだりしていたのだが、
今朝がた自分で割ったキャッシュカードの再発行をしてもらうために、上条は出かけようとしていた。
見ず知らずの謎の男を部屋に残して外出とは、余りにも不用心だが、そういう人の良さが、上条の魅力とも言えた。

上条「んじゃ…留守番を…」
ディアボロ「……ディアボロだ」
上条「へっ?」
ディアボロ「さっき俺の名を聞いていたな?…俺の名はディアボロだ」
上条「…んじゃ、俺の名前は上条当麻、で」
ディアボロ「カミジョウトウマか…覚えたぞ」

パッショーネのボスが自ら名を名乗る!
聞く者が聞けば、スタンドも月まで吹っ飛ぶこの衝撃ッ!というヤツだが、
死の連鎖は、この冷酷非情なギャングボスの心すら変質させてしまうほど恐ろしいものなのだ。
久しぶりの真っ当な人間らしい、人と人との交流が、多少のディアボロの心を緩ませたらしい。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 21:14:56.60 ID:VJPpn4gL0
上条「それじゃ…ディアボロ…さん?留守番は任せました」
ディアボロ「……ああ」

上条は出かけていった。
しばし部屋の真ん中で、ディアボロはぼんやりとしていたが、
ふと、ベランダに足を向けた。窓を開け、空を仰ぐ。

ディアボロ「………」

何処までも綺麗な青空である。
こうして無心に青空を眺める…そんな何という事は無い事が、余りにも久しぶりだった。

ディアボロ「………学園都市、か」

新聞から得た情報…今自分が居るという、奇怪な場所の名前をぽつりと呟く。
自分はこれからどうすればいいのだろうか?まるで見当がつかない。
しかし、

ディアボロ「……」

考えるのは後にしよう。今はこの青空を楽しむとしよう。
自分が、ただぼんやりと空を見ている。そんな平和な事実に、ディアボロの心は少し和らいだ。

  /└────────┬┐
 < To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 21:26:21.77 ID:9xDNQ7Fz0
おもしろそう

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 21:28:15.29 ID:UIKFMZM80
一方、インなんとかさんは普通に地上に落下した

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 23:00:25.78 ID:VJPpn4gL0
ディアボロ「さて……」

青空を眺める事も、もう存分に堪能できたのか、
ディアボロはベランダから上条の部屋に戻った。

ディアボロ「確認しておかねばなるまい…」

若干、顔を蒼褪めさせながら、ディアボロはギュッと両手を握りしめて、
心を澄み渡らせ、深く強く念じる。その名を。自身の『半身』の名前を。

ディアボロ「(ひょっとすると失われているかもしれぬ…)」
ディアボロ「(そう考えると、結果を見るのは恐ろしいが…)」
ディアボロ「確かめぬ訳にはいくまいッ…!」

一旦両目を暫時閉じたディアボロは、カッと双眸を見開いて、
その名を呼ぶ。自身の『半身』の名前を。

ディアボロ「『 キ ン グ ・ ク リ ム ゾ ン 』!!」


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/03(金) 23:06:09.93 ID:FqSSxPw/0
おお

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 23:06:47.69 ID:VJPpn4gL0
その呼びに応えて、『ソレ』は姿を現世に顕現させる。
赤い体躯に、白く浮き出た格子文様。
腹部、肩先、拳、爪先は白い装甲で覆われ、
同色の仮面を被った様な異様な風貌をしている。
眼はギョロリとして小さく丸く、ねじれた唇を持ち、
そして額には『第二の顔』を備えている。
奇怪なる人型の怪物が、その幽かなる姿を顕わした。

これが…これがッ!
『キング・クリムゾン』だッ!
かつてディアボロをパッショーネのボスたらしめていた、帝王の力。
彼の半身にして、彼の精神の顕現。
『幽か』にして『波打ち』、『傍らに立ち』、大いなる運命に『立ち向かう者』。
即ち『スタンド』ッ!

その能力は正に帝王の能力。
『未来を視て』、自分の行く末を阻む運命を『消し飛ばす』力。
それは正に無敵の能力であり、事実、あの『鎮魂歌』に相対するまで、
如何なる敵をも討ち破って来た力であった。
しかし…

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/03(金) 23:07:44.22 ID:TSu7mZrZ0
あぉ?

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 23:11:23.71 ID:VJPpn4gL0
ディアボロ「…クッ…何という事だ…」

ディアボロは思わず呻いた。
連鎖する死の運命の中で、失われたかと思われる彼のスタンドは、
確かに未だ彼の傍らにあった。あったのだが…

ディアボロ「何と…何と弱弱しい姿だ…」

その姿かたちこそ変わらないものの、
その身に纏った風格とも、凄味とも呼べるオーラが、
かつてとは比べ物にならない程弱くなっているのを、
ディアボロは確かに感じていた。

当然の結果であった。
スタンドとは、スタンド使い自身の精神に由来する力であり、
故に、精神強い者はスタンドも強く、弱い者のスタンドは弱い。
精神の弱い者に強力なスタンドが宿る場合も無いわけではないが、
殆どの場合、そんなスタンド能力者は、自身の分不相応に強すぎるスタンドに振り回されて破滅する運命を辿るのだ。

ディアボロに襲いかかった『鎮魂歌』の『死の連鎖』は、
彼の精神をズタズタのボロ雑巾の様にした。
かつては正に慎重で臆病ではあっても、その根底に『覇王』の意志を備えた彼の精神には、もはや昔日の力強さは宿っていないのだ。
だとすれば、ディアボロの精神の顕現たるスタンドの力も弱まるのは必定であった。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 23:25:09.57 ID:VJPpn4gL0
ディアボロ「もしや…『キング・クリムゾン』!時間を消し飛ばす!」

瞬間、世界の色が変わる。
色彩が反転したモノクローム状となり、そのただ中にあって唯一、色を備えているのは、
ただディアボロとその半身たる『キング・クリムゾン』のみ。

これが『キング・クリムゾン』の第一の力、『時を吹き飛ばす能力』。
ディアボロを中心とした半径100メートルの世界からあらゆる『過程』は消え失せ、
最後にはただ『結果』だけが残る。失われた『過程』を認識できるのは、ディアボロただ一人。
全盛期には、十数秒の時を消し飛ばせたものだったが…

ディアボロ「くっ…『五秒』だと…!たったの『五秒』だと、このディアボロが、消し飛ばせる限界が!?」
ディアボロ「も、もう一度だ!『キング・クリムゾン』!」

しかし、何度試みても、『消し飛ばせる』のは『五秒』が限界。
しかもそれだけでは無い…

ディアボロ「ううっ…『頭痛』もする…は、『吐き気』もだ…」
ディアボロ「馬鹿な…このディアボロが…この程度の事で…『消耗』している…だと…」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 23:25:33.25 ID:SVeWaBVh0
半身といえばドッピオが消えてるのにボスは気づいてるのかな

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 23:42:09.57 ID:VJPpn4gL0
スタンドとは精神に由来する力。
故に、過度な使用はその精神を消耗させる。
しかし、かつてのディアボロの強靭な精神は、この程度で音を上げるなど、
決してありはしなかった。ディアボロは、自身の『衰え』を自覚せざるを得ない。

ディアボロ「うう…『ドッピオ』の気配もしない…」
ディアボロ「やはりあの時…コロッセオの戦いの時に…」

ディアボロを苦しめるのはそれだけでは無い。
もう一つの『半身』とも言える存在、『ヴィネガー・ドッピオ』の喪失もまた、ボスを苦しめたいた。
ディアボロはかつて『二重人格者』であった。彼に宿ったもう一人の人格、それが『ドッピオ』であった。
ある意味、彼の最大の腹心と言える存在であり、誰も信じなかったディアボロが唯一信用した存在、
それが『ドッピオ』であった。

ディアボロ「コロッセオの時はさして気にはならなかったが…」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/03(金) 23:46:07.25 ID:OFwKSWH30
やっぱりドッピオいないのか

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/03(金) 23:51:39.54 ID:VJPpn4gL0
ディアボロの心に住みついてもう一人の少年の喪失は、彼に、心にぽっかりと穴が空いた様な喪失感を与えていた。
全盛期の唯我独尊なるディアボロであれば、『ドッピオ』の消滅にさしたる感慨も抱かなかったであろう。
しかし、今の弱り切った彼にとって、それは大きな心の傷となっていた。
すなわち『孤独感』である。

ディアボロ「『エピタフ』は…問題無く使えるが…」

『エピタフ』とは、『キング・クリムゾン』の第二の力の名前であり、
それは十数秒後の『未来を視る』能力である。
『時を消し飛ばす能力』を『矛』とするならば、『盾』とでも言うべき能力であり、
『消し飛ばすべき時』を、ディアボロに予知させる力である。
これは問題なく使用出来た。確かに、彼の未来を彼に視せたのである。
とはいえ…

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 00:04:28.37 ID:q/sycnuq0
ディアボロ「俺は…こんなにも弱くなっていたのか…」

ディアボロは思わず部屋の真ん中にヘタヘタと座り込んでしまった。
如何に未来が視えようとも、それを消し飛ばしきれなければ、何の意味も無い。
避け得ぬ『運命』を『視るだけ』の『エピタフ』が真価を発揮できるのは、
『キング・クリムゾン』の力あっての事なのである。
しかしそれ以上に…

ディアボロ「心が…心が弱くなっている…」

スタンドの弱体化と言う、客観的な事実を見せられては、認めざるを得まい。
自分は、弱くなったのだ。心が萎れてしまったのだ。
もはやあの『帝王』たる『絶頂』の姿は、昔日の栄光でしかないのだ。


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 00:31:01.09 ID:EtWAY35j0
未来が見えて5秒も時間を消せるなら十分すぎる気がしないこともない

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 00:37:30.94 ID:q/sycnuq0
よく考えれば、上条当麻に自分の名前を教えたのも寂しかったからに他ならない。
『ドッピオ』もおらず、誰も知らない異国の街に、訳も解らず独りきり…
そんな状況で、自分を助けてくれた人間に名前を教える…つまり『他者との繋がり』を求める行動…
かつての自分ではあり得ぬ行動。唯我独尊の筈の自分が、他人を求めるのは、弱くなった何よりの証拠だ。
だが、弱くなったからどうだと言うのであろうか。

ディアボロ「いや…『絶頂』…『帝王』…もはや…もはや『どうでもいい』」

そう、虚ろな表情で呟くディアボロの姿を、
ブチャラティチーム一行が見たらどんな顔をするだろうか。
そこにいるのは『帝王』では無い、平穏を望む『隠居老人』であった。
『覇道』を歩むと言う事は、つまりまたあの『鎮魂歌』と、
あるいはあれに匹敵する『何か』に立ち向かわねばならぬと言う事。
そんな『ガッツ』は、今のディアボロには無い。

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 00:43:52.19 ID:q/sycnuq0

ディアボロ「『平穏』…『平穏』さえあればいい…静かに、慎ましく暮らす」
ディアボロ「それ以外は…もう…望みはしない…」

かつて、日本のM県S市杜王町に、今のディアボロと同じような望みを抱いた殺人鬼がいた。
その名は吉良吉影。恐るべきスタンド使いにして、変態的嗜好を持った殺人鬼。
しかし彼は『平穏な生活』を望んでいた。『植物の様な平穏』を望んでいた。
一見、今のディアボロと類似しているように見えるが、彼とディアボロには決定的な違いがあった。
吉良吉影には、自分の『平穏』を脅かす存在を一切の容赦なく『爆ぜ殺す』、『漆黒の意志』があった。
『平穏』を守るために彼は、『漆黒の意志』で輝かしい『黄金の精神』に立ち向かった。
ディアボロは違う。彼の『平穏』を望む心は単なる『逃避』に過ぎない。
もしなけなしの『平穏』を破らんとする存在と出会った時、今の彼に立ち向かえるかどうか…
『黄金の精神』も『漆黒の意志』も無く、『対応者』にすらなれない『敗残者』。
それがディアボロの現状であった。

ディアボロ「(もう高望みはしない…)」
ディアボロ「(上条にも、あまり迷惑はかけられん…時が来れば、イタリアに帰ろう…)」
ディアボロ「(金を稼いで、南イタリアで農地でも買って…静かに暮らそう)」
ディアボロ「(フフフ…ハハハ…)」

体育座りして、床に指で「の」の字を書きながら、ブツブツ呟くディアボロの背中は、たそがれて煤けていた。
結局ディアボロは、上条が帰ってくるまでそうしていたのであった。

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 01:01:30.09 ID:+y74e0FYP
あんたイタリアに帰ったらパッショーネのボスの情報網にかかってまうわ

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 01:02:25.59 ID:q/sycnuq0
ディアボロ「(月だけか…星は殆ど見えんな…)」

タオルケットに包まりながら、カーテンの隙間から覗く夜空を眺め、そんな事を考える。
彼より数メートル離れた所では、上条当麻がベッドの上で鼾をかいていた。

上条が帰って来た後、ディアボロは様々な質問を上条にした。
まず、今は『いつ』で、ここは『どこ』なのか。
学園都市の地元新聞社の出している新聞からある程度情報は得ていたが、
それでも確認をとる為にディアボロは訪ねる。
上条は答える。今が『200X年7月20日』で、ここが日本の『学園都市』である事を。
ディアボロは続けて尋ねる。新聞に書かれていた様々な気になる言葉…
『能力者』や『能力開発』についてなど。
上条は律義にその一つ一つに、彼の解る範囲で丁寧に教えた。
その間、上条からディアボロに対しての、「お前は何者か」「何処から来たのか」と言った質問は一切無かった。
お人好し上条の面目躍如である。

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 01:18:27.90 ID:q/sycnuq0
『能力者』…
この『学園都市』独自の方法で生み出された、スタンド使いとも異なる『人を超えた人』。
上条自身は、そのヒエラルキーの中でも最底辺の『レベル0』であり、
如何なる能力ももってはいないと言うが、その存在に、ディアボロは驚きを隠せない。
聞けば、『能力者』を生み出す方法は、未だ実験段階のものも数多く含みながらも、
ある程度土台のしっかりした理論を骨子としており、『安全』に『能力者』を生み出すとの事。
『生きるか死ぬか』の『矢の試練』を乗り越えて『スタンド使い』になったディアボロからすれば、
些か釈然としない話だが、聞けば、ディアボロのスタンドと同格の能力を持つ『超能力者』は僅かに7人、
それに次ぐ『大能力者』も決して数は多く無いのだと言う。少しだけ、ディアボロの溜飲は下がる。

ディアボロは、上条に『スタンド』については話していなかった。
一応すでに『見せて』はいるのだが、上条はスタンドを認識できなかった。
『能力者』と『スタンド使い』はやはり別物なのか、それとも上条のレベルが低いから視えないのか、
その点は現状では判別出来ない。ゆくゆく、解明しなくてはならないだろう。

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 01:30:15.03 ID:q/sycnuq0
一方、上条も『幻想殺し』については話していない。
別に隠している訳ではなく、話す必要が無いと思っていただけだ。
故に、ディアボロは、自身を死の連鎖から脱出せしめた要因が何か、
未だ知ってはいなかった。

閑話休題

ディアボロ「(しかし…随分と厄介な所に来てしまった物だ…)」

この『学園都市』の住人は大きく分けて二種類に分類できる。
即ち『研究者・教師』と『学生(モルモット)』。
そしてそのどちらも、厳重に『管理』されている存在である事に変わりは無い。
『学園都市』は閉じた箱庭世界だ。そして『能力者』の秘密は、
古代の中国国家が、養蚕技術を徹底的に秘匿したが如く、外部への漏えいを許さない。
『行きはよいよい、帰りはこわい』の、社会主義国家の如き管理社会…それが『学園都市』の現状なのだ。


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 01:42:08.99 ID:q/sycnuq0

唯一、社会主義国家と違う点を挙げれば、治安が酷く悪い点だろう。
何でも上条と同じような『レベル0』は『学園都市』では『敗残者』とみなされ蔑まれ、
そんな視線に耐えられなくなった者は『落伍』し『武装』し、
『学園都市』を乱す『スキルアウト』になるのだと言う。

解らないでもない、とディアボロは思う。
かつて彼の部下の一人、ポルポはこんな事を言っていたという。

『「侮辱する」という行為に対しては、命を賭ける。殺人も、神は許してくれると思っている!』

ディアボロも本来は『漆黒の意志』を備えた、誇り高い人間である。
誇りを傷つけると言う事は、本来、それほどの重さをもってしかるべきなのだと思う。

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 01:57:43.68 ID:q/sycnuq0
ディアボロ「(しかし…『部外者』の俺にとっては迷惑な話だ…)」

外に出るのは難しく、内に住むには治安が悪い。
『平穏』を求めるディアボロにとっては住むに適した土地とは言えまい。
第一、この学園都市の住人が一人余さず持っている『ID』をディアボロは持っていない。
要するに『不法侵入者』で『不法滞在者』と言う訳である。望んでそうなった訳ではないが。
迂闊に外を出歩けば『アンチスキル』とか言う自警組織にしょっ引かれてしまうのである。
流石にそれは御免こうむりたい。スタンドを使えば逃げられない事も無いが、とにかく面倒は御免である。

ディアボロ「(情報を集めて、何とかここから出る方法を見つけねば…)」

余り長く居座るって、恩人の上条に迷惑を掛ける訳にもいかないだろう。
幸い、自分には『未来を視る力』と『運命を消し飛ばす力』がまだある。
万が一見つかっても、警備員風情から逃げるのならば容易い。
ただ、前述したように面倒は嫌なので、出来るだけ、慎重に隠密に事を運ぶつもりではあるが。

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 02:07:50.56 ID:q/sycnuq0
以前のディアボロであれば、『スキルアウト』の頭目となって彼らを糾合し、
武力で『学園都市』を乗っ取る、なんて事を考えたかもしれないが、
今のディアボロにそんな野心は無い。
そう、『ディアボロは静かに暮らしたい』のである。

ディアボロ「(眠れんな…妙に目がさえてしまっている…)」

思考の海から還って、ディアボロは再び夜空を眺めた。
話は前後するが、とにかく、ディアボロは幾つもの質問を上条にし、
幾つもの重要な情報を手に入れたと言う事である。

その後、上条にディアボロはおずおずと切りだして曰く。

ディアボロ「すまないが…一晩でいい…泊めて欲しい…」
上条「いいぜ」

即答であった。

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 02:21:01.01 ID:q/sycnuq0
ディアボロ「いや…そんなにあっさりと決めてしまっていいものなのか…」
ディアボロ「第一…自分で言うのもなんだが…こんな怪しい男を泊めるなど…」

流石のディアボロも、上条のあまりの太っ腹っぷりに些か焦った。
慎重で疑り深いディアボロは、こう言う裏表の無い善意には慣れていない。

上条「いやさ…困った時はお互い様だろ。一晩泊めるぐらい、どうってこと無いし…」

少し間を空けて、上条は言葉を続ける。

上条「アンタ、何か抜き差しならない事情があんだろ?そんな奴を放りだすなんて出来ねぇよ」

上条当麻は善意の人である。
自身は『偽善使い』を標榜するが、客観的に見ても上条は充分『善人』である。
上条は『不幸』に踏みにじられて生きて来た。
しかし上条はいじけなかった。それは恐らく両親の確固たる『愛』があったからだろう。
誰より『不幸』を知るからこそ、他人の『不幸』の痛みが解る。
故に、他人の『不幸』から目を離せない。だから助ける。
彼の心に吹くさわやかな風をディアボロは確かに感じたのだった。

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 02:38:41.02 ID:q/sycnuq0
ディアボロ「(少し…眠くなってきたか…)」

思い返しながら、ディアボロは瞼をこすった。
こんなに静かな夜は久しぶりだった。

ディアボロ「(静かな夕食というのも久しぶりだった…)」

上条はディアボロを泊めたばかりでなく、夕食も御馳走してくれたのだ。
簡単な野菜と肉の炒め物だったが、味云々よりも善意がディアボロの胃にしみた。
しまいにゃ、自分は風呂場で寝るからベッドを貸してやるとまで言い出す始末。
流石にそこまで甘える訳にはいかないと、タオルケットを借りて、床で寝ている次第であった。

ディアボロ「(世界は違っても、地面を照らす月は変わらず…か…)」

月明かりに、昼間読んでいた新聞を翳して見る。
「7月17日」と日付が印刷された古新聞には、以下の様な見出しが躍る。

『“超電磁砲”御坂美琴さん、またまたお手柄。銀行強盗団を撃退』
『ヴァレンタイン米国大統領、緊急来日。学園都市上層部に緊張走る』
『不動産王ジョセフ=ジョースター氏に隠し子発覚か!?』

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 02:41:17.26 ID:6rQQuZUL0
おおおお!?

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 02:45:15.01 ID:S5TEtXj2O
緊張走るにワロタ

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 02:54:04.12 ID:q/sycnuq0
ディアボロ「(ジョセフ・ジョースターと言う名前には聞き覚えがあるが、このアメリカ大統領の名前を俺は知らない…)」
ディアボロ「(前大統領の名前も載っていたが…俺の知っている名前じゃない…)」
ディアボロ「(何より『学園都市』何て物を俺は知らない)」
ディアボロ「(やはり違う世界か…まるでSFだな)」

自身は『スタンド使い』という超常の人間であるのを棚に上げて、そんな事を考える。

ディアボロ「(この世界にも『スタンド使い』はいるのかはまだ解らんが…居ない事祈るのみだが…)」

『スタンド使いは惹かれあう』…
それは絶対普遍のジンクス。『スタンド使い』である限り、他の『スタンド使い』との『因縁』は途切れる事は無い。
そんな因縁は、自分の『平穏』を乱すものでしかない。そんなものは無いに越した事は無い。

ディアボロ「(時が来れば、ここを出て、まず、サルディニア島に帰ろう)」

心の弱った今のディアボロには、捨てた筈の故郷が無性に恋しかった。
郷愁の内に、ディアボロは眠りに落ちる。
こうして、ディアボロの『学園都市』での第1日は終わりを告げた。

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 03:10:40.70 ID:q/sycnuq0
ディアボロは「この世界」に『スタンド使い』が居ない事を祈った。
しかし無情にも、その祈りは神には聞き届けられなかった様だ。

『スタンド使い』は『スタンド使い』から逃れる事は出来ない。
この世界にも『スタンド使い』は存在するッ!
のみならず、かの輝かしいジョースターの一族もまた存在するッ!

そして、上条当麻、ジョースターの血を引かぬ、
もう一つの「ジョジョ」がこの世界には存在するッ!

上条当麻はこの先、数奇な運命に翻弄され、
ジョースター一族とは一風変わった奇妙な冒険を体験する事となる。
『平穏』を望むディアボロもまた、この奇妙な運命に巻き込まれていくのである。

奇妙な運命の始まりを告げる、伝令は、
すでに彼らのすぐそばまで迫っていた。

ディアボロと上条当麻の奇妙な冒険の始まりは、
『7月21日』…すなわち明日ッ!早くもその朝から始まるのだッ!

果たしてディアボロはこの運命に立ち向かう事ができるのか。
来るべき戦いのさなかで、『漆黒の意志』を取り戻し、再び『絶頂』を求めて『覇道』をまい進するのか、
それとも、『黄金の意志』に目覚めて、『光り輝く道』を新たに歩む事になるのか…

兎も角『運命』は明朝に来訪する。
それは、奇しくもディアボロと同じくベランダから、シスターの少女と言う形をとって来訪するッ!!

  /└────────┬┐
 < To Be Continued...  | |
  \┌────────┴┘

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 03:11:32.21 ID:8MJH/2T40
これは期待せざるを得ない
乙。

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 03:56:50.54 ID:KR2mMC0Q0
なんかボスが不憫で泣ける

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 04:03:15.68 ID:q/sycnuq0
『7月20日』…
それは、本来の歴史において、『少女』が『上条当麻』のもとに来訪した日付であった。
本来、『7月20日』に上条当麻の部屋のベランダに引っかかっているのは、『彼女』の筈であった。

しかしそんな『運命』は変局する。
『7月20日』に上条当麻のもとに来訪したのは、全く異なる存在、
地に堕ちしかつての『帝王』、『異世界』より来訪せし『スタンド使い』『ディアボロ』!

この男の存在が、運命の時計の針を少しばかりずらした。
かくして、『彼女』の来訪は『一日』ずれる…すなわち『7月21日』!

たった一日の『ずれ』、ただ一人の『異人』の介入…
されどその『異変』、『運命』の筋書きを変えるには余りに充分!

必然、運命は変転する。

だから、敢えて開幕口上に代えて宣言しよう。
これより始まる物語は、貴賓者(VIPPER)諸君の知る『禁書目録』の物語では無い。

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 04:15:56.89 ID:q/sycnuq0
『正史』より大きく逸脱したこの物語は、
もう一人の『ジョジョ』、『上条当麻』、
かつての『深紅の帝王』、『ディアボロ』、
そして『別の物語』の世界にて輝ける『黄金の精神』の軌跡を描いた『ジョースター一族』、
そして彼らに挑み、破れながらも『別の物語』に邪悪な光芒を見せた『宿敵達』、
『正史』において、『上条当麻』と時に敵対し、時には友として傍らにあった、多くの人々、
『御坂美琴』、『土御門元春』、『神裂火織』、『ステイル=マグヌス』、『一歩通行』…
清濁老若男女主役脇役のごった返した、『奇妙な冒険』の物語だ。

『正史』には無かった数々の『異物』が、物語を変転せしめる。

『スタンド使い』!『波紋使い』!『吸血鬼』!『石仮面』!
『柱の男達』!『ナチスドイツ』!『杜王町』!『弓と矢』!
『悪魔の掌』!『鉄球』!『聖人の遺体』!『ケープ・カナベラル』!
『らせん階段』!『カブト虫』! 『廃墟の街』!『イチジクのタルト』!
『ドロローサへの道』! 『特異点』!『ジョット』! 『天使』!
『紫陽花』!『秘密の皇帝』!『JOJO』!『DIO』!

この物語の行く末は、偉大なる『さかしま魔法使い』にも読めぬ…
果たして、『少女』は来訪し…『物語』は始まる。

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 04:19:41.84 ID:+j0Vk07N0
なんだこの語りw

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 04:25:14.68 ID:KDSSLbSS0
どちらかというと藤田っぽいな

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 04:31:12.01 ID:q/sycnuq0
ディアボロ「………」

7月21日、ディアボロは上条当麻よりも早くに目が覚めた。
こうして普通に目覚めると言う行為に、斯くも懐かしさと新鮮さを同時に覚える日が来るとは、
かつての彼は想像だにしなかった事だった。

ぐっすり寝た…とはあまり言えない。
昨日寝たのは随分、夜も更けてからであった。
やはり『死に続けた』と言う事実が、どこか、自分の神経を緊張させて、
未だ深い眠りに落としてはくれないらしい。

小さくノビをし、うーんと静かに唸る。
しかし気持ちのいい朝である。空は昨日から続けての快晴であり、
口笛でも吹きた気分になる程だった。

ディアボロは、タオルケットを足元に畳んで、カーテンを開けずに、静かに窓をスルスルと開いた。
カーテンを開けなかったのは、未だ夢中の上条を起こさない為であり、
窓を開けたのは、ベランダに出て外の空気を吸う為であった。

『死の運命』より脱出し、新しく始まった人生の記念すべき朝…
そんな朝をより気持ちよい物にすべく、外に出て、

ディアボロ「…なん…だと…」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ …

???「おなか減った」
一人の少女が、昨日の自分の様に、ベランダに引っかかっているのを発見した。


150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 04:46:42.47 ID:q/sycnuq0
???「パクパクパクパクパクパクパクパク……」
ディアボロ「( ゚д゚)」
上条「( ゚д゚)」

昨日、上条は今日の分の朝飯と昼飯の分の食料を買い込んでいた。
冷蔵庫が壊れてしまっているため、仕方なくどれもレトルトとインスタントばかりであったが、

???「モグモグモグモグモグモグモグモグ……」
ディアボロ「( ゚д゚)」
上条「( ゚д゚)」

インスタントみそ汁二つ、インスタントお茶漬け二つ、レトルトカレー1箱、
サ○ウのごはん4パック、カップラーメン2種類…
来客あるが故に、赤貧の上条にしては何時に無く奮発したその食料…

???「ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャ……」
ディアボロ「( ゚д゚)」
上条「( ゚д゚)」

その全てが…

???「ハフハフッハフハフッハフハフッハフハフッ…!!!」
ディアボロ「( ゚д゚ )」
上条「( ゚д゚ )」

少女の胃袋に消えていた。

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 04:48:56.77 ID:ItlbKiLXO
こっち見んなwww

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 04:51:27.38 ID:r7mkF7md0
貴様!見ているなッ!

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 04:58:53.93 ID:q/sycnuq0
???「…ふーっ…ごちそうさま!美味しかったんだよ!」
ディアボロ「………(コイツ…どれだけ食い意地が張ってるんだ…俺達の分まで喰いやがった!?)」
上条「つーか二日続けて誰かが自宅のベランダに引っかかるなんて上条さんホントびっくりですよ…」

すっかりご満悦といった表情の謎の少女を尻目に、
ディアボロは唖然とし、上条はどこか泰然とし、悟った表情をしていた。

ベランダに引っかかった謎の少女をそのままにしておく訳にもいかず、
取り敢えず上条を起こし、判断を仰いだディアボロだったが、
お人好しの上条が空腹の少女を見捨てる訳も無い。
少女を招き入れ、食事を与えたのだが…

???「シスターにこれだけ『喜捨』してくれるなんて…きっと今日は神の御加護が貴方達にあるんだよ!」
ディアボロ「……(白い服のシスターだと…カトリックじゃなさそうだが、何処のシスターだ?)」
上条「いや~満足してくれて上条さんも嬉しいですよ、ホント…ええホント」
???「む~…神の御印を信じて無いね!」
上条「いや~たとえ神でも上条さんの不幸は打ち消せませんよ」


157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 05:19:28.91 ID:q/sycnuq0
彼らにとって誤算だったのは、少女の胃袋が健啖というレベルを通り越して、
もはや底なしと言う段階だった事だろう。
唖然とする両人を尻目に、彼女は上条が備蓄した食料を残らず平らげてしまったのだ。

???「む~っ…この街は不信心者の巣窟だって聞いてたけど、全くその通りだね!罰当たりなんだよ!」
上条「いや…この科学万能の学園都市でそんな事言われましてもねぇ…第一、もう罰はあったてるみたいなもんだし…」
???「えっ!?」
上条「ああ~何でもないですよ~それより、オタクは何処のどなた」
???「見ての通り、教会の者なんだよ…えっと、ローマの十字教の方じゃなくてイギリス清教の方ね」
上条「んで…そのイギリス清教のシスターさんが何でウチのベランダに…?」
???「私はインデックスって言うんだよ!」
上条「聞いてねぇよ!第一何だよその名前、明らかに偽名じゃねぇーか!?」
インデックス「「正式名称はIndex-Librorum-Prohibitorumなんだよ」
上条「ノックしてもしも~し!?人の話を聞いてますかぁ!?」
ディアボロ「(十字教…?ローマン・カトリックの事か?それにイギリス清教?イギリスは国教会だろうが…ピューリタンの事か?)」

イタリア生まれであり、元は神父の養子であったディアボロである。
宗教関連、殊にキリスト教関連には知識が多少は無いわけでは無かったが、
インデックスを名乗る少女の口から出る宗派は知らない名前ばかり。世界の違いというやつだろうか。

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 05:42:59.72 ID:q/sycnuq0
インデックス「ちなみに魔法名はdedicatus545ね」
上条「だから聞いてねぇよ!さっさと質問に答えてくれませんかねぇ~」
インデックス「追われてたんだよ。それでその途中で屋上から落っこちちゃったんだよ」
上条「追われてた?誰に?」
インデックス「ん~と、『薔薇十字団』かな?それとも『黄金の夜明け』かな?とにかく『魔術結社』の連中だよ」
上条「まじゅつけっしゃ~あ!?」
ディアボロ「……」

『魔術結社』
その単語にディアボロの耳は鋭く反応した。
彼にとっては多少聞き覚えのある単語である。
何せ彼の『商売』の顧客リストに、名前を連ねていた連中なのだから。

ディアボロ「(聞き覚えの無い宗派ばかりかと思えば…成程、カルトサークルの一員で、そこから逃げて来た訳か)」

ディアボロはそのように考えた。
彼の知る『魔術結社』とは、嘗ての商売道具『麻薬』やセックスを売り物したカルトグループの事である。
我々の世界におけるアレイスター・クロウリーの魔術結社の実態が、セックスとドラッグまみれの乱交サークルであったように、
(我々の世界のアレイスター・クロウリーの死因は梅毒であった)
大概の『魔術結社』と言う奴は、我が国に日本におけるカルト教団などと殆ど変らない。

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 05:59:23.79 ID:q/sycnuq0
『薔薇十字団』を代表とする中世以来連綿と続いた歴史ある組織達のように、
中には『真面目』な(オカルトサークルに真面目もくそも無い様な気もするが)魔術結社も無い訳でもないが、
ほとんどの場合は怪しげなカルト教団か、『魔術結社』という名前を隠れ蓑にした乱交サークルか、
そうでなければオカルト好きの好事家の同好会であって、『魔術結社』から連想される神秘の世界など、
滅多に存在していないと言ってよかった。
少なくとも、我々の世界と、ディアボロの元の世界においては、で、あるが。

ディアボロがそんな事を考えている間にも、上条とインデックスの口の丁々発止は続いていたが、
その内容を要約すると、以下の様なものとなる。

インデックス曰く、
この世には魔術と呼ばれる、世に隠れた技術がある。
それを操る魔術師がいて、そんな連中によって構成された魔術結社がある。
その魔術結社に、自分は狙われている。
狙われる理由は、自分が記憶している脳内の魔道書の存在にある。
その魔道書の数は十万三百冊であり、自分はその内容の全てを一字一句記憶している。
自分の着ている服は『歩く教会』と呼ばれる防御結界で、銃弾はおろか戦車砲にも耐えられる。

さて、以上の如きインデックスの説明を聞いた上条、ディアボロの反応は…

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 06:12:43.77 ID:q/sycnuq0
上条「(うわ~~この娘、イタいわぁ~いくら上条さんでもフォローしきれね~)」
ディアボロ「(言ってる事がわからない……イカれてるのか?それともヤクがキマってるのか?かわいそうに)」

完全に『かわいそうな人』扱いであった。
そんな二人の内心を、表情や雰囲気で察したのか、
インデックスは威嚇する河豚か、木の実を頬袋に詰め込んだシマリスの様に、
頬をプクーッと膨らませると、

インデックス「むき~っ!!完全にバカにしてるんだよ。微塵も信じて無いんだよ。雰囲気で解るんだよ!」

頬を赤く染めてプンスカと怒りだす。
中身は兎も角、外見は充分すぎるほど可憐な少女なので、微塵も恐ろしくは無いが。

インデックス「証拠を見せるんだよ!この『歩く教会』の凄さを目の当たりにして、目ん玉ひんむくといいんだよ!」

と、言うが早いが台所から包丁を取って来て、

インデックス「さあ!突いてくるんだよ!」

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 06:28:38.90 ID:q/sycnuq0
上条「いや、ヤケクソはよくないって。後に引けなくなってるのは解るけど」
ディアボロ「過ちを認める事もまた大切だ…そうでなければ過去には打ち勝てない」
インデックス「失礼しちゃうよ!解ったよ、だったら自分で証明する!取り敢えずジャパニーズ・セップクを…」
上条「わーっ!?まてまてまて、取り敢えず落ち着け落ち着け」

自分の腹部に包丁の切っ先を当てようとしてインデックスから急いで包丁を奪い取ると、
上条は彼女の眼前に自身の右手を差し出す。

上条「わかった…取り敢えず試して見ようじゃねぇか…俺の…」

差し出された右手は、一見、何に変哲もない右手であった。

上条「『幻想殺し』で触れば、ハッキリするだろうよ」

上条は自信を込めてその名を呼ぶ。


170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 06:32:29.40 ID:r7mkF7md0
ディアボロさん過酷な体験なせいで人格者とかしてるw

172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 06:45:51.65 ID:q/sycnuq0
『幻想殺し(イマジンブレイカー)』

上条の右手に生来宿った、正体不明の『力』。
あらゆる『奇跡』、あらゆる『能力』を打ち破る破幻の右手。
恐るべき『神殺しの異能』を上条はそう名付けていた。

インデックス「幻想(イマジン)…?」
ディアボロ「…殺し(ブレイカー)?」

インデックスは兎も角、ディアボロにも初耳な話である。

ディアボロ「…上条…オマエは『レベル0』では無かったのか?」
上条「いや…こいつは『能力開発』によるものじゃなくて…生まれつき何だけど」

上条が言う所によれば、上条の右手にに生来宿った力で、
レベル5の超能力も、神の奇跡も触るだけでたちどころに破壊してしまう力であり、
これは学園都市謹製の『身体検査(システムスキャン)』ですら認識できない、
正に異能と言っていい代物であった。

インデックス「………」ジトー
上条「何だよ、信じてねぇのか」
インデックス「君が魔術を信じないように、私もそんなの信じられないんだよ…」
ディアボロ「………」

ジト目で上条を睨むインデックスは、上条の言葉を全く信じていないようだったが、
反対にディアボロは、色々と思い当たる節があって、思考の世界に没入していた。


173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 06:55:17.91 ID:q/sycnuq0
ディアボロ「(幻想殺し…成程、ひょっとすると…)」

ディアボロにとって現状における最大の謎は、
どうして自分は『死の連鎖の運命』から逃れられたかと言う事である。
上条の言う『幻想殺し』とやらが本当ならば、
その力で、ディアボロの肉体に掛けられていた『鎮魂歌』のあの忌まわしい能力を打ち消した…
そういう可能性が視えて来る。

ディアボロ「(だとすれば俺にとって上条は…)」

掛け替えの無い『命の恩人』と言う事になる。
そんな事をディアボロが考えていた時、

上条「 あ 」
インデックス「 え 」
ディアボロ「 ん? 」

上条とインデックスの間抜けな声がディアボロの耳に入ってくる。
何事かと思考の海より顔を上げれば、
頭部以外全裸のツルペタ少女がそこにいた。

???「ザ・ワールドォッ!!時は止まる!」

何処からともなく、そんな声が聞こえて来た気がして、
ほんの数秒間、部屋の中の時間が止まる。

???「…そして時は動きだす」

止まっていた時間が動き出した瞬間、
上条はインデックスに頭部を噛みつかれていた。

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 07:11:06.51 ID:q/sycnuq0
上条「アイテテ…それじゃあ上条さんは補習に行ってきますよ…」
ディアボロ「ああ…」

上条が出かけて行くのを、ディアボロはそう言って見送った。
部屋の中に居るのはディアボロ一人。あのインデックスと言う少女はもう此処には居ない。

上条の『幻想殺し』によって破壊された修道服を、
必死に安全ピンで修復し、その後もすったもんだあって結局彼女は出て行った。

『じゃあ、私と一緒に地獄のそこまで付いてきてくれる?』

そう言った時の彼女の瞳に、ディアボロは見覚えがあった。
あの瞳…あれは決意した瞳であった。
自身の運命を知り受け入れた上で、それに抗わんとする『決意し』の瞳であった。
ああいう眼をした人間を止めるには、殺すしかない事をディアボロはよく知っていた。

ディアボロ「(受け入れているのであれば…俺が言う事は何もあるまい…)」

上条は終始、釈然としない顔をしていたが、
ディアボロは彼女との邂逅はあの短い時間で終えて、
すっぱりと因縁を切るべきだと考えていた。

彼女と上条では、生きている世界が違う。
インデックスの生きる世界は、かつて自分が居た世界に近い…
そんな二人の因縁が再び交わる事は互いに『不幸』しかもたらさないだろう。

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 07:23:21.01 ID:Dh3scX0uO
誰も言わないなら言うぞ
ディアボロさんかっこいい

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 07:23:57.63 ID:q/sycnuq0
ディアボロ「(俺も、自分の事で手が一杯だ…)」

今のディアボロは『平穏』を得る事と、
自分を『死の運命』より助けてくれたかもしれぬ上条への恩に報いることで、
正直一杯一杯であった。余計な物を背負い込む余裕などありはしない。

ディアボロ「(…しかし)」

嫌な予感がする。何だか解らないが、とにかく嫌な予感がする。
あのインデックスと言う少女との因縁が、何か途方も無い厄介事を連れて来る。
そんな予感がしてならないのだ。

基本的にスタンド使いは勘が鋭いとされる。
スタンド使い同士、互いの存在を感じ取るなど、
直感能力が優れている為か、常人には視えぬ物を肌で感じ取ったりする。

ディアボロは腐っても『キング・クリムゾン』をその身に宿した恐るべきスタンド使い。
『エピタフ』による未来予知とは別に、そのような第六感もスタンド使い随一であるのだ。

そして、この勘が、不幸にも当たっていた。
インデックスと、上条・ディアボロとの因縁は、ここで途切れるどころか、
より一層、強く複雑になって行き、『平穏』を乱す『厄介』として、二人に襲いかかる。

今回の場合、『厄介』は人の形をとってやって来る。
すなわち、『魔術師』と、

『 ス タ ン ド 使 い 』 

という形をとって。

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 07:32:11.07 ID:q/sycnuq0

見知らぬ異国の科学の牙城を、インデックスは彷徨い歩く。
その背中に、都合『4つ』の視線が突き刺さる。

彼女を追跡する『2つ』の『2人組』。
一方は、我々も『正史』を通して善く知る『偽悪』の魔術師二人組。

そしてもう一方は…

インデックス「……うん?」

背後よりの視線を感じて、インデックスは振り返る。
背後に広がるのは無機質なコンクリートジャングルのみで、
人の気配はまるで無い。

気のせいかと思い、彼女はその場をそのまま歩き去ったが、
もうしばらくその場に留まっていれば、その直感が正しかった事を知っただろう。

コンクリートジャングルの陰から、『正史』には影も形も無い、
もう一組の『追跡者たち』が姿を現す。

182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 07:34:45.55 ID:KDSSLbSS0
つまりアブドゥルか

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 07:35:55.79 ID:V9653eJx0
ムゥンwwwwかわせるかーっwwwwwwwww

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 07:42:05.87 ID:KR2mMC0Q0
クロスファイヤーwwwwハリケーンwwwwwww

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 07:43:48.78 ID:q/sycnuq0
それは実に奇妙な二人組だった。

一人は、露出の多い服装の下から、夥しい時計の刺青を覗かせ、
帽子を被り、昆虫の触角の様な奇怪な髪を伸ばして、
顔を網の様な物で覆った男。

もう一人は、竹筒の様な物を何本も頭部に巻き付けた、
気味の悪い面相の猫背ぎみの少年。
その半開きの口から、何かが一瞬視えた様な気がする。
いや、気のせいであろう。舌の上に『ウィンチ』を乗せた少年など、いる筈も無い。

少年の口から不気味な声が零れた。

???「ウィーン ガシャン、ガシャン……」

それはまるで機械の駆動音の如き不気味な声だった…


 /└────────┬┐
 <     To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘


190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 07:46:33.81 ID:1Lq88EeC0
小僧!小僧じゃないか!

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 08:46:55.79 ID:HStxWifcO
期待してる
しかしスタンド使いこいつらかw

198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 10:10:16.85 ID:/bkySalQ0
いきなりエグイ奴等が来たなあ

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 11:30:43.15 ID:G+UICdDpO
こいつは強敵だな

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 20:02:00.71 ID:q/sycnuq0
???「ウィーン、ガッチャン、ウィーン、ギュィーン…」
???「ギィーン、ガッシャン、ウィーン、ガッシャン…」

『学園都市』のさる場所にある、何の変哲もない雑居ビルの屋上。
そこに、一人の奇怪な少年の姿があった。

頭に竹筒の様な物を何本も巻き付け、
爬虫類を思わせる不気味な顔立ちをしたその少年の口からは、
作業機械の駆動音を思わせる不気味な声が漏れ出ている。

膝をついて、体を屈めた少年の足元には、
水がなみなみと注がれたタライが一つ置かれている。

少年はそのタライの水鏡に写ったモノをニヤニヤと笑いながら眺めていたが、
しかし、この少年はどうしてそんな事をしているのだろうか。
この水鏡に映るモノなど、水面を見つめる少年の不細工な顔以外ありはしないのに。

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 20:05:48.27 ID:q/sycnuq0
???「ウケケケ…視えてる、視えてるぜぇ…ウィーン、ガッシャン」

奇妙な事に、水鏡に映っているのは少年の顔では無い。
ここでは無い何処かの路地裏をペタペタと走る、白い修道服の少女の姿が、
そこには映し出されていたのだ。
一体、どのようなカラクリなのであろうか。

???「ウィーン、ガッシャン、ギィーン、ガッシャン…あーあー…マイクテスマイクテス」
???「こちら“帽子小僧”、こちら“帽子小僧”…“花火屋”…ちゃんと聞こえてるかい?どうぞ」

少年は水鏡から一旦、目を離すと、
右耳に取りつけた小型のインカムを起動し、
今回の『任務』の相方、コードネーム“花火屋”に声を掛ける。

???『こちら“花火屋”、こちら“花火屋”…通信感度は良好だぜぇ~…どうぞ』

少年が今居るビルの屋上から、100メートルほど離れた路地裏に、
“帽子小僧”の相方たる“花火屋”の姿がある。

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 20:07:51.43 ID:3C2JhaRK0
舞台が現代だから、こいつらでも電子機器が使えるのか

251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 20:08:42.83 ID:6QP2Wu8P0
SBRの舞台自体が現代になった感じか
大統領もいるみたいだし

252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 20:12:28.68 ID:q/sycnuq0
露出の多い、上半身など殆ど裸に近い服装の下から、
夥しい数の時計文様の刺青を覗かせて、
黒い帽子を被り、昆虫の触角の様な奇怪な髪を伸ばして、
顔を網の様な物で、やはり刺青の入った顔を覆った男…“花火屋”その人だ。
最早、不気味、を通り越して非人間的な印象すら与える怪人物は、
カラスを連想させる形態をした、自身の『半身』たる『スタンド』を出して、
路地裏の陰から、『目で見ず』に、自分たちの標的たる『インデックス』を追う、
男女二人の『魔術師』の姿を『視て』いた。
“花火屋”は『スタンド使い』であった、そして“帽子小僧”もまた。

“帽子小僧”『ウィーン、ガッシャン…ちゃんとばれずに尾ける事ができてるかぁ~?どうぞ』
“花火屋”「問題ねぇ…何時でも行動に移れるぜ…どうぞ」

“花火屋”もまた、“帽子小僧”と同じような小型インカムを右耳に付けていた。
『学園都市』の中でこそ、『カタ落ち品』されるであろうが、『外』の世界においては、
未だ最先端と言える技術で作られた小型の無線機である。

“帽子小僧”「ウケケケ…“花火屋”、そのまま待機だぁ…オイラは“風船おじさん”に連絡を取るぜ。どうぞ」
“花火屋”『了解…手早く済ませてくれ…OVER』

“帽子小僧”は“花火屋”との回線を切ると、インカムの小さなツマミを捻って、
この場における彼らの指揮官たる“風船おじさん”に回線をつなぐ。

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 20:12:53.44 ID:4bF3y6ry0
質問に質問で返しちゃいそうな花火屋か

254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 20:13:45.67 ID:6QP2Wu8P0
風船おじさんもいる世界か
どう戦うかみものな世界だな

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 20:20:48.51 ID:q/sycnuq0
“帽子小僧”「ウィーン、ガッチャン…こちら“帽子小僧”、こちら“帽子小僧”…“風船おじさん”どうぞ」
“風船おじさん”『こちら“風船おじさん”の世界だ。目標を捕捉出来た世界か?どうぞ』
“帽子小僧”「オイラも“花火屋”も目標を補足したし、予定通りの配置に付いたぜ…どうぞ」
“風船おじさん”『了解した世界だ。まずは、『魔術師』二人を片付けろ…』
“風船おじさん”『ターゲットだけならば、如何に逃げ足が速かろうと、俺とお前の『スタンド』で充分追跡出来る世界だ』
“帽子小僧”「ウケケケ…違いねぇ~なぁ~。了解、“風船おじさん”…オイラと“花火屋”は行動に映るぜ、OVER」

“帽子小僧”は“風船おじさん”との回線を切ると、再び“花火屋”に回線をつなぐ。

“帽子小僧”「GOサインが出たぜ、“花火屋”…『カムザキキャオリャ』と『シュテイル・マギャニュス』…だったか?」
“帽子小僧”「連中を始末するぜ…ウィーン、ギュィーン、ガッシャン!」


256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 20:34:16.96 ID:q/sycnuq0

“風船おじさん”「了解…OVER」
“帽子小僧”との定期連絡を終えた“風船おじさん”は、インカムに当てていた右手を離した。
“帽子小僧”が居るビルから少し離れた背の高いビルの屋上に、“風船おじさん”は居る。

縮れた短めの黒髪を頭頂部に乗せた、背の高い黒人の男である。
スマートな容貌の持ち主で、両方の眼の周辺部に、奇妙な刺青の様な文様がある。
もう夏なのに、礼服を思わせる瀟洒なコートに身を包んでいた。

???「キサマや俺は一緒に戦わなくていいのか?」
“風船おじさん”「今回の『任務』は奴らの能力評価も兼ねている。俺達は奴らの働きを見届ける世界だ」
“風船おじさん”「“帽子小僧”は新参者、“花火屋”は傭兵だ…そのスタンド能力自体は素晴らしい世界だが…」
“風船おじさん”「俺達の『任務』の世界は、ただ強いだけでは務まらない世界だ」
“風船おじさん”「今回の俺の任務は、あくまで連中の審査役の世界だ…」
“風船おじさん”「“射的屋”、貴様も今回の『任務』の本分を忘れない事だ…」
“射的屋”「ああ…」

257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 20:43:22.48 ID:tqffwJIAP
ジョンガリ・Aか

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 20:44:21.24 ID:p7l4Vt2lO
そういやマイクO黒人か
現代なら珍しくないが当時は大出世なんじゃ

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 20:46:04.59 ID:q/sycnuq0
“風船おじさん”、こと『マイク・O』に“射的屋”と呼ばれた男は、
屋上の給水塔の麓に腰かけていたが、その顔は陰に隠れて覗う事はできない。
ただ、声色から覗うに、成人した男性である事は確かだろう。

“風船おじさん”こと『マイク・O』、
“帽子小僧”こと『ポーク・パイ・ハット小僧』、
“花火屋”こと『オエコモバ』、
そして“射的屋”。

彼らは『さる人物』の命令を受けて、この『学園都市』に来訪した。
彼らに課せられた『任務』は、『学園都市』に逃げ込んだ『禁書目録』の確保。
その『さる人物』の野望の実現に、『禁書目録』の知識が大きく寄与する可能性が高いのだ。

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 21:02:12.45 ID:q/sycnuq0
マイク・Oとその一党は、その『さる人物』の直属組織の構成員であり、
『さる人物』の『野望』の実現に日夜世界を縦横無尽に奔走しているのだ。

マイク・O「『禁書目録』は世界を左右できる力を秘めている」
マイク・O「落日のイギリスごときが占有することが許される世界では無い」
マイク・O「より相応しい『主』の手中にあるべき世界だ…」
マイク・O「所で、奴らの動き…ちゃんと追えているな?」
“射的屋”「ああ…よく『視える』とも…」

抑揚の無い声で、“射的屋”は応える。
不意に、空にあった雲の塊が晴れて、陰となって見えなかった男の容貌が明らかになる。
長髪の白人の男である。声からの推測通りの、30半ばほどの面相で、カタチは悪くない。
凹凸のついた奇妙なシャツと、黒いズボンを着ていて、その膝には一丁の狙撃銃が置かれていた。
『ワルサーWA2000』。世にも珍しいブルバップ式セミオートの狙撃銃である。
それはさておき…


262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 21:06:08.52 ID:3C2JhaRK0
スタンド使いどもが登場するたびにwktk

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 21:12:49.45 ID:q/sycnuq0
“射的屋”「よく『視えている』」

聞き間違いだろうか?
“射的屋”は『視えている』と言ったが、
今しがた陽光で明らかになった男の双眸、
その両方の瞳は、白く濁って光を通さない。
白内障であった。これでは狙撃銃も宝の持ち腐れの筈であるが…

“射的屋”「『見る』よりもよく『視えている』」

“射的屋”は静かにそう事実を告げる。
“射的屋”には『視えてる』。
空気の流れが、今しがた始まった『魔術師』と『スタンド使い』の闘争を、
“射的屋”に見せる。

眼下の街中から、爆音が連続して響いた。
戦場の上空を、ふわふわと浮き漂う『何か』が居る。
四枚の羽を備えた奇怪な『何か』は、その真下の闘争の様子を、
見えざる風の流れで『視て』いたのだ。

“射的屋”…その真名は『ジョンガリ・A』。
かつて『神(DIO)』の名を持つ男に仕えた刺客であった。

266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 21:18:10.88 ID:AB5zBMrl0
マンハッタンktkr

269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 21:27:35.21 ID:q/sycnuq0
???「はぁ…はぁ…はぁ…」

一人の、うら若い女が、ゴミ溜めと化した路地裏の壁に背を乗せ、喘ぐ。
その全身の至る所に裂傷と、火傷を負った姿は痛々しい。
へそ出しルックの白いTシャツに、裾を根元までぶった切ったジーンズ、
そしてウェスタンブーツと言う奇抜で破廉恥な装束も、
今は所々が焼け焦げ、破れ、摺り切れて、破廉恥な恰好を一層ふしだらな物にしている。

???「はぁ…はぁ…ゆ…油断しました…奴ら一体…」

普段は腰に帯びておる、その長さ六尺を超える大太刀を杖に、
彼女は上がり切った息を整えていた。

今の彼女の様子を見れば、ロンドンの彼女の同僚たちは残らず目を剥くだろう。
なぜなら彼女、『神裂火織』はこの世にたった20人しかいない『聖人』、
すなわち『神の代理人』にして『神威の顕現に他ならないのだから。


271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 21:32:22.68 ID:4bF3y6ry0
神裂の遺体はスタンド使いを生めるのか?

273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 21:35:37.30 ID:PPw14hUJO
>>271
キリストとか釈迦レベルの聖人じゃないと無理なんじゃねー?

276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 21:37:59.08 ID:q/sycnuq0
神裂「はぁ…はぁ…私ともあろう者が…こんな…」
神裂「しかし…とにかく今は『ステイル』が…彼は、彼は無事なのでしょうか…」

『魔術師』、『神裂火織』とその相方『ステイル・マグヌス』、
イギリス清教の下部組織たる『必要悪の教会』に所属し、
その2枚看板として武威を轟かせているこの二人組は、
こともあろうに『学園都市』に逃げ込んだ『インデックス』を追って、
この科学の街に足を踏み入れていた。

その目的はインデックスの『保護』。
そのやり方は到底『保護』とは言えない、
むしろ『拉致』とでも言うべき大層荒っぽい物だが、
それは彼女達が、インデックスに対する『感傷』を抱かずに、
インデックスを『保護』するための彼女達なりの『苦慮』の結果であった。

何故、インデックスの護衛役とも言える、
イギリス清教、影の実働部隊『必要悪の教会』の二枚看板たる彼女達が、
『インデックス』に対して『感傷』を抱く事を許されないかと言えば、
それには抜き差しならない『ある事情』があるのだが、
それについては後に語る事にしよう。

282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 21:54:52.54 ID:q/sycnuq0
とにかく、インデックスを保護すべく学園都市に来訪した彼女達は、
いよいよインデックスを捕捉し、『彼女達の流儀』で、
インデックスを確保しようとしたのであるが…

神裂「…何者ですか」
オエコモバ「………」

突如、彼女達の現れたのは、
昆虫の様な一種異様な風体の、怪人物である。
単なる怪人物では無い。恐るべき『殺気』を身に纏った怪人である。

オエコモバ「…『神裂火織』と『ステイル・マグヌス』で、間違い無いな…?」
ステイル「君は頭脳がマヌケなのかい?質問に質問で返すなよ」
オエコモバ「間違い無いようだな…」

怪人、オエコモバの身に纏った殺気がさらに膨れ上がる。

オエコモバ「御命、頂戴させてもらうぞッ!」
神裂「…ステイルッ!?」

正体は不明だが、『刺客』である事に変わりはあるまい。
神裂、ステイルの両人は、歴戦の勇者らしい迅速な反撃を試みたが…

287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 22:08:55.13 ID:q/sycnuq0
ステイル「オゴアッ!?」
神裂「ステイルゥッ!?!?」

背後のステイルから突如発せられた呻き声に、
神裂は振り向き、そして驚愕した。

『何も無い空間』にステイルが肩から血を流しながら浮かびあがっていたのだ。
いや、厳密には『何も無い空間』では無い。
一枚の黒いカラスの羽が、ふわふわと宙を漂っていたが、
スタンド使いでは無い神裂には、ステイルが浮かび上がった事と、
黒い羽に因果関係を見いだせない。

彼女には視えないのだッ!
その黒い羽から伸びて、ステイルを『釣り上げている』ワイヤーフックが!

正に一瞬の出来事。
宙に浮かびあがったステイルは、次の瞬間には黒い羽の中に吸い込まれて、
この場から消失してしまったのである。

291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 22:15:50.47 ID:E4scyKP0O
ステイルwwww即死wwwww

293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 22:17:45.39 ID:3C2JhaRK0
炎使いは厄介だから真っ先に叩かれたんだろう、たぶん
けっしてステイルがへタレなわけではない、きっと

294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 22:18:36.47 ID:q/sycnuq0
神裂「!?!?(理解不能理解不能ッ!?)」

神裂は唖然とした。
全く予期せぬ奇襲であった。
彼女は優れた戦闘能力の持ち主であり、
人の気配を読む事にも長けているが、
その優れた彼女の索敵能力を以てしても、
この正体不明の奇襲の仕掛けに人の存在を感知する事が出来なかったのだ。

この怪現象は魔術によるものではない。
魔術であれば、魔力の流れを感じ取れる筈だが、それが一切無い。
神裂にとっては完全に正体不明の攻撃であった。

驚愕する神裂の様子を見て、オエコモバはほくそ笑み、

オエコモバ「隙だらけだぁっ!」
神裂「…しまった!?」

ジャケットの内より抜いた小型拳銃の銃口を神裂に擬した。

296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 22:19:47.78 ID:AB5zBMrl0
神裂が重ちー化したwwwwwwww

307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 22:34:19.10 ID:q/sycnuq0
本来、如何に神裂がスタンドを認識出来ないとはいえ、
奇襲なら兎も角、オエコモバが真っ向勝負で神裂に勝てる道理は無い。
『聖人』の戦闘能力は『吸血鬼』に匹敵、いや、それを遥かに凌ぐであろう。
スタンド使いとはいえ、身体能力はあくまで常人レベルのオエコモバなど、
神裂にとっては人間にとってのモンキーに過ぎない。

しかし、認識出来ない正体不明の攻撃による、ステイルの体の当然の消失。
それによって生じてしまった神裂の意識の致命的な『隙』。
闘争の場において『隙』を見せる事が、そのまま敗北に直結するのは、
人であっても聖人であってもスタンド使いにあっても変わらない不変の法則ッ!

オエコモバ「『一手』遅いぜぇ~っ!殺(と)った!」

オエコモバは両手で構えたワルサーを乱射する。
されど神裂も聖人ッ!

神裂「(このド素人がァッァァァァァ!そのんなチンケな銀玉鉄砲で、この私をどうにか出来ると思ったかァッ!)」

神裂は読んで字の如く紫電の速さで七天七刀を抜刀する。その剣速は、『シリバー・チャリオッツ』にも匹敵するだろう。
この程度の拳銃弾を弾いてしまうなど、訳も無い事であった。


308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 22:35:55.37 ID:4bF3y6ry0
神裂がジョジョっぽいセリフをwwwww

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 22:38:15.98 ID:G08vVIvFP
クロスオーバー先がジョジョ化するのはよくあること

310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 22:41:03.38 ID:q/sycnuq0
神裂は迫りくる拳銃弾を全て『弾いた』。
『弾いてしまった』のだ。
『七天七刀』の『刀身』で、『拳銃弾』の『弾頭部』を『弾いた』てしまった。
つまり、『弾頭部』に『触れて』しまったのだ。


カチリッ


神裂「えっ!?」

神裂には認識できない『音』が鳴り、
『拳銃弾』の『弾頭部』に仕掛けられた『ピン』が抜け、

瞬間、神裂の周囲の空間が『爆発』した。



312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 22:44:31.07 ID:yiK+KxsW0
基本的に有利な状況を作ってから戦うからな、スタンド勢(敵)は

323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 22:56:07.69 ID:q/sycnuq0
オエコモバ「…チッ」

オエコモバは、爆風の後に見えた『モノ』に舌打ちし、
急いで、インカムの回線をポーク・パイ・ハット小僧に繋ぐ。

オエコモバ「こちら“花火屋”…“帽子小僧”、ステイルという魔術師、まだ生かしてるか?」
小僧『ウィーン、ガッシャン…こちら“帽子小僧”…まだ生きてるぜ。シュテイル…だっけか』
オエコモバ「まだ殺すな。利用価値がある」
小僧『へっ?なんでだよぉぉぉっ…オイラ達の目的は「イカデックス」とかいう小娘だろぉぉっ?』
小僧『コイツなんて邪魔なだけじゃねぇぇぇかぁぁぁっ』
オエコモバ「あの女まだ生きてやがる」
小僧『…はあっ!?いや、オイラも視てたけどよぉぉ、あの爆発で生きてる訳ねぇじゃねぇか』
オエコモバ「いや…」

オエオコモバは自身の足元の『窪み』を見る。
神裂火織の、身体能力の凄まじさを事前情報で知り得たオエコモバは、
敢えて『弾かせる』事を考えて、『ピンを仕込んだ拳銃弾』を用いた。
至近距離でのあの爆発である、常人ならばまず爆死していただろう。

常人ならば。

324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 22:57:01.68 ID:LQMJDX8L0
イカデックスちゃうわwww

325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 22:58:12.04 ID:U5C5DdXz0
>>323
???「はっ!私の出番の気がするゲソ!!」

329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 23:08:50.97 ID:q/sycnuq0
オエコモバ「あの女…爆発の瞬間に地面を蹴って逃げやがった…」

とんだ化け物だ…と続けて呟きながら、改めて『窪み』を見る。
それは爆発による窪みでは無く、神裂が地を蹴った時に出来た窪み。
『聖人』とは『人を超えた存在』。その証左となるものであった。


神裂「ハァ…ハァ…」
神裂「(いけない…思ったより消耗が激しい…)」

何とか九死に一生を得て、死地より脱した神裂だったが、
その体力の消耗は、彼女が予想した以上の物であった。

傷自体は、『聖人』としての能力で今現在もジョジョに回復に向かっているが、
『傷を直す』という行為にも、人間の体はカロリーを燃やし、体力を消耗させる。
要するに神裂は、ガス欠の状態にあったのだ。

神裂「(いけない…意識が薄れる…眠気も酷い…)」
神裂き「(でも…ここで…倒れる…わ…け…)」

遂に、神裂は膝をついてしまった。


330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 23:12:11.73 ID:p7l4Vt2lO
神裂「カエルを食べて体力を回復しなくては…」

331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 23:12:35.55 ID:G08vVIvFP
>ジョジョに
ハ・・・ハハ・・・

333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 23:16:30.71 ID:q/sycnuq0
神裂「(ダメだ…もう…意識が…もたな…)」

瞼が重く、足は萎え、意識は朦朧としている。
神裂の疲労は限界に達し、今まさに意識を失わんとした時、

上条「はぁ~…やっと補習が終わりましたよ…」
上条「ああと…そういえばどこぞのシスターが我が屋の食料喰いつくしたんだっけか」
上条「また出費が…不幸だ~…」

どこからともなく、そんな呑気な声が聞こえて来る。

上条「あれ…なんか綺麗なお姉さんが…って怪我してるじゃねぇか!?」
上条「オイ、アンタ、大丈夫なのかよ!?」

神裂が意識を失う前に見た物。
それは、自分の顔を心配そうに覗きこむ、ウニ頭の人の善さそうな少年の顔だった。

  /└────────┬┐
 <     To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 23:18:22.61 ID:+y74e0FYP

上条さんいろいろ拾いすぎだろww

336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/04(土) 23:19:05.76 ID:G08vVIvFP

ここで絡んじゃったか

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:33:04.07 ID:1qIKMVYK0

『魔術師』と『スタンド使い』

全く異なる『二つの世界』に生きる『二種類』の人々。
その二つが交差した時、『新たなる戦い』は始まった。

しかし、『魔術師』と『スタンド使い』が、
すなわち『神裂火織』、『ステイル・マグヌス』と、
『オエコモバ』『ポーク・パイ・ハット小僧』が死闘を繰り広げていた頃、
この物語の二人の主人公、『上条当麻』と『ディアボロ』は、
一体何をしていたのであろうか…

ここで一旦、舞台を『戦士たち』の死闘から転じて、
同日の彼らの行動に目を向けて見たいと思う。

まずは『ディアボロ』の場合である。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:36:12.03 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「ううむ…」

ディアボロは、右手左手、
それぞれの掌に乗せられた『モノ』を睨みつけてううむ唸った。

右手に乗せられているのは『夏目漱石』が2枚、
左手に乗せられているのは『インデックス』が残していった『コイフ』である。

インデックスも出て行ってしまったので、
上条が補習に出かけた後に部屋に残されたのはディアボロただ一人である。
昨日の朝昼は上条の買って来た軽食で、晩は上条謹製の肉野菜炒めで済ましたが、
今日の昼は上条が補習で居ないので、食事はディアボロ一人きりでしなくてはならない。

学生がその人口の『8割』を占める『学園都市』において、『大人』は非常に少数派である。
故に、ディアボロのような独特の容姿をした異人の大人が街中をほっつき歩いていれば、
目立ってしょうがない上に、その姿を怪しまれる事は必定である。

ただ単に、『怪しまれるだけ』ならば構わないが、
『風紀委員(ジャッジメント)』や『警備員(アンチスキル)』に通報されればたまった物ではない。

だからこそ、上条は昨日の内に、ディアボロの昼食分と、
補習が長引いた時の事を考えて夕食分の食料を買いだめていた訳だが、
その食料は、どこぞのシスターに全て平らげられてしまったのである。

残念ながら朝方バタバタしてしまった為に改めて買い出しに行く時間は無く、
仕方なく上条はディアボロになけなしの2千円を渡してソソクサと出かけたのであった。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:38:31.09 ID:1qIKMVYK0
上条「いや…ちょっとコンビニで買い物するぐらいなら大丈夫だと、上条さんは思うんですけど…」

などと上条は言っていたが、ディアボロには外に出ていく様子がまるで見られない。
ディアボロは外に出る事を酷く躊躇っていたのである。

空腹を我慢できない事も無いが、『生き返った』ばかりだし、折角の食事を楽しみたいとも思う。
今後の為に、部屋の外の様子を、一度自分の目で見て置く、という事も必要だと思う。
それより何より…

ディアボロ「(さっさとコレを捨ててしまいたい)」

インデックスが部屋に忘れて言った『コイフ』を、ディアボロはさっさと何処かに捨ててしまいたかった。
インデックスは言っていた、“追跡者は『歩く教会』の魔力を追ってくる”と。
だとすれば、魔術師どもを呼び寄せるであろうこの『コイフ』を、
部屋に何時までも置いておくのは、百害あって一利なしだろう。
ようやく手に入れた『平穏』である。正直、こんなに早く乱されたくは無い。
しかし…

ディアボロ「馬鹿な…このディアボロが…」

ディアボロは出入り口の扉の前で、蒼褪めながら、呻く様に言った。

ディアボロ「外に出るのが怖いだと…」


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ …




61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:41:22.62 ID:1qIKMVYK0

部屋の出入り口の前に立った時、名状しがたい恐慌が、
ディアボロの背骨を突き抜けたのだである。

動悸は激しくなり、瞳孔は拡散し、
冷や汗が噴き出て、頭がクラクラする…

一見、ある程度平静さを取り戻したかに見えるディアボロだが、
その実、その胸に巣食ったトラウマは、全くと言っていい程解消されていない。

この部屋の外に出れば、またあの理不尽な『死の連鎖』に襲われるのではないか…
ついついそういう事を考えてしまう。その『死』を思うと、恐怖で震えが止まらなくなる。

ディアボロ「(ク、クソが…気分が悪いぞ…ゲロでも吐きそうな気分だ…)」

そんな事は無い、もう『鎮魂歌』の『呪い』からは解放されたのだ、と、
何度自分に言い聞かせても、『恐怖』は、『死の恐怖』はディアボロの体を病魔の様に蝕むのだ。

結局、

ディアボロ「(こ、ここは『退く』のだ…)」
ディアボロ「(『恐怖』から身を隠し反撃の時期を待つ)」
ディアボロ「こ、ここで一時『退く』のは敗北ではないッ!)」
ディアボロ「(オレはちゃんと一人で外に出れる『能力』があるッ!)」

と、散々に言い訳して部屋の中に戻った訳である。

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:44:21.55 ID:1qIKMVYK0
部屋から出るのを『一時』断念したディアボロであるが、
暫くは、部屋の隅に積まれた古新聞を読んだり、

ディアボロ「(『ピンクダークの少年』と言うのか…中々面白いじゃあないか…)」

本棚から漫画を勝手に取り出して読んだりしていた。が、

ぐぅっ~

腹の音は静かな部屋では一層音を響かせる。
あらためて考えれば朝から何も食べて無いのだ。
時計を見れば、もうそろそろ午後2時を回るころだ。

ディアボロ「(まだ慌てる様な時間じゃない…)」

それでも『恐怖』がぶり返して、空腹を我慢していたのだが、

ぐぐぅっ~

午後4時を廻る頃には流石に限界が来て、
『ディ○ボロの大○険』とかいうゲームの世界であれば、

『 このまま では餓死してしまう! 』

のメッセージがでるレベルに達してしまった。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:47:55.47 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「これは『試練』だ…」

部屋の真ん中で仁王立ちし、拳を握りしめ、
天に突き出して、ディアボロは独り叫ぶ。

ディアボロ「過去に打ち勝てという『試練』と、オレは受けとったッ!」

ディアボロは自身の未熟な過去に討ち勝つ為に、
再度部屋の外に出ようとして…

ディアボロ「よくも!!こんなーッ!…とるにたらない…外出のために……!!」
ディアボロ「この便器に吐き出されたタンカス(恐怖)どもが!!この俺に対してッ!」

ディアボロ「 オ レ の そ ば に 近 寄 る な あ あ ーーーーーーーーーッ」

結局ダメだった。

ディアボロ「(そもそもだ…この姿で外に出れば…怪しまれるに決まっている)」
ディアボロ「(今の俺が望む物は『平穏』…ならば、部屋の中で大人しくしてればいいじゃないか…)」
ディアボロ「(しかし、あのインデックスの『コイフ』に釣られて、魔術師どもが此処に来るかもしれない!)」
ディアボロ「(いや…待て…もう午後4時だ…連中が来るなら、もっと早く来てる筈だ…)」
ディアボロ「(…だとすれば、わざわざ捨てに行かなくても…)」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:49:38.73 ID:1qIKMVYK0
そんな事を、延々と考えていた時だった。
ふと、ディアボロの脳裏に去来した考え。

ディアボロ「(俺がかつてボスだったころ…)」
ディアボロ「(俺自身が動きまわれない時…)」
ディアボロ「(窮地に立たされて動けなくなった時…)」
ディアボロ「(率先して動いていたのは…)」

『ヴィネガー・ドッピオ』

失われた相方の名前が脳裏に浮かぶ。

ディアボロ「(俺が行けない所にも、アイツなら行けた…)」
ディアボロ「(俺が動けない時も、アイツならば動けた…)」
ディアボロ「(『大人』の俺に出来ない事が…)」
ディアボロ「(『子供』のアイツには…)」
ディアボロ「(ん!?)」
ディアボロ「(『子供』…だと)」

『ディアボロ』から『ドッピオ』に変わる時、
『ドッピオ』から『ディアボロ』に変わる時、
それは『精神』だけではなく、『肉体』さえも変化した。
『大人』から『子供』の肉体に…

ディアボロ「待て、落ち着け、良く考えろ…」

床に寝そべっていたディアボロは、
起き上がりながら、自分に言い聞かせる。

ディアボロ「何か…何か閃いたぞ…一体何を閃いた…」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:52:37.41 ID:1qIKMVYK0
『ディアボロ』と『ドッピオ』。
俺の肉体には二つの精神が同居し、
時と場合に応じて、その表裏を入れ替えて、俺は生きて来た。
『ディアボロ』は『大人のボス』として、『ドッピオ』は『子供の腹心』として。
しかし『肉体』は、『変化』するにしても『元々の俺の肉体』が唯一つあるに過ぎない。
だとすれば…

ディアボロ「俺が俺のまま、『ドッピオ』の肉体に変わるのは…果たして可能なのか?」

今まで考えて見た事も無い事であった。
『大人』が『ディアボロ』で『子供』が『ドッピオ』であると言う事が、
あまりに当たり前すぎていたし、
何より、自分の場合『精神』の変化に『肉体』が従う、という形だったから、
『子供の肉体』は『ドッピオの物』という事を、考えるまでもない前提だと思っていたのだから。

しかし、『不幸』にも、自分の肉体には、
自分自身である『ディアボロ』ただ独りしかいない。
しかし、自分の肉体は自分の肉体のままここにある。
つまり、肉体に『変化する能力』自体は残ったままの筈だ。

『肉体の変形』
この能力は、スタンドとも何の関係も無い、
自分の『体質』とでも言うべき代物。ならば…

ディアボロ「俺にも使えるかも知れん」

ディアボロは、ベッドの端に座ると、
目を閉じ、精神を集中して、自分にこう言い聞かせる

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:55:04.79 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「(俺は『ヴィネガー・ドッピオ』だ…)」
ディアボロ「(俺は『ヴィネガー・ドッピオ』だ…)」
ディアボロ「(俺は『ヴィネガー・ドッピオ』だ…)」
ディアボロ「(俺は『ヴィネガー・ドッピオ』だ…)」
ディアボロ「(俺は『ヴィネガー・ドッピオ』だ…)」

何度も何度も繰り返し繰り返し、自分にそう言い聞かせる。
無心に、静かに、心平らかに、ただただ念じる…

ささやき…いのり…えいしょう…ねんじろ…

*おおっと*

その結果…

バイト君「あじゃじゃしたー…」
ディアボロ「………」

ディアボロはコンビニ袋を下げて、帰路についた。
その姿は、『まるで少年の様である』。

髪は紫で、顔にはそばかす、
ディアボロに比べると背は低く、
顔立ちも大人しい感じだが、
目付きだけはディアボロと全く変わらない。

要するに『ヴィネガー・ドッピオ』の姿である。

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 14:59:20.43 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「(正直…上手くいくとは思わなかった)」

人生何事も試して見るものだとは、良く言った物である。
一心不乱に念じ続けた結果、30分程の時間を掛けて、
ゆっくりゆっくりと肉体は『変化』していったのだ。

以前であれば、『精神』の『入れ替わり』に数時間掛けねばいけなかった半面、
肉体の変化自体はものの30秒ほどで済んでしまうものだったが、
どうやら勝手が色々と違うものらしい。

ディアボロ「(しかし…ようやく『外に出る』と言う目的が果たせた訳だ)」

異人の容姿や、姿を変えても恐怖を完全には払拭できなかったが故の精神不安から、
若干挙動不審な行動を取ってしまい、多少不審の目で見られた物の、
やはり子供の容姿が効いたのか、あくまで『見られる』だけで済んだのだ。

ディアボロ「(恐怖も大分払拭できる…)」

『今の自分はディアボロでは無い』
『だから、死の運命も今の自分は襲わない』
そう自分に言い聞かせる事で、心に巣食った恐怖を、
幾分か和らげる事ができたのだ。
何れはディアボロの姿のまま、外に出れる様にしたいものだが、
今は一歩前進できただけでも良しとしよう。

ディアボロ「(しかし…この肉体…欠点が無いわけでもない)」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:01:30.51 ID:1qIKMVYK0
変化するのに時間が掛ったように、戻るにも同じぐらいの時間が掛るのである。
まあ、それぐらいの欠点ならばどうと言う事は無いが、

ディアボロ「(スタンドが出せないのは痛いな…)」

この肉体の状態になってしまうと、
『ディアボロ』に完全に戻り切るまでスタンドが一切使用できないのだ。

以前は『ドッピオ』状態でも『エピタフ』や、
『キングクリムゾンの一部』を貸し与えて使わせる事ぐらいはできたが、
今回の場合は『エピタフ』すら出す事が出来ないようだ。

つまり、この状態でいる時に敵に襲われた場合、
自身の五体だけで立ち向かわねばならないと言う事だ。

ディアボロ「(まあ、素手の喧嘩ならば出来ない事も無いが…)」

ドッピオですら相手の眼窩に指を突っ込んで眼球をグリグリやったりするぐらいであり、
ディアボロならば、えげつない技の一つや二つ、使えない事も無い。
ただ、この『学園都市』の不良は、酷いのになると自動小銃や、
使い捨てロケット砲で武装していたりするらしい。
そんな連中と万が一事を構える様な事になれば、
それが、この『ドッピオ形態』の時の話であれば、

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:04:55.81 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「(『肉体』が戻り切るまでの時間、ひたすら逃げ回らねばならないと言う事か…難儀だな)」

どこかで護身用の『拳銃』の一つや二つでも入手しておいた方がいいのかもしれないが、
先立つ物が無い以上、それも出来そうに無い。

ディアボロ「(しかし何と言うか…新鮮な印象だな…この『視点』というのも…)」

今、ディアボロが見ている『世界』。
それは、言わば『ドッピオ』の視点から見ている世界であった。
以前の自分にとって、『ドッピオの肉体』はあくまで『ドッピオ』のものであった。
『ドッピオ』状態の時も、内なる自分がある程度外の世界を見たり聞いたりする事は出来たが、
それはあくまで『ドッピオの感覚』を通しての事で、あり、モニターを通して景色を視る様な、
そんな『隔てた』感覚がかつてはあった。
つまり『ディアボロ』が『ドッピオ』の視点で世界を視るのは、これが初めての事であったのだ。

ディアボロ「(アイツの目には、世界はこの様に見えていたのか…)」
ディアボロ「(…ドッピオ……)」

ディアボロは、もうドッピオがこの世に居ない事を思い出して、心の中で泣いた…

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 15:07:23.98 ID:zyrwJIKn0
あの悪党が、半身を喪って初めて気づいたのか

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:07:45.50 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「ふぅ~…生きていると言う事は素晴らしいな事だ…」
ディアボロ「『満腹感』ッ…こんなとるに足りない事が、こんなに『幸福』な物だったとは思わなかったぞ…」

しんみりした気持ちを、ようやく手に入れた食事で紛らわし、
ディアボロは上条の部屋の真ん中でごろりと寝そべった。
『肉体』は、既にディアボロ本来の物に戻っている。

ディアボロ「(もう直ぐ午後六時か…上条もそろそろ帰ってくる頃か…)」

床をゴロゴロ転がりながら、壁掛け時計が示す時刻を見る。
窓からは、夏の夕焼けが茜色の斜光で部屋の中を照らしていた。

ドンドン、ドンドン…

ディアボロ「…ん?」

突然、誰かが出入り口のドアを叩く音が響いた。

ディアボロ「(誰だ…上条も居ない…居留守を決め込むか…?)」

年の為に『キング・クリムゾン』を傍らに顕現させながら、
ディアボロは視線だけ扉の方に向ける。


82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:10:52.88 ID:1qIKMVYK0
ドンドン、ドンドン…

そんな音が後3度ほど続いた後、

インデックス「開けてよ~私なんだよ~」
ディアボロ「…ナニッ!?」

聞き覚えのある声が飛んできた。


ディアボロ「……何しに来たんだ?」
インデックス「あ、やっと開けてくれた…遅いんだよ、も~う」

インデックスの目の前の扉が開かれると、
ピンク髪の変な男、ディアボロとか言う男が顔を出した。

インデックス「あのさ、今朝来た時に私が被ってた『フード』…あれ、ひょっとしてここにあったりするかな?」
ディアボロ「ああ…あれか。確かにお前が忘れていった物だったな…」
インデックス「!…よかった…ここにあったんだよ…」


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:13:24.88 ID:1qIKMVYK0

ディアボロの呑気な様子を見れば、魔術師達もまだ此処に来てはいないらしい。
インデックスは、安堵のため息をついた。
あれが、ここにあるとすれば、トウマやディアボロが襲われるかもしれない…
そう、心配になって、インデックスは上条の部屋に急いで戻ってきたのだ。
無関係な彼らを、巻き込む訳にはいかない。

インデックス「どこにあるの?あれを取りに帰って来たんだよ!あれを返してもらえば、直ぐにまた出て行くから…」
ディアボロ「ああ…あれはなぁ…」

ディアボロは一瞬、視線を宙に惑わせて、

ディアボロ「捨てたぞ」
インデックス「え」
ディアボロ「いや、だから捨てて来た。つい、さっき」

スタンドも 月までブッ飛ぶ この衝撃

ディアボロの爆弾発言に、インデックスは思わず目を点にしながら、それでも尋ねた。

インデックス「捨てた?…何を…?」
ディアボロ「いや、だからお前の『コイフ』をだ。持ってたらヤバそうだったんでな」
ディアボロ「さっき出かけた時に見かけたゴミ収集車の中に放りこんでおいたぞ」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:16:18.17 ID:1qIKMVYK0
捨てた?私のフードを?このトンチキは、捨て腐ってやがりましたと言う事ですか?
人がわざわざ心配になって、息を切らしながら戻ってきたと言うのに?

インデックス「な…な…な…」
ディアボロ「ん?何だ」
インデックス「何て…」

インデックスはしばしワナワナと震えていたが。

インデックス「何て事してくれたんだよォォォォッ!このバカチンッ!」
インデックス「ひどいんだよォォォォッ!ひどすぎなんだよォォォッ!」
インデックス「あァァァんまりだァァァァ!あァァァんまりなんだァァァよォォォォ!」

インデックスは絶叫、そしてッ!

インデックス「タダじゃあおかないいんだヨォッ!カクゴしてもらいますッ!」

その場で跳躍ッ!!危なァーいッ!上から襲ってくるッ!

インデックス「GESOOOOOOOO!!」
ディアボロ「な、なんだとォッ!?『キング・クリムゾン』!」

ディアボロと、インデックスの影が交差して、


場面は上条当麻の方に移る。

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:18:27.23 ID:xs4OPAgjP
誰だよこれwwwwwwwwww

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:18:33.12 ID:ko5+P6nj0
>インデックス「GESOOOOOOOO!!」



おい、自重しろ、イカ野郎www

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:20:39.81 ID:1qIKMVYK0
上条「はああ…もう6時じゃねぇか…折角の夏休みだってのに…何でこんな時間まで補習を…」
上条「あああ…不幸だぁぁっ…」

沈まんとしながらもなお、煌々と照りつける夏の太陽に、
上条は辟易とさせられながら、自宅への帰路の上にいた。

上条「変なおっさんはベランダに引っかかってるし…」
上条「変なシスターはベランダに引っかかってるし…」
上条「その変なシスターとの別れはどうにも釈然としねぇし」
上条「やっぱり不幸だぁぁぁ~」

昨日から連続する妙な事件とは対照的に、
補習の風景は実にいつも通りだったのが唯一の救いだろう。
昨日補習を休んだ理由を、バカ二人に問い詰められたりもしたが、
おおよそいつものようにバカ二人とバカやって、
小萌先生に怒られて、バカだから補習が長引いて…
全くもっていつも通りの日常だった。

上条「もう妙な事に巻き込まれるにはこりごりですよぉ~…今日はこのまま平穏に終わっ…」

ドサッ

上条「………ですよね~」

通り過ぎようとした路地裏の入り口。
そこに誰かが倒れているのが見える。

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:23:26.00 ID:1qIKMVYK0
通り過ぎようとした路地裏の入り口。
そこに誰かが倒れているのが見える。

上条「はああ…不幸だねぇ…」

ここで見なかった事にして、立ち去ってしまえば良い物の、
見なかった事にしないのが上条当麻である。
倒れている人物を介抱すべく、その人物近付く。

上条「(あれ…近くで見ると…)」
上条「あれ…なんか綺麗なお姉さんが…」

その人物は、随分と『大胆』な恰好をした『大人の女性』で、

上条「って怪我してるじゃねぇか!?」
上条「オイ、アンタ、大丈夫なのかよ!?」

『血まみれ』で所々『焼け焦げて』いた。


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:25:52.62 ID:1qIKMVYK0
上条「はぁ~っ…ようやく着いたか…」
上条「(土御門とかがまだ帰っていませんようにっ…と)」

件の女性を背負って、上条は自室のある学生寮の前に立っていた。
最初は救急車を呼ぶつもりだった上条だが、背中の女性が、

『病院はダメ…病院は…』

と、朦朧とした様子で、うわごとのように漏らしていた為、
何か事情があるんだろうと、自宅まで連れて来た訳である。
(ちなみに、彼女の傍らにあったクソ長い刀は置いて来た)

妙な事だが、血まみれで服はズタズタ、あちこち焼け焦げている割には、
怪我自体はさして酷くはなかったのである。これなら、自宅でも看病できそうである。

女性、『神裂火織』の『聖人』故の『超回復力』の賜物だが、
無論、上条はそんな事情は知らない。

上条「(途中で誰にも見つからなかったのはラッキーなのかアンラッキーなのか…)」

『史実』において、上条当麻は『7月20日』の補習からの帰宅時に、
『超電磁砲』、『御坂美琴』に絡まれてスッタモンダがあったのだが、
日付が一日ずれたこの『世界』において、上条が遭遇したのは『神裂火織』であった。

上条「(上条さんの部屋は一人部屋…2人も余計な人背負いこむ余裕は無いんですが…不幸だぁ~)」

そう思うならまず、そのむやみやたらに人助けするのをヤメロと言いたい所だが、
それでも『助けてしまう』のが上条当麻であった。

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 15:28:57.84 ID:1qIKMVYK0
乗り込んだエレベーターの扉が扉が開き、
上条と神裂は、上条の自室がある7階に到達した。
ふと、上条の耳に…

「おが…やめ…離れ…ギャ…メメ…タァ…」

何やら男のくぐもった悲鳴が聞こえて来る。
それは上条の部屋のある辺りから聞こえて来る。
その声に、上条は聞き覚えがある。

上条「おい…まさか…」

上条の部屋のドアが『開いている』ッ!
『開きっぱなし』になったドアから『悲鳴』が聞こえてきているッ!

その『悲鳴』は…

上条「ディ、ディアボロォォォッ!?」

『ディアボロ』の悲鳴だッ!?

上条「(まさかだろ…おい…)」

上条の部屋にはインデックスの残していった『コイフ』があった。
それは、インデックスに『未練』を覚えて『あえてそのまま』残していた物だ。
それが、インデックスとの『因縁』のヨスガになる事を考えて。
でもそれが…

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 16:02:39.63 ID:1qIKMVYK0
上条「(まさか『魔術師』とかいう連中が…)」

上条の部屋に『魔術師』を、『インデックスの魔力』を追う『魔術師』を呼び込んで、
そいつらにディアボロが襲われているとしたら…

上条「ディアボロォォッ!?大丈夫かあッ!?」

神裂を背負ったまま、部屋の前まですっ飛んで行った上条が見た物、それは…

ディアボロ「アギャガガガガ…噛むな離れろ!俺から早く離れないかァァッ!?」
インデックス「カジカジカジカジカジカジカジカジカジカジカジカジカジカジカジカジカジカジ…」
ディアボロ「うごば、ぱおら、ちにゃ、イテェェェ!?」

上条「…何やってんだオマエラ…」

インデックスに頭を噛まれ、のたうちまわるディアボロの姿だった。


113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 16:05:41.42 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「…それで…その女はどうした…?」
上条「いや~それが帰り道で倒れてたから、思わず拾って来ちゃって…」
ディアボロ「犬か猫ではないんだぞ…」

その後、何とかインデックスをディアボロから引き剥がして事態を収拾した上条は、
インデックスをなだめつつ、自分のベッドに神裂を寝かした。

スースーと静かな寝息を立てている神裂の様子から、
やはり血まみれの割には大事なさそうなのが解り、上条はほっとする。

ちなみにインデックスは、何があったのか部屋の隅で未だ頬を膨らましてプンスカしていた。

インデックス「む~」
ディアボロ「…悪かったと謝ったろうに…」
インデックス「…全然誠意がこもって無いんだよ…」

一体何があったというのか、怒りの冷めきらないインデックスから一先ず目を離し、
上条はディアボロに尋ねた。

上条「それで…俺がいない間に誰か来たやつは…」
ディアボロ「このシスター以外にはいないな…」
上条「そうか…ふぅ~っ…良かった…上条さん少し焦りましたよ…」
ディアボロ「…魔術師か?」
上条「…ばれたか…まさかと思ったかと襲って来たかと思って…」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 16:07:34.33 ID:1qIKMVYK0
自分の見通しの甘さで、もし万が一誰かを傷つけてしまったとしたら…
上条当麻は自分を許す事が出来ないだろう。
今回は大事無かったが…もう少し気を付けた方がいいかも知れない。

インデックス「あの~…その事で一つ言いたい事があるんだけど」
上条「ん?」
ディアボロ「何だ?」

何時の間に落ち着いたのか、冷静に戻ったインデックスが、
言いたい事があるらしく、小さく挙手をしていた。

上条「んじゃ…はい、インデックさん、どうぞ」
インデックス「うん…ちゃんと落ち着いて聞いて欲しいんだけど」

インデックスは、ベッドの上の神裂を指さして言った。

インデックス「私を追ってた『魔術師』って…多分『その人』なんだよ」

上条「なん…」
ディアボロ「だと…」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 16:10:05.64 ID:1qIKMVYK0
上条「マテマテマテマテ落ち着け落ち着け落ち着けまてあわてるなこれはコウメイの…」
インデックス「落ち着くのはトウマなんだよ」
上条「うんわかった落ち着いた…って、いや、何それ、つうか…マジ?」
インデックス「マジ」
ディアボロ「…どうしてそれが解る?」
インデックス「うーんと」

インデックス答えて曰く、

インデックス「『雰囲気』で解るんだよ…魔術師って何か特有の『雰囲気』を備えてるんだよ」
インデックス「今のこの人は寝ているから、トウマ達には解らないかも知れないけど…」
インデックス「起きてるこの人の姿を見たら、多分『納得』すると思うんだよ」
上条「…そういうもんなのか?」
インデックス「そういうものなんだよ。英語で言うと『So it goes.』なんだよ」
上条「いや…でもさ」

ここで上条が一つ疑問を提示する。

上条「お前を『追う者』の筈の魔術師が、なんでこんなボロボロで路地裏で倒れてたんだ?」
上条「お前、戦う力は何も無いんだろう?お前が返り討ちにした訳じゃないよな」
インデックス「私には戦う力なんて無いし、そんな事こっちが聞きたいんだよ」
ディアボロ「(どの口が言いやがる…)」
ディアボロ「『能力者』にやられたんじゃあ無いのか?中には戦術兵器レベルの奴もいるのだろう?」
上条「あー…成程…でも、なんで『魔術師』と『能力者』が戦うんだ?」
ディアボロ「そんなもの、俺が知るか…こいつも俺と同じ『不審者』だ。『風紀委員』にも『能力者』は居るのだろう?」
上条「取り押さえられそうになって逃げてきたって訳か…まあ、可能性は無きにしもあらずだなぁ…」
上条「で…だ」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 16:15:05.98 ID:1qIKMVYK0
上条「この人、どうしよう…?」

三人の目線が、ベッドで静かに眠る神裂に集まる。

ディアボロ「何処かに捨てて来るか…『警備員』に突き出せばいいんじゃないか?」
上条「うーん…怪我人を放りだすのは、上条さん的にちょっと…」
インデックス「私もシスターとして、困った人を見捨てるのは…」

そんな事をつらつら話している時、不意に、

ディアボロ「ッ!?」
ディアボロ「(…何だ!?)」

ディアボロの背中に悪寒が走る。
インデックスが『魔術師』の存在を気配で感じ取る様に、
ディアボロもまた、ある種の人間の存在の気配を感じ取れる。
すなわち『スタンド使い』の…

上条「?どうしたディアボロ?」
ディアボロ「いや…たぶん気のせいだと…」
インデックス「ねぇ…トウマ、ディアボロ…」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 16:17:33.11 ID:1qIKMVYK0
インデックスが、『窓の外』を指さす。

インデックス「あれ…何…?」

上条「えっ…!」
ディアボロ「なんだ…!」

インデックスに指さす先にあった『モノ』
上条とディアボロは見た。

上条「ありゃ…何だ…?」
ディアボロ「…(まさか…!?)」

上条の部屋の窓の外、ベランダの辺りにふわふわと浮かぶ『モノ』
それは…


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ …


黒い犬の形をした、一つの『風船』であった。


  /└────────┬┐
 <     To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 16:19:53.88 ID:p9YZlq2R0

ホットパンツにあっさりやられちゃった人だー

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 16:20:06.66 ID:rdIqIHMH0
チューベラーベルズきたあああああ!!!!

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 16:21:43.29 ID:zyrwJIKn0
乙でした
確かにあのスタンドなら追跡できる

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 21:32:50.46 ID:1qIKMVYK0

上条達が、『黒い犬型の風船』を発見する、ほんの十分前、
一人の男が、上条の部屋のある学生寮の入り口付近に立っていた。
『ある方法』を用いて、神裂を追撃し早くもここまで到達した、オエコモバである。

オエコモバ「…ここか」

右耳の小型インカムに手を伸ばし、マイク・Oに通信を入れる。

オエコモバ「こちら“花火屋”…“風船おじさん”…聞こえているな?」
マイク・O『こちら“風船おじさん”…どうした“花火屋”?』
オエコモバ「なぁにさぁ…アンタの『バブル犬』が、目標を捕捉したみたいなんだが…」

オエオコモバは目前の『学生寮』を改めて見上げてながら、言葉を続ける。

オエコモバ「少しばかり厄介な所に逃げ込まれたぜぇぇぇ~どこだと思う?『学生寮』だぜぇぇ~」
マイク・O『…それで』
オエコモバ「それでってアンタ…まずいんじゃねぇぇのぉ?『学生寮』だぜぇ…『民間人』の巣じゃねぇか」

167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 21:33:57.46 ID:fMp6IX/k0
オエコモバの爆弾ってかなり凶悪だよな
煙まで爆弾化できるとか

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 21:36:49.87 ID:1qIKMVYK0
オエオコモバは相手の反応にいら立ちながらも、言葉を続ける。

オエコモバ「ここはあの『学園都市』だろぉが。『部外者』の魔術師どもは兎も角よぉ」
オエコモバ「『学園都市』の『住人』である『学生』を巻きこむのは、色々ヤバイんじゃねぇの?ガイコウモンダイガドウトカ…」
マイク・O『つい先日…「あのお方」がこの国に訪れた際、総理大臣との間で「極秘協定」を結んだ…』
オエコモバ「はぁ…」
マイク・O『その内容を、俺ごときがペラペラ話すのは許された世界では無い。しかしただ一つだけ…オエコモバ、お前にも教えておこう』

マイク・Oは声をひそめるようにして、オエコモバに告げた。

マイク・O『少なくとも、今回の『作戦』中、多少の民間人への被害は問題にならない…構う必要は無い世界だ…』
オエコモバ「いや、でもさ…ここは『学園都市』で…」

『学園都市』は、事実上『独立国家』みてぇなもんじゃねぇか…と続けようとして、

マイク・O『オエコモバ…』
オエコモバ「はえ…!?」

マイク・Oの底冷えするような声に遮られる。
元は歴戦のテロリストのオエコモバが、思わずぶるると来てしまう『凄味』が、
マイク・Oの声にはあった。

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 21:38:09.14 ID:TzCkJAtkP
何この優しいオエコモバ

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 21:38:32.56 ID:1qIKMVYK0
マイク・O『ここは何処だ?』
オエコモバ「へっ!?…いや、だからここは『学園都市』で…」
マイク・O『学園都市は「どこ」の都市だ…?』
オエコモバ「…日本だがよぉ…」
マイク・O『そうだ…ここは「日本領」だ。我々はそこを修める最高権力者のお墨付きを得た世界だ。だから問題は無い…』
マイク・O『それともなんだ、オエオコモバ…』
マイク・O『我々の主人たる『あのお方』が…事実上世界の「最高権力者」たる『あのお方』が…』
マイク・O『たかが「一都市」の「一行政機関」風情にいちいち「御伺をたてなきゃならない」世界だ…』
マイク・O『そういう事が言いたいの世界なのか?キサマは…』
オエコモバ「…いや…そういう事じゃねぇが…」
マイク・O『ならば構う事はない筈の世界だ…キサマも…その方が性にあっているだろう』

オエオコモバ「そういうことなら…了解したぜ…」

オエオコモバはほくそ笑む。
そもそも元は爆弾テロの常習犯であり、
恩赦と莫大な報酬を条件に雇われたオエコモバだ。
民間人の被害など、元来気にするたちではない。

オエオコモバ「どうする?…建物ごと吹っ飛ばすか?」


181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 21:54:51.20 ID:1qIKMVYK0
オエコモバ「どうする?…建物ごと吹っ飛ばすか?」

マイク・O『いやまずは私の「バブル犬」で攻撃をしかける世界だ』
マイク・O『オエコモバ…オマエは一度失敗している…だからまず私から仕掛ける』
マイク・O『私の「バブル犬」ならば、標的を確実に仕留められる世界だ』
マイク・O『いや、相手は「聖人」だから殺すまではいかないかもしれないが、確実に足に「釘を刺す」ぐらいできる』
マイク・O『それにな…さきほど“射的屋”から連絡が入ったが…』

マイク・O『「禁書目録」もそのビルに居る』
オエコモバ「成程…それなら『バブル犬』に任せた方がいい“世界”ってわけだ」
オエコモバ「了解…“風船おじさん”…まずあの女の居る部屋をつきとめて、“帽子小僧”に成り行きを『視』させるぜ」

オエコモバはインカムから手を離す。
その眼下で、夥しい数の『黒い犬型の風船』の中に吸い込まれていった。


194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 22:30:36.71 ID:1qIKMVYK0
上条「…犬の…風船?『バールンアート』ってやつだよなぁ?どうしてこんな所に…?」

ベランダに、『黒い犬型の風船』がある。
結構な大きさの代物で、ただ黒いだけでは無くて、独特の光沢を放っている。
まるで、『金属』のような…
窓の辺りで、ぽよん、ぽよんと跳ねているが、外には、風があるようには見えない。

上条「(いや…そもそもおかしくないですか?ヘリウム風船なら、空まで飛んでいってしまうし…)」
上条「(空気風船ならここまで飛んでこれる筈が無い…能力者のイタズラ?だとしたらなんでっ…)」
上条「って…オイ!」
インデックス「ト…トウマ…増えてる…増えてるよ…!」

上条が謎の奇妙な風船について色々と考えている間に、
最初は『1つ」しか無かった筈の『黒い犬型の風船』が、
『3つ』に増えていたのである。

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 22:34:15.48 ID:TYIsBFjH0
誰かを守りながら戦うディアボロかムネ熱だな

196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 22:34:48.91 ID:1qIKMVYK0
上条「ひい、ふう、みい…って数える間にもどんどん増えてるじゃないですかーっ!?何だ…こりゃ何だッ!?」
インデックス「ひいいっ…トウマ…名にアレっ!?あれが超能力ってヤツゥ!?」

インデックスは、思わず上条の体に抱きついている。
最早その数を『10』に増やした『犬風船』は、
まだ、窓の外でふわふわ浮いているだけで、未だ実害は無いのだが、
ただそれだけでも相当に不気味だ。

ディアボロ「…上条…その『女魔術師』の事が心配なら、『窓』の傍から体をどかしてやれ…」
ディアボロ「そして…決して窓を開けるな…近づくだけでもダメだ…静かに、大人しく様子を『視』るんだ…」
上条「…ディアボロ?」

上条宅のベッドは、ベランダの『窓』のすぐ傍にある。
取り敢えず言われた通り、寝ている神裂の体をベットの端の方までずらして、壁に背中を持たれ掛けさせる。

上条がそうしている間にも、ディアボロは『犬風船』から目を決して離さない。
その目付きは異様といって良い程鋭くなり、頬には冷や汗が何条も流れる。

198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 22:39:46.47 ID:1qIKMVYK0
上条がそうしている間にも、ディアボロは『犬風船』から目を決して離さない。
その目付きは異様といって良い程鋭くなり、頬には冷や汗が何条も流れる。

ディアボロ「(直感で何となく解る…おそらく『コレ』は『魔術』でも『超能力』でもない)」

インデックスは『魔術師は雰囲気で解る』と言っていたが、
ディアボロにも、類似した直感が備わっている。
エンジン音だけ聞いて、ブルドーザーだと認識できるように、
ディアボロは『それ』の存在を直感的に認識出来る。

ディアボロ「(あくまで『勘』に過ぎないが…間違いあるまい…これは『スタンド能力』ッ!)」
ディアボロ「(『アレ』に近づくのは『ヤバい』…何だかわからんがとにかくヤバい気配がする)」

今はまだ、窓の外でふわふわ浮いているだけだが…恐らく、それだけでは済むまい。
きっと『何か』を仕掛けて来るッ!
ディアボロがそう考えた矢先、その直感の正しさは証明されたッ!

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 22:49:09.09 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「…何ッ!?」
上条「マジですかぁっ!?」
インデックス「あわわわわ…」

ディアボロ「は…」
上条「は…」
インデックス「は…」

「「「入ってきたあッ!?」」」

ベランダの『窓』と『窓』の、『サッシ』と『サッシ』の僅かな隙間を通って、
一匹の『犬風船』が上条の部屋への侵入を開始したのであるッ!

上条「つーかオカシイだろッ!?あんな狭い隙間に風船ねじこんだら普通割れちまう筈だろッ!?」
インデックス「今問題なのは、そんな点じゃないんだヨォー、トウマァッ!?」
インデックス「『風船』が『自律的』に、部屋に『侵入』しようとしてるんだよぉッ!?」
上条「そ…そうだったッ!てか、何なんですかこの『風船』ッ!?どこの能力者の悪戯ですかッ!?」
上条「上条さんにはこんな悪戯される覚えは…色々あるのがクヤシー!」


201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 22:49:43.61 ID:IjUMR7/A0
台詞がジョジョだwwwwwwwwww

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 22:52:19.45 ID:TYIsBFjH0
ド ド ド ド ド ド ド

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 22:53:09.39 ID:DR9/io/90
ジョセフくせえw

206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:00:17.14 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「(『侵入』しようとしている…やはり間違いない…これは『スタンド』で…)」

混乱する二人とは対照的に、恐怖感を覚えながらも、ディアボロは冷静に状況を観察していた。
腐っても元『帝王』。スタンド戦においては、歴戦の戦歴の持ち主なのだ。

ディアボロ「(この『スタンド』は…)」

ディアボロは立ちあがる。
この脅威に、『平穏』を乱す敵に『立ち向かう』為に、
胸にわだかまる恐怖を無理矢理抑えつけながら。

ディアボロ「『敵スタンド』だあッ!」

ディアボロは立ち上がる。
今、この部屋の中において、『スタンド』に対処出来るのは、自分だけなのだから。

ディアボロ「『スタンド能力』が何なのか解らんが…とにかく喰らえ!」

自身の傍らに、その精神の『具現』を顕現させる。

ディアボロ「『キング・クリムゾン』ッ!その風船を…」
上条「先手必勝ッ!」
ディアボロ「!」

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 23:04:04.16 ID:TYIsBFjH0
自慢の右手がボロボロフラグw

208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:09:46.27 ID:1qIKMVYK0
ディアボロが立ちあがったのを見て、上条当麻は瞬時に、冷静になり、そして考えた。
『この中でこの異能に立ち向かえるのは、自分だけなのだ』と。
上条は、ディアボロの『キング・クリムゾン』の存在を知らない。
『スタンド能力』と言う、『超能力』とは違う、もう一つの『異能』の存在を知らない。
だから考えた。唯一『異能に立ち向かえる力』を持った、自分が闘わねばならない、と。

だから駆けた。見えざる力を顕現させていたディアボロの横を素通りし、
今、正に部屋に『侵入』せんとする『犬風船』に、その『右手』を突きだした。
『その幻想をぶち殺す』為に。

上条「SOGEEEEBUUUUU!」
ディアボロ「まて、上条!早まるな!」

しかしもう遅い。上条の右手は、既に風船に『触れている』ッ!


209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 23:11:26.61 ID:TveHvUJ7P
>上条「SOGEEEEBUUUUU!」
これはない

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:12:57.11 ID:cBe9eLMO0
>上条「SOGEEEEBUUUUU!」
おいwwwwww

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:13:26.08 ID:0S3GhiBy0
そういや風船犬は幻想殺ししてもダメージは結局受けるのか

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:23:21.29 ID:1qIKMVYK0
しかしもう遅い。上条の右手は、既に風船に『触れている』ッ!

そして、風船が『爆ぜた』。
宿った『幻想(スタンド)』を殺されて、『風船』は『本来の姿』を取り戻す。

上条「おわッ!?」
ディアボロ「ナニッ!?」
インデックス「『風船』が…『釘』になったんだよッ!?」

つい先の瞬間まで、見事な犬のバールンアートだった『風船』が、
『幻想殺し』に触れられ、『割れた』かと思った瞬間、
『割れた風船』が『集束』し、一本の『釘』に変化したのである。

いや、それは最早『釘』と言うより『鉄杭』と言っても言い代物で、太く、長く、先は鋭い。

インデックス「あ」
上条「しまっ…」
ディアボロ「マズイッ!」

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:33:14.80 ID:1qIKMVYK0
『幸運』にも、『釘』は上条には突き刺さらなかった。
本来ならば、この『犬風船』…正式名称『バブル犬』は、
『本来の目的』を果たす前に『割れて』しまった場合、
本来の姿に戻りつつ、『割った対象』へと向けて飛んでいく性質がある。

しかし今回、『バブル犬』を『割った』のは上条の『幻想殺し』。
『幻想殺し』に『割られた』事により、『バブル犬』は本来の『釘』に戻るだけに留まった。
『幸運』にも、『釘』の尖った先は、上条の方へは向かわなかった。

ただ、そんな上条にとっての唯一の『不幸』…それは、
『バブル犬』が『釘』に戻ったのがバブル犬がサッシの『間』を通っていた時だったと言う事。

上条「やばっ…!」
インデックス「あわわ…」
ディアボロ「いかんッ!…『窓』から離れろ上条ッ!」

アルミサッシの間に突如出現した『太くて硬い釘』は、
『アルミサッシ』をねじ曲げ、

ディアボロ「『キング・クリムゾン』」
上条「!…後ろに引っ張られ…」

『サッシ』に合わせて嵌っている『窓ガラス』を叩き割るッ!

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:50:34.55 ID:1qIKMVYK0
上条「のわわわわわ!?なんですかこの力は!?」
ディアボロ「…クソッ!?」
インデックス「窓が…」

寸での所で上条の背中をディアボロの『キング・クリムゾン』が後ろに引っ張った為、
上条は窓ガラスによる怪我を免れる事が出来たが、

インデックス「うわああああっ一斉に入って来るぅぅぅっ!?」

窓が割れれば、遮るものは何もない。
堰を切ったように、何時の間にか『15』に増えた『バブル犬』が、
上条の部屋に侵入する。

上条「畜生!…こうなったら片っぱしから『ぶち殺し』て…」
ディアボロ「『キング・クリムゾン』ッ」

ヤケクソになって突っ込もうとする上条を、インデックスごと、
ディアボロはスタンドの腕で部屋の右端に押し遣って、
自身はスタンドのラッシュのを『バブル犬』に仕掛ける。

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 23:52:15.71 ID:e8gsHCtW0
ディアボロ頼りになるなぁw

234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:52:21.12 ID:TzCkJAtkP
ボスは味方になるとマジ頼もしい世界

236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 23:53:09.28 ID:hOM1iEN20
何このかっこいいボス

さっきまでボス・コッポラだったのに

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:59:10.85 ID:TzCkJAtkP
今思ったけどボスの能力って仲間を守ることにかけては最強じゃね?

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/05(日) 23:59:23.43 ID:1qIKMVYK0
ディアボロ「うぉぉぉぉぉぉっ!」

弱体化した『キング・クリムゾン』とは言え、
『バブル犬』を破壊する程度のパワーはまだ備えている。

『15』の『バブル犬』は空中でことごとく『破裂』するが、
『破裂』した『バブル犬』は『釘』へ戻りつつ、
『自身の破壊者』たるディアボロへと向けて、
風切る矢の如く真っ直ぐに襲いかかる。

この距離では、スタンドの防御も間に合わない。
このままではディアボロは串刺し処刑の世界ッ!!

ディアボロ「その『運命』は…」
ディアボロ「既に『視た』ぞッ!」

245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 00:00:20.95 ID:j/hY8MxgP
ボスかっけえwww

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/06(月) 00:01:18.73 ID:Cd/yFb8+0
伊達に死に慣れてないな。流石はボス

252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 00:08:56.02 ID:i/e7J79i0
ディアボロは『知っていた』。
破壊した『バブル犬』の『釘』が、自身へと向けて飛んでくるのを。
そのままの『運命』であれば、『自分は串刺しになる』と言う『事実』を。

しかしディアボロは持っている。
避け得ぬ『過酷な運命』を『消し飛ばして』しまう能力。
かつて立ち塞がったあらゆる障害を『吹き飛ばし』、
自身を『絶頂』たる『帝王』の地位に押し上げた力をッ!

ディアボロ「『 キ ン グ ・ ク リ ム ゾ ン 』 !!」

瞬間、世界の色彩は『反転』する。
『ディアボロに釘が突き刺さる』と言う『過程』は消滅し、

ストトトトッ!

インデックス「え…嘘…『釘』が…」
インデックス「ディアボロを通り抜けて壁に突き刺さった…?」

『壁に刺さった釘』と言う『結果』だけが残ったッ!

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 00:09:17.95 ID:lBM2cs+y0
カッコイイ

254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 00:10:32.32 ID:j/hY8MxgP
昔のボスなら部屋の外まで通り抜けて損害ゼロにできたな

256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 00:21:43.79 ID:i/e7J79i0
インデックス「あ…ありのまま…今起こった事を話すよ!」
インデックス「『ディアボロに向かって飛んでいた釘が、何時の間にか壁に刺さっていた』」
インデックス「な…何を言ってるのか、わからねいと思うけど…」
インデックス「私も何が起こったのかわからなかった…」
インデックス「頭がどうにかなりそうだったよ…」
インデックス「催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてないよ…」
インデックス「もっと恐ろしいものの片鱗を味わったんだよ…」

混乱にしているのか、どこぞのフランス人と意識を交信させているらしいインデックスの傍らで、

ディアボロ「うぐう…ッ!?」
上条「ディアボロ…」

ディアボロは苦しげな顔で膝を着く。
かつては当たり前の様に出来ていた能力の行使も、
今のディアボロには多大な負担を掛けるのだ。

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 00:23:23.45 ID:q6wUHyoc0
わからねいワロタwwwwwww

260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/06(月) 00:25:25.08 ID:n3xeS0JG0
>>わからねい

やばいキュンときたw

263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 00:31:49.38 ID:i/e7J79i0
ディアボロ「はぁ…はぁ…はぁ…」
上条「大丈夫かよ…顔が真っ青だぞ…」

汗をボタボタと床に垂らす、ディアボロの顔は血が引いて、
息は完全に上がり切っている。
そんな様子のディアボロを見て、上条は一瞬、
何かを躊躇するような痛ましげな表情を見せたが、

上条「聞くべきか聞かざるべき正直迷ったけど…敢えて聞くぜ…」
上条「『アレ』…やったのお前なんだよな?一体何なんだよ…『アレ』は?」
ディアボロ「…はぁ…はぁ…『アレ』…だと?」
上条「ああ…世界が一瞬、モノクロみたいになって…」
上条「『フレーム』だけみたいになった『釘』が、お前の体を通り抜けていった…」
上条「あの世界でお前だけに『色』が着いていた…」
ディアボロ「!」
上条「お前の『能力』…なのか?それとも、お前も『魔術師』とか言う連中の仲間なのか?」

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/06(月) 00:36:18.08 ID:olaMQTUC0
そうか全身にかかる能力は丸ごと無効だから上条さんだけキンクリ効かないのか

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 00:42:32.60 ID:i/e7J79i0
ディアボロ「はぁ…はぁ…はぁ…」

ディアボロは声を喘がせながら、驚愕の表情で上条の顔を見返した。

ディアボロ「(『視た』というのか…『時の吹き飛んだ世界』を…)」
ディアボロ「(あの忌まわしい裏切り者のブチャラティの様に…)」
ディアボロ「(一体どうやって………ハッ!)」

ディアボロの目に映ったのは、上条の『右手』。

ディアボロ「(『幻想殺し』!…成程、そういう事か!)」

上条は言った。
この右手は、原理は解らないが、その身に降りかかるあらゆる『異能』を消し去るのだと。
だから『キング・クリムゾン』の射程内にあっても、その『異能』の効果から逃れる事が出来た。
つまり『能力の効果』を消すことで、『逆説的』に『時の吹き飛んだ世界』に入門したのであろう。

ディアボロ「(成程…それで視えたと言うわけか…それならば話は早い…)」

276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 00:56:22.27 ID:i/e7J79i0
ディアボロ「上条…これから一つ重要な話をする…落ち着いて聞いて欲しい…」
ディアボロ「インデックス…お前もだ…」

ディアボロの真剣な表情に、上条は顔を引き締め、
インデックスはごくりと生唾を飲む。

ディアボロ「これから話すのは…お前達にとって全く『未知』の世界の事だ…」
ディアボロ「『魔術』とも『超能力』とも異なる『第3の世界』…」
ディアボロ「今、俺達を襲っている誰かも…その『第3の世界』に属している…」

ディアボロはそう言いながら、『キング・クリムゾン』の右手で、地面に落ちた硝子の破片を掴む。
上条とインデックスには、突然、ガラスの破片が浮き上がった様にしか見えない。

ディアボロ「それは『超能力』に似ている…しかしその根本は異なった物だ…」
ディアボロ「それは『運命』によって発現する『能力』…」
ディアボロ「それは『立ち向かう力』ッ!それは『傍らに立つ精神の具現』ッ!」

『キング・クリムゾン』が、ガラスの破片を握り潰す。

ディアボロ「それが『幽波紋(スタンド)』だッ!…この世には、第3の『スタンド使いの世界』が存在するッ!」


280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 01:07:39.10 ID:i/e7J79i0
マイク・O「これは…どういう世界だ…?」

マイク・Oは双眼鏡か目を離した。
その額には脂汗が浮かび、顔には愕然とした表情が浮かんでいる。
右耳のインカムに、うるさい呼び出し音が鳴った!

小僧『マイク・Oォォッ!?こりゃどういう事だヨォ~ッ!?スタンド使いが居るなんて聞いてねぇぞォォッ!?』

コードネームでよ呼ぶ事すら忘れたポーク・パイ・ハット小僧のダミ声が、
マイク・Oの鼓膜を激しく揺さぶる。

マイク・O「うるさいぞ“帽子小僧”ッ!今は『作戦中』の世界だ、コードネームを使えッ!」
マイク・O「それより…キサマ間近でちゃんと見たかッ?俺は双眼鏡で通してしか見えなかったが…」
マイク・O「『実感』として解る世界だッ!…俺の『バブル犬』が全て『迎撃』されたッ!」
小僧『オイラはこの目でしっかりとみたよぉ~!だから焦ってんだろうがッ!ウィーン、ガッシャンッ!』


283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 01:17:33.95 ID:i/e7J79i0
上条の『学生寮』の真向かいの給水塔の上に、マイク・Oはいた。
そこから、『バブル犬』の行動を双眼鏡で観察していたのだが、
そこで予期せぬ事態に遭遇した。

ターゲットである、『神裂火織』と『禁書目録』が同じ部屋にいたのはまだいい。
しかし、その隣に居る謎のスタンド使いの男と、その隣の学生らしいガキは何者だ?

マイク・O「(これは完全に想定外の世界だ…この『学園都市』に、『スタンド使い』がいるという情報は無かった…)」

彼の所属する組織は、『スタンド使い』に関する情報の量と質に関しては、
その道最大の権威とされる『スピードワゴン財団』にも匹敵する。
その情報網に無い『スタンド使い』が、よりによって『学園都市』に…

マイク・O「(見た所…かなり強力な『スタンド使い』の世界って感じだ…)」
マイク・O「(これは…どうすべき世界だ…?)」

286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 01:27:30.90 ID:i/e7J79i0
小僧『どうすんだよ~マイ…じゃなかった…“風船おじさん”。一旦退いて体勢を…』
マイク・O「その必要は無い」

マイク・Oの瞳には決意の炎が燃えている。

マイク・O「我々の…『シークレットサービス』の『作戦』はたかが一人の『スタンド使い」ごときに…」
マイク・O「邪魔されるなどあってはならない世界だッ!」

インカムの摘みを捻り、今、この場に居る3人の部下全員に一つの『指令』を下す。

マイク・O「『大統領命令』は絶対の世界だッ!総員、総攻撃!『禁書目録』確保のあらゆる障害を殲滅せよッ!」



 /└────────┬┐
 <     To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘


301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/06(月) 03:00:36.59 ID:q6wUHyoc0
『科学』と『魔術』と『幽波紋』が交差するとき、物語は『加速』するッ!!

306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/06(月) 07:55:16.22 ID:n0aAQbgwO
最高に盛り上がってきた世界って感じだ

354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:01:27.34 ID:32Tw9JAN0

『アメリカ合衆国シークレットサービス』…通称『USSS』。

合衆国大統領とその親族を護衛を主な任務とする、
アメリカ国土安全保障省に所属する警察機関である。

1865年に、財務省直属の偽札摘発機関として発足したこの組織は、
紆余曲折を経て、現在では6000人以上の職員を有する一大組織に成長していた。

この『シークレットサービス』に、
現大統領『ファニー・ヴァレンタイン』の肝いりにより、
新たに設立された『極秘部隊』があった。

その名も『対超能力者特別部隊』。
その構成員の殆どが、『スタンド使い』によって占められたこの新設部隊は、
日に日に脅威を増す『学園都市』の『能力者』に対抗するという名目のもと、
莫大な機密費を用いて密かに結成されたのである。

その存在が秘匿される理由は、『防諜上の理由』とされていたが、
運用資金も『機密費』、構成員は『極秘』、存在も『秘匿』され、
『大統領護衛』の名目で、大統領の傍に容易に接近できるこの組織が、
『ファニー・ヴァレンタイン』の『私兵集団』と化すのに、さして時間は必要無かった。

355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:03:14.56 ID:32Tw9JAN0
彼らの活動は、徐々に本来の職務を逸脱し始め、
『護衛任務』に留まらない数々の『作戦行動』を遂行し始める。
『ファニー・ヴァレンタイン大統領』の『ある野望』の実現の為に…

そしてそんな『大統領の長い手』は、
『学園都市』をも浸食しつつあった。

『学園都市』に潜入した、『4人』の『スタンド使い』…

『オエコモバ』
『ポーク・パイ・ハット小僧』
『マイク・O』
『ジョンガリ・A』

その『作戦目的』は『禁書目録』の『捕獲』…
その為には如何なる『犠牲』も許容されるッ!

しかし、そんな『国家権力』の動きの裏側で、
『もう一つの潮流』が動き出した事に、
まだ気付いた人間は居なかった。
その『潮流』に属する『当人』を除いて…

356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:06:48.19 ID:32Tw9JAN0
かつて合衆国陸軍のさる特殊部隊で『狙撃兵』を務め、
現在は『対超能力者特別部隊』の一員となっている男、
“射的屋”こと『ジョンガリ・A』は、
上条達の『学生寮』から少し離れた所にある、
恐らく周囲では一番丈が高い雑居ビルの屋上にいた。

マイク・O『“射的屋”…お前の任務はバックアップと周辺警戒だ』
マイク・O『騒ぎを聞きつけてやって来るであろう「風紀委員」や「警備員」…』
マイク・O『その存在を感知できるのがお前の『スタンド』の世界だ…』

ジョンガリ・A「(下らん任務だ…しかし…)」

ジョンガリ・Aは、マイク・Oから自身に下された『指令』を思い返しながら、
一人ニヤニヤとほくそ笑んでいた。

ジョンガリ・A「(これ程気持ちが昂るのは…一体何年ぶりだろうか…)」

心地よい胸の高鳴りを感じつつ、ジョンガリ・Aは回想する。
思えば、まるで『抜け殻』の様な人生であった。
十数年前…己の全てを捧げるに値する、
あの神々しくも畏ろしい『DIO』が殺された時、
ジョンガリ・Aの人生は永遠に意味を失ったのだ…

357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:08:40.03 ID:32Tw9JAN0
若くして、生きながらに『屍』となったジョンガリ・Aが、
過酷な『特殊部隊』に、中でも際立って過酷な『狙撃兵』に志願したのは、
謂わば『死に場所』を求めての行動だった。

軍隊における『狙撃兵』とは最も過酷な兵科の一つだ。
なぜならば彼らは、敵からも『味方からも』恐れられる『戦場の嫌われ者』だからである。

我々が『狙撃兵』という言葉から連想するのは、
『目標の頭蓋を一発で撃ち抜く戦場のプロフェッショナル』といったイメージだろう。

しかし、現実の『狙撃兵』の『任務』は、そう格好いいものばかりではない。

『狙撃兵』の任務の多くは『暗殺』と『陽動』である。

『陽動』の作戦中、戦場で『狙撃兵』が敵の小隊を発見した時、まず適当な誰かを狙撃する。
この時、敢えて『急所は外す』。大抵、足を撃って相手の動きを止める事から始める。

敵の誰かが、倒れたそいつを助けようと近寄ったら、今度はソイツの足を撃つ。
この作業を、敵の小隊員の全てが動けなくなるまで繰り返し、
全員が動けなくなったのを確認した時初めて、敵にトドメをくれてやるのである。

もし、敵がこうした『狙撃兵』の攻撃を恐れて、
最初に倒れたソイツを助けなかった場合、今度はワザと急所を外してソイツを撃ち続け、
敵の仲間達の目の前で、ソイツを嬲り殺しにするのである。


358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:12:26.02 ID:32Tw9JAN0
身の毛もよだつ様な話だが、『暗殺』の場合も、これと大して変わらない話が終始する。

さらに、『狙撃兵』の殆どが『単独行動』、あるいは『観測主』との『2人組』で行動すると言うのも、
『集団』の『連携』を重視する『軍隊』では『浮いた存在』にさせざるを得ない。

結果、敵からも味方からも、『一人でコソコソ動き、敵を一方的に虐殺す卑劣漢』と、
軽蔑され、嫌悪され、憎悪される…それが『狙撃兵』である。

故に、『狙撃兵』は危機に陥っても味方に見捨てられる事も多く、
敵に捕捉された場合、捕虜にすらされず、その場で『拷問』され、『虐殺』される。

そんな『狙撃兵』にジョンガリ・Aが志願したのは、
それだけ、『DIO(神)亡き世界』で生きることに、絶望していたからに他ならない。

だが、彼が戦場で斃れる事は無かった。
彼のスタンド、『マンハッタン・トランスファー』は、彼を『最強の狙撃兵』に育て上げたのだ。

結局ジョンガリ・Aは、『白内障』で視力をほとんど失い、
それが理由で軍を退役するまで、『狙撃兵』の『任務』を全うしたのである。

359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:15:28.58 ID:32Tw9JAN0
結局『死に場所』を得られず、
『死せる心』に『失意』を乗せて、
退役した当日、彼は独りきりの帰路についた。

生活感の無い、独居の自宅に戻った時、
ジョンガリ・Aは、ふと、誰もいない筈の自宅の中に、
確かに『人一人分の気配』を感じていた。

『強盗』だろうか…
俺には財産など殆ど無いのに不幸な奴だ…

それとも『刺客』だろうか…
『狙撃兵』として、恨まれる事ならば散々やってきた。
思い当たる節ならいくらでもある。

ジョンガリ・A「(まあ…どうでもいい事か…)」

『強盗』だろうと『刺客』だろうと、どうでもいいことだ。
もし『刺客』だったなら、ここで殺されてやってもいいかもしれない。
俺の人生に…もはや意味など無いのだから…

そんな捨て鉢な気持ちを抱えて、自宅のドアを開けたジョンガリ・Aを待っていたのは、
『強盗』でも『刺客』でも無かった。
そこにいたのは一人の見知らぬ『神父』だった。

この『神父』との出会いが、ジョンガリ・Aの人生の転機となった。

361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:17:41.41 ID:32Tw9JAN0
ジョンガリ・A「(精々…必死に働いてもらおう…大統領のしもべ達よ…)」

現在、『シークレットサービス』に籍を置くジョンガリ・Aだが、
彼の心に、大統領への忠誠心など有りはしない。

彼が『シークレットサービス』に参加したのは、ただ『神父』の指示に依る物だ。

神父『あの大統領には…『裏』がある。そしてその『裏』は…我々の『目的』の役に立つ』

『信用』を得るためにこの日まで、大統領の手足として、ジョンガリ・Aは、
西へ東へ、まるで馬車馬のように奔走してきた。
その『信用』を、遂に活かす時が来ようとしているのだ。

神父『…『禁書目録』は…我々の『目的』に必要不可欠だ…何としても手に入れねば』

大統領のエージェントとして、捕獲した『禁書目録』をアメリカに輸送する途中で、
『神父』とその協力者達に、『禁書目録』を横取りさせる手引きをするのが、
ジョンガリ・Aにとっての『本当の任務』ッ!

ジョンガリ・A「(俺は今ッ!確かに昂揚しているッ!)」
ジョンガリ・A「(俺は再びッ!『あの方』の為に己の命を捧げられるのだからッ!)」

362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:19:12.45 ID:32Tw9JAN0
ジョンガリ・Aの『死んだ心』は、『目的』を得て蘇ったのだ。
だから彼は昂揚している。『あの方』の為に、再び働ける事実に昂揚しているッ!

ジョンガリ・A「(大統領の『エージェントども』…)」
ジョンガリ・A「(『魔術師』…『禁書目録』…)」
ジョンガリ・A「(そして名も知らぬ『スタンド使い』と『能力者』よ…)」
ジョンガリ・A「(キサマラの命…)」

そしてジョンガリ・Aは『視る』。
彼の『スタンド』で、『気流』の動きを『視る』。

ジョンガリ・A「(天上の『DIO様』に捧げさせてもらうぞッ!)」

そして『視た』。
『エージェント達』と『謎のスタンド使いと能力者』との間に戦いの火蓋が、
再び、切って落とされるのを。

363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:21:00.89 ID:U/K6rO5FP
天国まで絡んでくるとは

364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:21:18.39 ID:32Tw9JAN0
上条「『魔術師』に続いて…『スタンド使い』…」
上条「いや~上条さんの人生はどうなってしまうんですかねぇ~ホントに不幸ですよ…」
インデックス「全然未知の世界ッ!て奴だったんだよ…」
インデックス「私の中の10万3000冊にも、『スタンド』に関する記述は無かったんだよ…」
インデックス「それに『時間を吹き飛ばす』能力なんて…そんなの凄い力を『個人の技能』として使えるなんて…」
インデックス「ホントにびっくりなんだよ」

ディアボロから『スタンド』について聞かされ、
上条は立て続けに降り注ぐ『未知の存在』に、もはや驚くを通り過ぎて呆れかえり、
インデックスは、自分の全く知らない『世界』に驚きつつも、興味津々といった様子だった。

上条「しかし何でまたその『スタンド使い』やらに上条さん達が…」
ディアボロ「さあな…インデックスを狙ってきたのか…」
ディアボロ「それとも、そこで寝ている女魔術師を狙って来たのかは知らんがな…」
ディアボロ「(俺には『この世界』で狙われる理由は無いしな…)」

かつての自分であれば、命を狙われる理由などそれこそ掃いて捨てる程にあったが、
ここは自分のいた『世界』ではないのだ。

上条「上条さんにも心当たりは無くは無いんですけどね~オオスギテドレダカワラナイケド」
ディアボロ「…命を狙われる程の心あたりか…?」
上条「いや…さすがにそれは無いか…な?無いよね?」
ディアボロ「俺に聞くな」

365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:25:02.11 ID:U/K6rO5FP
時間を吹き飛ばすのはスタンド使いから見てもびっくりな能力だけどな

366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:34:41.52 ID:ujsETDEt0
そういや禁書には時間操作できるキャラはいなかったな

367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:36:57.08 ID:ttJCtGtI0
インデックス「……ごめんなさい」
上条「え?」
ディアボロ「ん?」

うつむいたインデックスが、絞り出すように言った。

インデックス「きっと…きっと…私のせいなんだよ…」
インデックス「私が不用意にフードをここに置いてったりしたから…」
インデックス「私が…ここに戻って来たりしたから…」
インデックス「そもそも私が今朝ここに来たり…」

上条「 う る せ ぇ よ 」

インデックス「…え?」

インデックスが顔を上げると、普段の気の抜けた表情とは打って変わって、
まるで歴戦の戦士のような『凄味』のある顔をした上条がいる。

上条「あ~…何だ。お前、頭に10万3000冊の本だかが入ってて、それが理由で狙われてるんだっけか?」
インデックス「…う、うん…」

上条「でもよう…」

上条は、インデックスの目尻に浮かんだ涙を、指先で拭いながら、
『凄味』のある声で続ける。

369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:40:39.45 ID:dB+w7VRZ0
上条「お前自身は…何の戦う力も無い、ただの女の子なんだろうが」
インデックス「…うん」

上条「だったらよぉ…そんな女の子を『殺す気』で追い掛けて来る…そういうゲスどもは…」
上条「こいつはメチャゆるせんよなァァァァッ!」

ドンッ!と上条が右の拳で床を叩く。
上条は『怒っていた』ッ!その様子に、インデックスは眼を丸くする。

上条「オマエは悪くねぇよ…どんな理由があろうと…」
上条「インデックスみたいな『ただの女の子』を…」
上条「こんな…なりふり構わなねぇやり方で追い詰めるなんざ…」
上条「『連中』の方が悪いに決まってるじゃねぇか…」

上条「オマエは悪くない…俺が保証する」

一転、いつもの優しい表情で、上条はインデックスの頭を撫でた。

インデックス「…ありがとう」
上条「な~に…当たり前の事を言っただけ。上条さんに感謝されるいわれはありません」
上条「それに…」

少し表情の和らいだインデックスの頭を撫で続けながら、
上条は再び凛々しい表情で言い切った。

上条「もう巻き込まれちまったしな。こうなったら後は一蓮托生…」
上条「『一緒に地獄の底まで付いて行ってやるよ』ッ!」
インデックス「!」
ディアボロ「………」


370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/07(火) 20:41:39.75 ID:JjbiuV/u0
ボス耳が痛いな

371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:42:27.15 ID:dB+w7VRZ0
今朝、上条達にインデックスが言った言葉を、そのまま返す上条の瞳…
その瞳の内に輝く『モノ』に、ディアボロは見覚えがあった。

『きさまにオレの心は永遠にわかるまいッ!』
『あんたは、はたして滅びずにいられるかな?ボス……』

ブローノ・ブチャラティー…
ジョルノ・ジョバーナ…
そして、その仲間たち。
あの忌わしい裏切り者ども。

かつて『帝王』たる自分に叛逆し、
そして勝利した彼の瞳にも、今の上条と同じ輝きがあった。

ディアボロ「(………『黄金の精神』)」

かつて疎ましいとすら思った『ソレ』に、
今は憧憬すら覚えつつある自分が居ることに、ディアボロは気づいた。

『無敵』の筈の『キング・クリムゾン』が敗れ、自分は『絶頂』から転げ落ち、
それと引き換えに彼らは『運命』を打破し、『輝ける道』を進んだ。

如何なる『運命』にもめげぬ、『不屈』の『正しい心』…
それはかつての、そして今の自分にも持ち得ぬ『気高き魂』であった。

372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:45:32.36 ID:dB+w7VRZ0
上条「ディアボロ…」

上条がディアボロを見ている。
ディアボロも真っ直ぐに上条を見返す。

上条「巻き込んで…すまないと思っている」
上条「でも、敢えて頼む!俺は…インデックスを守りたい」
上条「だから…協力してくれッ!」

頭を深々と下げる上条に、ディアボロは逡巡無く応えた。

ディアボロ「構わん…俺にはお前に『恩』がある…」
ディアボロ「(それに…)」

守らねばならない。そう思った。
上条を…上条に宿る気高い『黄金の精神』を…
今だから解る。その尊さが、その大切さが。

それこそが、『地獄に落ちた』自分を救いだしてくれた物なのだから。

373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:47:55.55 ID:U/K6rO5FP
マジ胸熱の世界

374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:51:31.38 ID:dB+w7VRZ0
ガチャ…キィィィィッ…


ディアボロ「………」
上条「………」
インデックス「………」

『キング・クリムゾン』で上条宅の扉を開け、『スタンド』でこっそり外の様子を覗う。

上条「だれかいたか…?」
ディアボロ「…いや…少なくとも表の廊下には誰もいない…」
インデックス「スタンドって便利だね」
上条「いや…インデックス。だから大人しく中にいろって」
インデックス「『歩く教会』が無い以上、一人でいるよりトウマ達といる方が安全なんだよ…」
ディアボロ「…それより、あの女魔術師をあんな風にしておいてよかったのか?」

『攻撃は最大の防御』
迫りくる敵スタンド使いを迎撃すべく、
部屋の外に打って出ようとする上条御一行だったが、
意識の無い神裂をそのままにしてもおけず、
一先ず風呂場の風呂桶のなかに放りこんで来たのである。

上条「つーかあんだけギャーギャー騒いでたのに起きないってのは正直どうなのかと上条さんは小一時間(ry」
インデックス「神経が図太いんだね。破廉恥な恰好してるだけはあるんだよ」
ディアボロ「………」

本人が寝ているのをいいことに、好き勝手言う二人はさておき、
ディアボロはスタンドを使って、廊下の手すりの下から、外の様子を覗う。

375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:54:22.74 ID:dB+w7VRZ0
ディアボロ「(…人影は無し。気配も無し。やはりか…見た感じ、物質同化型の遠隔操作タイプだとは思ったが)」

『スタンド』というモノは、その特性によって大まかに幾つかの種類に分類できる。

『パワー分類』によって『近距離パワー型』『遠隔操作型』『遠隔自動操縦型』、
『形状分類』によって、『人間型』『群体型』『分裂型』『一体化型』
『装着型』『道具型』『物質同化型』『不定形型』、といった感じに分類できるのである。
(ちなみに、『キング・クリムゾン』は『近距離パワー型』の『人間型』である)

ディアボロは、相手の『犬風船』が『釘』をベースにしていた事から『物質同化型』、
その動きとパワーから『遠隔操作型』と分析していた。

ディアボロ「(…となると、やはりこちらから積極的に『本体』を叩きにいかねばならんか…)」
ディアボロ「(難儀だな…)」

背中に冷や汗が垂れるのをディアボロは感じる。
やはり『外に出る』のはチト怖い。が…

ディアボロ「(思ったほどでもない…『闘争』の空気が、恐怖心を麻痺させてるらしいな)」

つい今朝がたのひどさは感じられ無い。
スタンド使いとしての『闘志』が、『恐怖』を上回っているらしかった。

ディアボロ「上条…ひとまず俺が偵察に…」

そこまで言って。


377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:56:06.84 ID:dB+w7VRZ0
ゾ ワ ワ ワ ワ ッ !

背筋が寒くなる。
何か嫌な予感がする。
歴戦のスタンド使いだけが持ちうる『勘』と言う奴だ。

後ろを振り返ると、妙な物が目に入って来る。
宙に、フワフワと浮かぶ一枚の黒いカラスの羽が…

ディアボロ「…ッ!?」
上条「うわっ!?」
インデックス「何!?」

ディアボロにつられて、背後を見ようとする上条とインデックスを、
何も言わずにディアボロがスタンドで引っ張る。

瞬間、黒い羽根から…

インデックス「!?!?きゃぁぁぁッ!トウマァ!見ちゃダメぇ!?」
上条「!?!?あわわわわ、何事ですかッ!?」

378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:57:49.01 ID:4x+OiyN60
おい小僧何やってんだwww

379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/07(火) 20:59:31.58 ID:dB+w7VRZ0
突如、インデックスの修道服の背中が破け飛び、
安全ピンで無理矢理繋ぎとめてた修道服はいよいよバラバラ、
インデックスは『素っ裸』になってしまう。

上条が、慌ててそんなインデックスを抱きとめる。

上条「ディアボロ!これって…」
ディアボロ「まずいぞ上条ッ!」
ディアボロ「(イカン…敵は…)」

再び、インデックスの修道服を吹き飛ばした『モノ』が、
今度はディアボロへと向けて襲いかかる。

ディアボロ「(敵は『二人』いたッ!)」
ディアボロ「新手のスタンド使いだッ!」

黒い羽から飛び出してきた『モノ』。
それは2条の『ワイヤーフック』であった。

  /└────────┬┐
 <     To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘


398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 07:59:14.05 ID:TCXLzLH8O
ディモールト、ベネ

412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:32:49.80 ID:FNPaD55L0

ディアボロ「『キング・クリムゾン』ッ!」

ディアボロへと向けて襲いかかる2条の『ワイヤーフック』を、
ディアボロは『キング・クリムゾン』の両手で掴み取る。

ディアボロ「!?…ヌオッ!?こ、こいつはッ…!?」
ディアボロ「『引き摺られる』ッ!?弱体化したとはいえ、この『キング・クリムゾン』がかッ!?」

初手であっさり捕まえてしまったが為に、
『何だ、最初は少しビビッたが、意外と大したことないな』と、
けっこう呑気してたディアボロも『キング・クリムゾン』でも抑え込めぬワイヤーのパワーにはにはビビった!!

ディアボロは知らない事だが、この『ワイヤーフック』のスタンド…
『ポーク・パイ・ハット小僧』の『ワイアード』には馬一頭分ぐらいは軽々と持ち上げられるパワーがある。
全盛期なら兎も角、弱体化した今の『キング・クリムゾン』では、抑え込むのはまず不可能ッ!

ディアボロ「ヌォォォォッ!?」
上条「ディアボロッ!?」
インデックス「『何か』に…引っ張られてるんだよ!」

413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:34:38.37 ID:FNPaD55L0
『スタンド』に対するダメージは『本体』へと『フィードバック』される。
パワー負けして引き摺られる『キング・クリムゾン』に合わせて、本体のディアボロも前へとつんのめる。
スタンドが視えない上条にも、ディアボロが『攻撃』を受けている事は理解できた。

上条「俺には『視えない』し、何が起きてるか『理解』できねぇが…」

素早くカッターシャツを脱いで、裸のインデックスに被せると、

上条「『ソイツ』が何かしてるって事は『解った』ッ!」

素早く駆けだして跳躍ッ!
空中に浮かんでいた『カラスの羽』を『右手』で掴み取るッ!

ディアボロ「ウォッ!?」

さすればディアボロを引っ張っていた『ワイアード』は『パッ』と消滅し、
引く力が急に消えた事で、ディアボロは今度は逆に後ろへとのけぞり、すっ転んだ。

『スタンド使い』との戦いの経験こそ無いものの、上条も伊達に『能力者』相手の喧嘩をこなしてきた訳ではない。
状況を『観察』し、相手の能力を『読むこと』に掛けては、それなり以上の実力があった。

416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:38:43.37 ID:FNPaD55L0
ディアボロ「『スタンド』が『強制解除』されたようだな…『幻想殺し』に触られると『そう』なるのか…」
上条「大丈夫かディアボロ……んで、倒れてるとこ悪いが、教えて欲しい」
上条「俺達は今、『何』をされてたんだ?」

『視えない』上条が現状を認識するには、ディアボロに聞くしかない。
インデックもまた、同じことを問いたい、といった表情だった。
上条に助け起こしてもらいながら、ディアボロは応える。

ディアボロ「ありのまま起こった事を話そう」
ディアボロ「『カラスの羽』から伸びて来た、2条の『フック』付き『ワイヤー』に襲われた」
上条「『フック』付きの『ワイヤー』…インデックスの服を破ったのもソレかッ!?」
ディアボロ「ああ…あの時、俺が引っ張らなければ、何処かに釣りあげられてただろうな…」
上条「『ワイヤーフック』で『釣り上げる』能力って訳か…それで間違いないのか?」
ディアボロ「ああ…似たようなスタンド使いを一人知っている…おそらく間違いあるまい」

確か『暗殺チーム』に所属する下っ端の『ペッシ』とか言う男が、『釣り竿』のスタンドを使っていた。
見た所、アレと『同じタイプ』のスタンドだろう。

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:43:28.09 ID:FNPaD55L0
上条「しかし…『スタンド』ってのは、やっぱり『超能力』とは随分違うみたいだな…」
上条「『能力』の種類によっちゃあ…『似たような事』を『再現』出来ない事も無いんだろうけど…」
上条「『学園都市』暮らしも随分長い上条さんも『ワイヤーフックを操る能力』なんてのは聞いた事が有りませんよ…」

ディアボロ「『ワイヤーフックを操る能力』じゃあない…『ワイヤーフック型のスタンドを操る能力』だ…」
ディアボロ「上条…なまじ『能力者』なんてモノを知ってるお前には『スタンド』ってのは解りづらい『概念』かも知れんが…」
ディアボロ「『理解』しなければならない!そうでなければ、生き残る事は出来ないッ!」

突然、左肩に現れた謎の感触に、上条は戸惑う。
姿は見えないが、『誰か』が自分の左肩を掴んでいるのだ。
ディアボロが顕現させた『キング・クリムゾン』である。

ディアボロ「『理解』し、『知識』を自分のモノとするのだ…」
ディアボロ「同じことの繰り返しになるが、もう一度…上条、お前に『スタンド使い』について教えようッ!」
デxシアボロ「『連中』が、攻撃を再開するその前にッ!」

419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:47:04.32 ID:FNPaD55L0
小僧「のわぁぁぁぁッ!?」
小僧「何だッ!?…オイラ、今『何』をされたッ!?」
小僧「オイラの『スタンド』が…いきなり『解除』されやがったぞ…?」
小僧「チクショォォォッ!訳わかんねぇんだぁよぉぉぉぉッ!ウィーン、ガッシャン、ウィーンッ!」

『ステイル・マグヌス』の目には、爬虫類の様な不気味な面相をした少年、
『ポーク・パイ・ハット小僧』が、水の入った『タライ』の前で喚いている姿が見える。

正直、『タライ』の前でひたすら訳の解らない独り言を呟き、叫ぶこの少年の事が、
未だに、ステイルには単なる気の違った少年にしか見えない。

しかしステイルは知っている。
身をもって知っている。実体験として知っている。
若干14歳にして『ルーン魔術』の蘊奥を極め、
あの海千山千の『必要悪の教会』において最も優秀な『魔術師』の一人と目される自分を、
一切の反撃を許すことなく完封したこの少年の恐ろしさを。

魔術師同士の経験も数多い筈の自分が、
『見えず』、『知覚』も出来なかったこの少年…
ステイルにはこの少年の『正体』に、一つの『心当たり』があった。

420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:47:08.48 ID:KxAjvC3tP
幻想殺し便利だな

421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:49:20.90 ID:5hCS2BIr0
見えないってそれだけで相当な脅威だよな

422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:50:00.51 ID:FNPaD55L0
ステイル「(『スタンド使い』…)」

『魔術師』達の間で、秘かに噂される『都市伝説』。
生まれながらにして、あるいは生か死かの『試練』を乗り越えた者が手にするという、
いかなる魔術、科学をもってしても『認識』すら出来ない『異能』…

この世の『理』を超越し、世界を己の『法則』で塗り替える『奇跡』。
曰く、『時間を停止させ』、
曰く、『あらゆる天候を操作し』、
曰く、『人の年齢を奪い取り』、
曰く、『いかなる物をも削り取る』…

喧伝される数々の『異能』。
それはどれ一つとして同じではなく、
『都市伝説』に登場する『スタンド能力』は、
全て、その『異能』を異にする。

ステイルは、今日、この日まで、
『スタンド使い』など『未熟者』達の恐怖の生んだ『幻想』に過ぎないと考えていた。
単なる『都市伝説』…さもなくば『錬金術師』の『技』をそう誤認したに過ぎないと。

423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:53:35.61 ID:FNPaD55L0
ステイル「(その結果がこれか…情けなくて涙が出るね…)」

ステイルの目の前で、件の少年が右耳につけているらしい無線機に、
先ほどから、何やら喚きたてている。
その姿から、ステイルは『物理的』に目が離せない。

今ステイルは、『ポーク・パイ・ハット小僧』のすぐ傍らに、
パンツ一枚を除いて全ての衣服を剥ぎ取られ、
全身を雁字搦めに縛られ寝転がされているのである。
その口には猿轡が噛まされているので、喋ることすらできない。

マイク・O『捕虜にした魔術師には、言葉一つ話させてはならず、紙切れ一つ持たせてはいけない世界だ』

と、言う、マイク・Oの指示によるものだ。

ステイルは未だ生かされていた。
その理由は、いまだ健在の『神裂火織』相手に人質に使える可能性を考慮しての事だった。
『神裂火織』は『聖人』であり、いくら『スタンド使い』3人がかりと言えど、
状況によっては逆に殲滅される危険性を持っている。
『保険』に使えそうなものは、確保しておくに越したことはない。

ステイル「(『人質』のつもりなんだろうが…ちくしょう…)」
ステイル「(僕は…僕は一体何をやっているんだッ!)」

424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:57:02.68 ID:5hCS2BIr0
SBRのスタンドはチート染みてるの多いから仕方ない

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 15:57:09.43 ID:FNPaD55L0
『あの日』…僕は誓ったのではなかったのか。

『たとえ君は全て忘れてしまうとしても、僕は何一つ忘れずに君のために生きて死ぬ』

そう、固く誓ったのではなかったのか。
僕は今、何をしている?何ができる?

ステイル「(何一つ出来はしない…)」

全ての牙を奪われたステイルに、今できることは一つだけ。

ステイル「(頼む神裂…今の僕には…祈ることしかできない…)」
ステイル「(インデックスを…頼む…)」

果たして、その願いは聞き届けられる。
ただ、『神裂火織』にではない。
『ディアボロ』と『上条当麻』…
『深紅の王』と『幻想殺し』に…

426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:01:29.70 ID:FNPaD55L0
ディアボロ「一先ず…この場を脱出する」
上条「まあ…そうしか無いよなぁ…」

『スタンド使い』に関するディアボロの講釈を交えつつ、
短い作戦会議をする上条とディアボロは、同じ結論に至っていた。

ディアボロ「この場に居続けても、ジリ貧なだけだ…」
ディアボロ「一先ず…人気の多い場所に出て、敵の追跡を撒く…」
ディアボロ「そして、可能ならば『学園都市』の警察機構に保護を求める…」

本来、学園都市の『ID』を持たないディアボロ・インデックスが、
『風紀委員』や『警備員』に助けを求めるのは禁じ手だが、
敵の正体も総戦力も不明な現状ではもはや四の五は言っていられない。
最初は上条の携帯電話で通報する手も考えたのだが、
先ほどの『犬風船』のごたごたの時にうっかり壊してしまっていたのだ。

上条「…人気の多い所に行けば…誰かを撒きこんじまうかもしれねぇ…」
ディアボロ「………」

上条は顔にためらいを浮かべていた。

427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:04:46.46 ID:FNPaD55L0
ディアボロ「…上条…お前の気持ちは理解できんでもないが…そこは『割り切らねばならない』」
ディアボロ「俺たちがせねばならない事は『2つ』」
ディアボロ「『自身の身とインデックスを守る』『敵のスタンド使いを撒くなり迎撃する』」
ディアボロ「その『両方』をやらねばならないのが我々の辛い所だが…」
ディアボロ「その上、見ず知らずの『誰か』の命を背負うなど出来んぞ」

上条は、ディアボロを目を真っ直ぐ見返して、それでも言った。

上条「それでもだ…それでも、誰かを巻き込む事なんてしたくねぇ」

ディアボロを見つめる上条の瞳には『迷い』が無い。
ディアボロは思う。上条当麻は『甘ちゃん』である。
しかし、自分のすること、したことに後悔しない『最高の大甘ちゃん』であった。

ディアボロ「解った…道案内は任せる…人気のなるべく少ない道を行こう」
上条「…すまねぇ」
ディアボロ「かまわんさ…俺は好きで『お前の側』についている」
上条「ありがとう…それじゃ行くぜッ!」
ディアボロ「ああ…インデックス、俺の背に乗れ」
インデックス「解ったんだよ」

428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:06:11.04 ID:5hCS2BIr0
ボス完全に善人だなw
コロネも今なら許してくれるかもしれん

430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:09:06.13 ID:FNPaD55L0
覚悟を決めた二人は、行動を開始する。
まず、上条宅の箪笥にあった適当な服を着せたインデックスをディアボロが背負う。
ディアボロは両手を塞いでいても、『キング・クリムゾン』で攻撃・防御ともにこなせるからだ。
この二人を、上条が先導する。道案内と、『幻想殺し』による盾役だ。
『敵スタンド』の動きは、後ろでディアボロが上条に教える。

ディアボロ「エレベーターは使えない…階段で行くぞ」

エレベーターでは出口で待ち伏せされた時に逃げ場が無いため、
多少時間は掛っても階段で下りる三人。

上条「…あのお姉さん…ホントに置いてきてよかったんですかねぇ…」

三人は神裂を、風呂桶に入れたままで置いてきた。
連れていく余裕はないし、起こすにも現状では『敵』の可能性が高く、
余計な面倒を背負い込むことになりかねない。

ディアボロ「言ったはずだ…奴らの狙いはほぼ間違いなくインデックスだ…だから問題は無い」

先ほどの『ワイヤーのスタンド』も、真っ先に狙ってきたのはインデックスだった。
『敵スタンド使い』の狙いは、まず『インデックス』とみて間違いないだろう。

431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:13:53.65 ID:FNPaD55L0
ディアボロ「まずアパートから迅速に脱出するッ!」

意外にも難なく上条たちは一階に到達し、
出入り口から『学生寮』の外に出る。
空では、もうすぐ日が西の果てへと沈もうとしている。

ディアボロ「夜になるとまずい…さっさと行くぞ…」
上条「りょーかい」
上条「それにしても、てっきり待ち伏せしてるもんかと上条さんは思ってたんですけどね…」
インデックス「私もおんなじ事考えてたんだよ…」

???「いや…それで間違ってねぇぇぜぇぇぇぇっ~」
上条「!」
ディアボロ「!」
インデックス「!」

三人が一斉に声のした方向に顔を向ければ、
夕焼けの中、一人の見知らぬ男が姿を現す。

まるで昆虫の触角の様な奇妙な髪形をした半裸の男…
『大統領』の傭兵、『オエコモバ』だ。

433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:16:52.11 ID:5hCS2BIr0
オエコモバさんの能力凶悪すぎだと思ったけど上条さんに対してはあんまり意味ないな

434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:20:43.47 ID:FNPaD55L0
上条「こりゃ上条さんも驚きました…まさか相手さんからわざわざ出てきてくれるなんて…」
オエコモバ「おおよぉぉぉっ~出てきてやったぜ…最後に『通告』しといてやる」
オエコモバ「その『小娘』をこっちに渡しな…そうすりゃお前らは『見逃して』やるぜ…」

オエコモバが『煙草』を燻らせながら、こちらに近づいてくる。
上条と、ディアボロは、注意深く、オエコモバを観察しながら、
はき捨てるように答えを返す。

ディアボロ「寝言は寝て言え…」
上条「上条さんも右同じなの!同じなんだよ!同じなんです三段活用!」

オエコモバ「へぇぇぇぇっ~そうかい…じゃあ」
オエコモバ「死ぬしかねぇなァッ!来いッ!」

オエコモバの号令と共に、周囲の物陰から一斉に『何か』が飛び出してくる。
それは『バルーンアートの白鳥』だッ!その数『10』ッ!

上条「!…やっぱりテメェが『風船のスタンド使い』かっ!」
ディアボロ「(遠距離操作型のスタンド使いが表に出てきた…?どういうつもりだ)」

不信を抱くディアボロを余所に、オエコモバは声高々と宣言するッ!

オエコモバ「さぁてどうかねぇ~…いずれにせよ『チューブラー・ベルズ』はお前たちを包囲したッ!」

『チューブラー・ベルズ』により作成された『バブル鳥』は、号令と共に一斉に包囲を狭める。


437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:36:30.11 ID:NhAlulTn0
ディアボロ「上条ッ!」
上条「おうッ!」

ディアボロの号令と共に上条とディアボロが同時に駆け出す。
二人の進路を塞ぐように2つの『バブル鳥』が飛んでくる。

ディアボロ「…」チラッ
上条「!」

ディアボロが上条に目配せをし、
それの意味する所を理解した上条が、

上条「『ぶち殺す』ッ!」

右手で『バブル鳥』を殴るッ!
『バブル鳥』は『風船形態』を『解除』され、
『本来の姿』を取り戻そうとする。
しかし、姿が戻らんとするまさにその瞬間に、

ディアボロ「『 キ ン グ ・ ク リ ム ゾ ン』!」


438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:37:59.91 ID:QRCIHuFpO
やだ……ボスかっこいい……

440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:50:32.98 ID:NhAlulTn0
世界のあらゆる『過程』は吹き飛び、
その吹き飛んだ『過程』を認識できるのは上条とディアボロのみッ!

『フレームワーク状』になった『バブル鳥』の『本来の姿』が上条の体を『すり抜ける』。

上条「~ッッッッ!『窓用のシャッター』だぁッ!?」
上条「時を飛ばしてもらわなかったら、上条さん真っ二つでしたよ~」チョットアセッタ

上条の体を『すり抜けた』のは、金属製の『窓用シャッター』で、
それは上条の体を引き裂くという役目を果たせず地面に落ちる。

ディアボロ「『効果時間』が切れるぞッ!備えろ上条ッ!」
上条「よし来たッ!」

直後、世界は『過程』をすっ飛ばして『結果』に着地する。
正面には、唖然とした表情のオエコモバがいるッ!

オエコモバ「!…今何しやがったッ!?なんで『シャッター』が地面に落ちてんだッ!?」
ディアボロ「答える必要は無いッ!」
上条「そら行くぞっ!」

急速接近してくる二人に、オエコモバは焦った表情を見せて、

オエコモバ「『チューブラー・ベルズ』ッ!俺を防御しろッ!」


441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:52:42.11 ID:0bqTRixC0
いきなり連携してるし

442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 16:54:54.46 ID:5hCS2BIr0
ボスの能力って案外防御型だよな

443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 17:01:02.71 ID:36aMOTLT0
まあ、見えるのであれば連携はしやすい能力

444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 17:08:34.95 ID:NhAlulTn0
オエコモバの指令を受けて、
一体の『バブル鳥』がディアボロの行く手を阻むように飛んでくる。

ディアボロ「くだらんッ!『キング・クリムゾン』!」

『キング・クリムゾン』の右手で『バブル鳥』を『破裂』させ、
左手で飛んで来ようとする『シャッター』を『殴りぬける』。

上条も、『右手』の指先で『バブル鳥』を『ぶち殺し』、
『幻想殺し』で解除された『風船』がその場で『元に戻る』習性を利用して、
解除した瞬間に後ろに下がって『シャッター』を避ける。

ディアボロ「こんな便所に吐き捨てられたタンカスのような能力でこの俺にかなうと思ったかッ!」
ディアボロ「終わりだッ!」

同様の方法で次々と『バブル鳥』は『無力化』され、
最後に残ったのはディアボロの行く手を阻む『1体』のみッ!

ディアボロは、それを『キング・クリムゾン』の右手で殴りぬいて…

ディアボロ「何ィッッ!?」

『バブル鳥』から飛び出してきた『ワイヤーフック』に腕を突き刺されるッ!

445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 17:17:57.19 ID:YurwvFhdO
やはりそういうことか

446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 17:23:41.31 ID:NhAlulTn0
ディアボロ「ぐぉぉぉぉぉッ!?」
上条「ディアボロッ!?」
インデックス「きゃあっ!?」
オエコモバ「かかったな~っ!アホがッ!」

『ワイヤーフック』に『キング・クリムゾン』の右腕を刺され、引っ張られた事によって、
本体の右手も中に釣られるような形になり、おぶっていたインデックスを地面に落してしまう。

ディアボロは先ほど、自分がこの『ワイヤーのスタンド』を『ペッシ』の『ビーチボーイ』に例えたことを思い出した。

ディアボロ「(あの下っ端のスタンドはフィッシングだったが…こいつは…)」
ディアボロ「疑似餌(ルアー)フィッシングかッ!?」

ディアボロの推測通り、この『ワイアード』の能力は、
『疑似餌(ルアー)』を利用して対象を釣りあげる能力。
ディアボロはまんまと『餌に引っかかって』いたのである。
右手の肉が引っ張られ、びしゃりと血が吹き出る。

ディアボロ「ぐおあっ!?」
上条「ディアボロッ!今助けに…」
ディアボロ「…来るなッ!上条ッ!」


447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 17:35:18.46 ID:NhAlulTn0
上条を見返すディアボロの瞳…
そこには、キラリと、何かひらめいたらしい。

ディアボロ「俺は捕まったが…それが『いい』」
ディアボロ「それが『いい』んだ上条ッ!」

普通、こんな風に釣りあげられた魚は、
必死に自信に刺さった針と、自分を海上に引き上げようとする釣り糸から『逃れようと』もがく。
しかし、この時、ディアボロは全く『逆』の行動を取ったッ!

『なにジョジョ?ダニーがおもちゃの鉄砲をくわえてはなさない?
 ジョジョ、それは無理矢理引き離そうとするからだよ
 逆に考えるんだ、「あげちゃってもいいさ」と考えるんだ…』

ディアボロ「ここの敵は任せたぞッ!上条!」
上条「ディアボロッ!?」

ディアボロは、『逆』に、スタンドの左手でつかむと、
自分を釣りあげる『ワイヤー』の動きに身を任せたのだッ!


448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 17:45:14.64 ID:NsNiMfNS0
ボスが・・・『誰かのために』・・・『闘っている』・・・だと!?

449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 17:49:12.72 ID:NhAlulTn0
ディアボロ「釣られた『魚』は…『釣り人』の元に向かう…」
ディアボロ「だとすれば『釣られた』俺の向かう先は…」

凄まじいスピードで釣りあげられたディアボロは、
『バブル鳥』の中に吸い込まれ…

小僧「何だあッ!?」
ディアボロ「『本体』の元だッ!オラアッ!」

水の張られたタライの『ゲート』を潜り抜けて、
『本体』、『ポーク・パイ・ハット小僧』の目の前に出現するッ!

小僧「うぉらぁッ!?ウィィィィィィィィィィンッ!」
ディアボロ「チイッ!?」

『ポーク・パイ・ハット小僧』に一発入れようとしたディアボロだったが、
『小僧』はとっさに『ワイヤー』を思いっきり伸ばして、
ディアボロの体を宙に放り投げる。

その拍子に、ディアボロは右腕に刺さった『フック』を引き抜き、
空中で一回転しながら、『スタンド』を身に纏いつつ着地する。

ディアボロ「…成程…キサマが『本体』か…」


450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 18:03:31.59 ID:NhAlulTn0
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ …

ディアボロの予期せぬ行動に、面喰らっていた『ポーク・パイ・ハット小僧』だったが、

小僧「おもしれぇぇぇぇよぉぉぉぉぉッ!おもしれぇよオメェはよぉぉぉぉぉッ!」

嬉しそうにニタニタ笑いだす。

小僧「正直ヨォォツ…ここまで飛んでくるとは思わなかったぜぇ…ウィィィィン!」
小僧「で、さぁ…テメェこう考えてるんだろう?」
小僧「『こいつは遠距離から攻撃するタイプのスタンド。近づきゃ楽勝だ』ってなぁ~」
ディアボロ「………」

不意に、小僧の目に黒い殺気が籠る。

小僧「試してみろぉぉぉ~ウィーン、ガッチャン」
小僧「テメェとオイラのスタンド…どっちが先に一撃叩き込むか…」
小僧「西部劇のガンマン風に言うと…『ぬきな! どっちが素早いか試してみようぜ』ってやつだぁ~ウィィィィン!」

それきり、小僧もディアボロも黙ってにらみ合う。
暫時静かに時が過ぎ、不意に、一羽のカラスが二人の間を横切って、

ディアボロ「『キング・クリムゾン』ッ!」
小僧「『ワイアァァァァァド』!」

それが合図ッ!

451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 18:16:00.48 ID:NhAlulTn0
『キング・クリムゾン』を顕現させたディアボロは、
『ポーク・パイ・ハット小僧』にスタンドのラッシュをかけるべく駆け出す。

『ポーク・パイ・ハット小僧』は、1条の『ワイヤー』をディアボロへと飛ばし、迎撃するッ!
『1条』?…では、もう1本の方は?

もう一本は、小僧の足元のタライの水へと垂らされている。
『ポーク・パイ・ハット小僧』の『ワイアード』は、『水』を通して、
『疑似餌(ルアー)』より『ワイヤーフック』を顕現させる。
ならば『疑似餌(ルアー)』は何処だ?
『疑似餌(ルアー)』は…

ディアボロの背後の『スタイル・マグヌス』の肉体ッ!

小僧「掛ったなッ!挟み打ちだぁぁぁぁッ!『アジの開き』みたいに真っ二つになりやがれェェェェッ!」
小僧「ウィィィィィィン!!!」

前後より襲いかかる『ワイヤー』ッ!
それは恐ろしく素早く、ディアボロに回避は不可能ッ!

ディアボロ「『 キ ン グ ・ ク リ ム ゾ ン』!」

しかし『時は吹き飛んだ』ッ!


454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 18:25:34.44 ID:NhAlulTn0

ディアボロ「オマエの下らん策ならば…」
ディアボロ「オマエがさっき食っちゃべってる間に『視せて』もらった…」

2条の『ワイヤー』を体にすり抜けさせながら、
ディアボロは『ポーク・パイ・ハット小僧』の背後に回り…

ディアボロ「そして『結果だけが残る』…」

小僧「…え!?」

仕留めたはずの敵の姿が無いことに面喰う小僧の右肩がポンポン叩かれる。
おそるおそる振り返った小僧は…

ディアボロ「PAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPA」
ディアボロ「PASSIOOOOOOOOONEEEEEEEEEE!!」
小僧「あぼべらぁぁぁぁぁッ!!」

『キング・クリムゾン』のラッシュで吹き飛んだぁぁぁッ!

456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 18:39:25.68 ID:m8HADRsS0
PAPAPAPAwww

457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 18:41:42.94 ID:IOytoLSnP
さっきのオラァも違和感あったのに吹いちまった畜生

458 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 18:44:56.28 ID:NhAlulTn0
>>457
書いてから自分も『オラァ』は無いようなぁ、と思った、正直


上条「ソラァッ!」

一方、上条はディアボロが吸い込まれた『バブル鳥』を『ぶち殺し』ていた。
『バブル鳥』は全滅し、こちらには『オエコモバ』、『上条当麻』、『インデックス』の3人だけが残される。

オエコモバ「…動揺してねぇぇぇなぁぁぁぁ~連れてかれたお仲間が心配じゃないのかぁぁぁっ~?」
上条「…俺はアイツにここを『任された』…だった黙って『信頼』に応えるだけだ…」

上条はオエコモバを睨みつける。
インデックスは、上条の邪魔はしては悪いと、静かに二人の様子を見ている。

上条「それより…テメェ自慢の『風船』は全部『ブチ殺した』…テメェの方こそ降参した方がいいんじゃねぇか?」

上条のこの言葉を聞いて、オエコモバはしばらく黙っていたが、当然、

オエコモバ「ウケケケケケケケケ…ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

不気味な哄笑を上げ始める。可笑しくてたまらないと、腹を抱えながらッ!

上条「!…何がオカシイってんだテメェ…」
オエコモバ「ウケケケケケケケケ…だってよぉぉぉぉぉ~」

オエコモバ「『いつ』、『誰』があの『風船』が俺の『スタンド』だなんて言ったんだ?」


459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 18:58:26.60 ID:NhAlulTn0
上条「…なに…?」
オエコモバ「ついで言えば…」

オエコモバは、いったん言葉を切ると、
右手の煙草の煙を、おいしそうに『吸い込んで』、『吐きだす』。
『吐きだされた』煙は、風に乗って当麻の方へ…

オエコモバ「テメェはもう『始末』されてんだよ」

突然、上条の口の中が『爆発』した。

上条「!?!?!?!?」
インデックス「トウマァッ!?」
上条「( 何 を さ れ た ?)」

上条は、口元を右手で押さえて蹲り、考える。
自分は今何をされた?『理解』しろ…さもなくば『生き残れない』ッ!

上条「(奴は…煙草を吸って吐いただけだ…)」
上条「(俺は、その煙を吸って…!)」

『能力者』相手の喧嘩に慣れていたためか、
即座に、オエコモバの『スタンド』の能力を割り出した上条。

上条「(だったら…!)」
オエコモバ「お…理解したな?意外とオツムが良いみたいだが、無駄なあがきだ…」
オエコモバ「人間である以上…『ずっと息を止める』なんて出来ないんだからよぉぉぉぉッ!」

461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 19:10:07.59 ID:NhAlulTn0
上条が『スタンド使い』であれば見えただろうが、
オエコモバの吐いた『煙草の煙』には、ある『異常』が起こっていた。

『視れば』吐かれた煙に小さな無数の『アナログ時計』が纏わりついている。
これがオエコモバのスタンド能力…『触れたものを爆弾』にする能力。
オエコモバは『煙草の煙』を『爆弾』にしていたのだッ!

オエコモバの言うとおり、普通であれば最早『詰み』の状況だったろう。
しかし、上条当麻には『切り札』が、『幻想殺し』の右手がまだあるッ!

上条「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
オエコモバ「!…ヤケクソになりやがったか?…口と肺を爆発させてくたばりやがれッ!」

オエコモバは再び『煙』を吐いたが…上条は爆発しなかったッ!
上条は、『幻想殺し』で口と鼻を覆いながら走りだしたのだ。上条にしかできない妙手ッ!

上条「(後は…ひたすら突っ込んで、アイツの顔面を殴りぬけるッ!)」
オエコモバ「……やはりな…ずいぶん変わった能力じゃねぇーか」
上条「!」

462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 19:12:11.59 ID:IOytoLSnP
肉弾戦でも勝てなそうだよね

463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 19:13:52.73 ID:GhgZdkibO
ジョジョの人達って本体もやたらと強いからな

464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 19:18:45.71 ID:NhAlulTn0
オエコモバは、右手の煙草を投げ捨て、ジャケットの内側に手を突っ込む。

オエコモバ「原理は解らねぇが…テメェにはスタンド能力を無効化できる力があるらしい…」
オエコモバ「だったらよう…」
オエコモバ「こ い つ は ど う だ ?」

メ ギ ャ ン !
オエコモバがジャケットから出した物…意外ッ、それは『拳銃』ッ!

上条「(マズッ…!)」
オエコモバ「青ざめたな?…テメェはスタンドを無効化できるらしいが…こいつはどうかなぁぁぁッ!」

ズキュゥゥゥゥン!

上条「あがあああああああああああッ!?」
インデックス「トウマァァァァッ!?」

上条は右足の太ももを撃ち抜かれ、その場で倒れこむ。
インデックスは、思わず上条の元に駆け寄っていた。

465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 19:34:09.43 ID:NhAlulTn0
オエコモバ「やっぱりなぁぁぁぁぁっ!キヒヒヒヒ!」
オエコモバ「テメェの『能力』が得体が知れねぇからようぅぅぅ~暫く『見』に回ってたが…」
オエコモバ「ずいぶんと妙な能力を持ってじゃねぇか…慎重に行って正解だったぜぇぇ」

上条「(!…じゃああの『風船』は…)
オエコモバ「ようやく気がついたか?『学園都市』の『学生』は全員、何かしら『能力』を持ってるって聞いてた…」
オエコモバ「あの『スタンド使い』も得体が知れなかったしな…だから俺がわざわざ囮になってやったのよ」
オエコモバ「『スタンド使い』の方の『能力』は結局解らなかったが…テメェの方は見切りが付いたぜぇ…」
上条「(ヤベェ…こいつはヤベェ…)」

上条当麻の『幻想殺し』は、あらゆる『異能』を打ち消す上条の『切り札』。
しかしその欠点は、あくまで『異能』にしか効果がなく、『原始的な暴力』には無力という点。

オエコモバ「テメェの動きを観察してて良く解ったぜ…テメェは『スタンド』を無効化できる『能力』を持ってはいるが…」
オエコモバ「それ以外は一般的な学生と大して変わらんッ!だったもう怖くねぇぜ!」

467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 19:47:19.81 ID:NhAlulTn0
上条「(こいつは洒落になんないぞ…ッ!考えろ…どうする?考えろ考えろ考えろ…)」
オエコモバ「餓鬼が調子乗って大人の邪魔立てしなきゃ死なずにすんだかもしれないのによぉ~」
オエコモバ「じゃあ…あばよ」

オエコモバは上条の頭に拳銃を突きつけようとするが、

インデックス「だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

突如間に割って入る小さな影…インデックスだッ!

インデックス「お願い!やめてっ!トウマを殺さないで!」
インデックス「私はどうなってもいいから!大人しく私がついて行くからっ!」
上条「!…や…めろ…インデ…」
オエコモバ「殊勝な娘じゃねぇぇぇぇか…でもよう…」

オエコモバはインデックスを片手で押しやって、
再び上条に拳銃を突きつける。

オエコモバ「邪魔者は確実に抹殺(エリミネート)しろ…雇い主にこう言われてんでね」
インデックス「!…お願いやめて!私の頭の中の魔道書も全部…私の命をあがるから!だからトウマを…」
オエコモバ「邪魔だっつってんだろ、このクソガキィィィィッ!」

バチィィンン!


468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 19:57:49.53 ID:NhAlulTn0
オエコモバがインデックスを平手打ちにし、インデックスの体が右の方へ吹き飛ぶ、
その光景を上条が目の当たりにした瞬間

プ ッ ツ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !

何かが切れる音が、上条の頭の中に響き渡る。
足の痛みが一瞬で消滅し、上条はのそりと立ち上がる。

上条「………」
オエコモバ「お!…まだ立ち上がる力残ってたか…でもよう…もうテメェは詰み…」

バ ギ ャ ッ ! 

オエコモバ「へ…は…歯が…」
上条「………」

オエコモバは、一瞬、何が起こったか理解できなかった。
理解した時には、自分の前歯が三本折れた後だった。
殴られたのだ…上条当麻の右手に。

オエコモバ「テメェェッェ!?このクソギャキャァァァァッ!自分の立場解って…」 

ボ コ ォ ッ !

オエコモバ「オギャッ!?…だから…俺には拳銃が…」

469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 20:07:54.13 ID:NhAlulTn0
メ メ タ ァ !

オエコモバ「カポエラッ!…いや…だから…」

ゴ ッ バ オ ン !

オエコモバ「ホゲェェェェッェ!奥歯が!奥歯が!」

バキ ドコ ゴス ドス !

オエオコモバ「ぱわらッ!」

上条当麻は「ブチ切れて」いた。
どれくらい切れてたかと言うと、髪形をけなされた東方仗助くらい切れていた。
それこそ、肉体のリミッターが外れてしまうぐらいに…

上条「なんだよテメェ…」ドゴォッ!
上条「何様なんだよ…」ゴキィッ!
上条「ただ女の子の…」メキャァッ!
上条「インデックスを傷つけやがって…」ゴキャァッ!
上条「テメェらが誰の指図で動いてるとか…」ブチィッ!
上条「何が目的だとか…そんなこと知らねぇ…」メキッィ!
上条「でもその目的のために…」ゴッバオン!
上条「誰かを犠牲にしていいと思ってんなら…」メメタァ!

470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 20:09:33.48 ID:36aMOTLT0
いやいやw撃てよww

471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 20:12:51.51 ID:36aMOTLT0
お?

472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 20:14:19.19 ID:NhAlulTn0
上条「俺はその幻想を…」
オエコモバ「誰か…助け…」

上条「ぶ ち 殺 ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ す っ !」

ド グ チ ャ ァ ァ ァ ァ ァ ッ !

オエコモバ「 ヤ ッ ダ バ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ !?」

上条渾身の右ストレートッ!
SUMAAAAAAAASH!決まったぁぁぁぁッ!
オエコモバは再起不能(リタイヤ)だっ!

上条「あー…さすがに限界だわ…」
上条「ふ…こ…う…だ…」

インデックス「とうまぁぁぁぁぁっ!?」

力尽きて前のめりに倒れる上条当麻の目に飛び込んできたもの。
それは、涙目になりながら自分に駆け寄るインデックスの姿。
それを確認した時、上条は安堵の笑みを浮かべながら意識を失った。


473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 20:15:20.79 ID:NhAlulTn0

『ポーク・パイ・ハット小僧』―――タンドのラッシュを受けて『再起不能(リタイア)』
       『オエコモバ』―――上条さんにボコられて『再起不能(リタイア)』


  /└────────┬┐
 <     To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘


474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 20:16:09.43 ID:36aMOTLT0
乙!

477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 20:22:21.36 ID:36aMOTLT0
もうちょっと上条サイド工夫が欲しかったな欲を言えば

490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/09(木) 02:04:37.62 ID:9n99BiL80
上条さんは身体能力スタンド並みだよな

491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/09(木) 02:07:18.76 ID:rx8u5ZjkP
上条さんは殴り合いなら禁書最強クラスだからな。
それなりに鍛えてそうなステイルも一撃だったし。

561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:32:59.16 ID:+tD7mxF/0



―――こんな夢を見た。


上条「うわ…まぶし…!?」
上条「あれ……」

上条当麻が目を覚ました時、飛び込んできたのは光だった。
その光に慣れて来た時、新たに飛び込んできたのは、『今にも落ちてきそうな』蒼い空であった。

上条「あ…れ…?」

上条当麻は寝ころんでいた。
何処とも知れない草原の上に寝ころんでいた。
体を半分だけ起こして見れば、自分の目を覚まさせた、
ある種の『乾き』さえ連想させる、恐ろしく深い色の青空がある。

562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:35:03.75 ID:+tD7mxF/0
上条「……」

視線を転ずれば、空と同じぐらいに澄んだ青い海と、
まっ白い砂と、陽に焼けてクリーム色をした岩がごろごろ有るのが見える。

上条「……」

首を後ろに回せば、
尖塔を一つ備えた、少し古ぼけた印象の建物が一つある。
近くには木の桟橋が一つあって、海の方へと真っ直ぐ伸びていた。

上条「えーと…」
上条「ここ…どこだ?」

上条には全く記憶にない場所だった。
生まれてこの方、こんな綺麗な場所に来た覚えは無い。

563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:38:36.09 ID:+tD7mxF/0
上条は知らないが、ここは『風と岩の出会う海岸』であった。
『時間の外の孤地』であり、『歴史の外の場所』であった。
岩と一体化したような建築に住む住人達が、『静かなる反骨』を秘めた土地であった。
そして…

ある一つの『因縁』の始まりの土地であった。

その名は『サルディニア島』、『コスタ・ズメラルダ(エメラルド海岸)』…

ある一人の男の人生の発祥の地であった。


上条「……綺麗だな~上条さんは素直にそう思いますよ」

起き上がった上条は、
近くにあった適当な岩に腰かけて、
ぼんやりと綺麗な海と空を眺めていた。

564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:41:59.26 ID:+tD7mxF/0
上条「(つうか…まじここどこなんですか…上条さんにはマジで覚えが無いんですけど…)」

右手でウニの様な頭をボリボリと掻く。
此処が何処なのか、どうやって此処に来たのか、
そういった前後の記憶は全くないが、不思議と不安感は無い。

何故だろう。
理屈ではなく、直観だが、何となく、
『この場所は安全だ』…そういう確信がある。
ともかく、

上条「マジで綺麗な海だな~…カメラでも持って来たかったですよ」

何時までも眺めていたい程に、乾いて澄んだ、綺麗な青であった。
以前、テレビの特集か何かで見た、『地中海の風景』に似ているかもしれない。

それからしばらく、上条はぼんやりと風光明媚な景色を楽しんでいたが、
そんな上条の耳に、不意に、誰かの声が飛び込んでくる。

???「ハイ…『仕事』は済ませました…ハイ…それじゃ今から帰ります…」


565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:45:34.41 ID:+tD7mxF/0
上条が振り向くと、一人の少年が背後の建物の出入り口から出て来る所だった。
左手に旅行鞄、右手に型の古い携帯電話を持ち(誰かと話しているらしい)、
タートルネックのセーターに、装飾用の鋲を幾つも入れたズボン、
紫の髪の下に、そばかすの入った気の弱そうな顔をした異人の少年だった。

少年は、こちらにまだ気づいていないらしい。
上条は、少年が誰かとの電話を終えるのを待ってから、声を掛けた。

上条「あの~…スミマセン。ちょっと一つ聞きたい事があるんですけど」
上条「ちょっと道に迷っちゃって…ここがどこだか解ります?」

いきなり誰かに声を掛けられたせいか、少し驚いた様な顔をしていたが、

???「えーと…僕もここには仕事に来てるだけで詳しく無いんですけど…」
???「『コスタ・ズメラルダ』って言うんですよ…確か」

と、ちゃんと応えてくれた。

566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:49:19.43 ID:+tD7mxF/0
上条「あ、ありがとう御座いました」
上条「(『コスタ・ズメラルダ』?…何語だ?上条さんにはマジで覚えないんですけど…)」

やはり聞き覚えの無い地名に、上条がうんうんと唸っていると、
何を思ったか例の少年がこちらに近づいて来る。

???「………」

少年は、上条の座っている岩のすぐ隣の岩に腰かけると、
旅行鞄を開けて、何かを取り出す。茶色の紙袋の様だ。

???「………」

さらに少年は茶色の紙袋をガサガサやって、中身を取り出した。
それはサラミとチーズを挟んだパニーニで、それは二つあり、

???「…食べます?」
上条「え…あ?」

少年はにこやかにその片方を上条の方に差しだしてくる。

上条「…あ…いただきます」

上条は思わず受け取ってしまった。

567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 18:52:58.93 ID:+tD7mxF/0
???「………」モグモグモグ
上条「………」

少年は黙々とパニーニを頬張っている。
上条も、少年に習って、折角貰ったパニーニを食べ始める。
うむ、すっかり冷めているが、結構おいしい。

上条「モグモグモグ(…つうか)」
???「モグモグモグモグモグモグ」
上条「(前に会った事あったっけか?…何か顔に見覚えがあんだけどな~)」

上条は少年の横顔を見ながら考える。
上条には異人の知り合いなど殆どいない筈だが、
この少年の横顔に、奇妙な既視感を抱いているのだ。

ふと、上条の脳裏に、知りあったばかりの奇妙な異人の相貌が浮かんだ。
脳裏のディアボロのイメージと、目の前の少年の顔を見比べてみる。

上条「(不思議だな…全然似て無いのに…)」
上条「(妙に似ている様な気がするなぁ~)」

似ても似つかないのに、似ている様な印象を感じる。
良く見ると、目元は少し似ているかも知れない。

そんな事を考えている内に、上条はパニーニを食べ終わる。
少年の方も食べ終わったらしく、紙袋をくしゃくしゃに丸めてポケットに入ていた。

569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:00:25.03 ID:+tD7mxF/0
上条「………」
???「………」

暫しの間、二人は双方無言で海を眺めていたが、
少年の方が先に、よっこいしょと岩から立ち上がる。

上条「…行くんですか?」
???「うん…仕事の続きがあるんで」

少年はにこやかに手を振ると、そのまま立ち去ろうとする。
上条はその背中に、質問に応えてくれた事と、
パニーニを御馳走してくれたお礼をしようと思って、
少年の言葉に遮られる。

???「“ボス”の事…よろしく頼みますよ…『カミジョウトウマ』さん」
上条「!?…おい、アンタ何で俺の名前を知って…!」

上条は少年の背中に追いすがろうとして、

上条「!?…オワっ!?」

何か蹴躓いて転んでしまい…


―――そこで目が覚めた

570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:02:56.07 ID:+tD7mxF/0
上条「ッ!?」
インデックス「あ、トウマ!…目が覚めたんだね!」

上条が目を覚ますと、『見覚えのある天井』と、
嬉しくてたまらない、といった表情のインデックスの顔が見えた。

上条「あー…俺」

起きて直ぐに思い出した。
あの『スタンド使い』を倒した後、
力を使い果たして意識を失ってしまったのだ。

上条「(何か…変な夢を見てたような…)」

先程見た夢の内容はすでに霞の様に消えかかっている。
何じゃ…重要な夢だった様な…

インデックス「トウマトウマトウマトウマァッ!よかったんだよ!目を覚まして良かったんだよ!」
上条「ぐええええっ!?ちょ、インデックス!苦しい!」

571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:06:42.68 ID:+tD7mxF/0
何時の間に着替えたのか、ジャージ姿のインデックスに首に抱きつかれ、
上条は苦しそうにインデックスを引き剥がす。
既に、夢に対しての関心は霧消していた。

ディアボロ「上条…目が覚めたようだな…」
上条「お!ディアボロ…無事だったか!」

尚も抱きついて来ようとするインデックスを右手で制していると、
こちらも何時の間にか上にサマーセーターを着たディアボロの姿がある。

ディアボロ「『無事だったか』だと…?それはこっちのセリフだ」
ディアボロ「お前は足を撃たれていた。当たり所が良かったからいいものを…」
ディアボロ「一歩間違えれば、死んでいたかも知れんのだぞ」
上条「いやー…上条の判断ミスですよ。迂闊に敵の方へ突っ込んじゃって…」
ディアボロ「それは違うぞ上条」

ディアボロは『すまない』っといった感じの表情を浮かべている。

573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:09:35.25 ID:+tD7mxF/0
ディアボロ「敵の戦力を過小評価した俺のミスだ…迂闊に敵の懐に飛び込んだ…」
上条「それは違うぞディアボロ」

上条は、インデックスの頭を撫でながら、確固たる口調で言った。

上条「あの時、俺はお前にあの場を『任された』」
上条「『問題』があるとすれば、その『信頼』に応えられなかった俺の方だ」
上条「ディアボロは悪くねえぇぜ」
ディアボロ「………」

そんな事を真っ直ぐに言って来る上条に、
ディアボロは何とも言えない表情をした。
ディアボロの周囲にはかつて『善人』と呼べる人間は、
『敵』か『搾取する対象』としてしか居なかった。
故に、彼はこういう『真っ直ぐな人間』に、どういう対処をしていいのか解らなかったのだ。

???「お取り込み中の所悪いけど…入るよ?」

上条のいる病室に、新たな人物が入って来る。
その人物に、上条は『面識』があった。
あり過ぎるほどにあった。

冥土返し「 ま た 君 か ね 」
上条「 ご め ん な さ い 」

575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:13:36.18 ID:+tD7mxF/0
上条は『もう呆れてものもいえねー』と言った表情の、
カエル似の個性的な面相をした医者に頭を深々と下げた。

このカエル顔の医者、裏では『冥土返し(ヘヴンキャンセラー)』と仇名される程の名医であり、
治せない症例など存在しないとすら言われるほどの男である。
そんな人物と何故上条当麻が知り合いかと言えば、
言うまでも無く、上条当麻のその生きざまに原因はある。

年中、厄介事に首を突っ込みまくる上条である。
その過程で、大きな怪我をする事も少なくない。
その度に、この病院に上条が担ぎ込まれて来ると言うわけだ。

冥土返し「しかも今度は何だい?足を銃で撃たれたって?」
冥土返し「大きな血管には当たらず、銃弾も上手く貫通してくれたから良かったものの…」
冥土返し「下手をすれば致命傷だったかもしれないんだよ?」
上条「いやホント…返す言葉もありません」

ダメ出しをする『冥土返し』に、上条は何度も何度も頭を下げて、
そこで、ふと考えに昇った質問を口にする。

577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:16:23.74 ID:+tD7mxF/0
上条「そう言えば…誰が上条さんを運び込んだんですか?ディアボロ?」
冥土返し「ああ…それは…」

神裂「『私達』ですよ」

『冥土返し』の背後から現れたのは、
インデックスと同色のジャージに着替えた神裂火織、そして、

上条「えーと…そこのお姉さんは解るけど…アンタどなた?」
ステイル「『誰だ?』って聞きたそうな表情してるから自己紹介させてもらうけど」
ステイル「僕は『魔術師』のステイル=マグヌスだ」
神裂「そう言えば名乗りがまだでした、私は『神裂火織』と言います」
上条「『魔術師』…」

神父服を取り戻したらしいステイル=マグヌスである。
ステイルの名乗りの『魔術師』の部分に警戒したのか、
ベッドで身を固くする上条だったが、

579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:19:12.60 ID:+tD7mxF/0
神裂「大丈夫です、上条当麻…」
神裂「私達はこの場では貴方がたに…」
神裂「いえ、この先も貴方がたと敵対するつもりはありません」
上条「え?」

意外、と言った表情の上条に、
神裂に続いてステイルが言う事には、

ステイル「僕たちの目的は、あくまでインデックスの『保護』だ」
上条「え…そうなの?」
インデックス「うん…そうだったみたい」

インデックスに上条が問えば、インデックスがバツ悪そうにそう返す。
間抜けにも、『保護者』から逃げていたのだから。
(実際には、神裂達が意図的に勘違いさせていたのであるが)

ステイル「その任務を、僕たちは君達が居なければ果たす事が出来なかった」
神裂「貴方がたには…本当に感謝しています。この通り…」

神裂とステイルは、深々と頭を下げた。

神裂「ありがとうございました」
ステイル「(……部外者にこうして頭を下げるのは本当はすこし癪だけどね)」

581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:22:23.67 ID:+tD7mxF/0
上条「いやいやいや…上条さんは人としてごく当たり前の事をしただけですよ」

相手の予期せぬ行動に、アタフタと少し慌てる上条であったが、
直ぐに落ち着くと、上条は気になっていた事を彼らに問うた。

上条「そういえば…俺達を襲って来た『スタンド使い』達はどうなったんだ?」
上条「ひょっとして、そいつらもココに担ぎ込まれてるとか~」
ディアボロ「………」
インデックス「………」
神裂「………」
ステイル「………」
上条「え?皆さんだまっちゃって、いったいどうし…」
神裂「死にました」
上条「……え…?」
神裂「正確に言えば『殺され』ました」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ …


583 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:28:58.31 ID:+tD7mxF/0
上条「まてまてまてまて!『殺された』?誰に?いつゥ!?」
神裂「落ち着いてください。ちゃんと順を追って話します」


神裂火織が目を覚ましたのは、
インデックスが上条をオエコモバから庇おうとした時の、
その悲痛な叫びを聞いたからである。

その叫びを聞いた時、神裂火織はいてもたってもいられず、
上条の部屋を疾風の如く飛び出していた。
今は『他人同士』としてしか振る舞えない間柄とはいえ、
インデックスは神裂火織の『親友』なのだ。
『親友』を見捨てられる『友達』なんていない。
神裂は、なりふり構わずに表に飛び出したのだが…
皮肉にも、神裂が地表に降り立ったその時が、
オエコモバが上条にぶっ飛ばされた瞬間であった。

神裂「それから…意識を失った貴方に応急処置を施して」
神裂「倒れた『スタンド使い』を尋問すべく近寄った時でした」
神裂「銃声が一発分鳴ったかと思えば、男の頭部は『破裂』していたのです」


584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 19:30:25.09 ID:+tD7mxF/0
全く予期せぬ攻撃であり、一発で仕留められたため、
男の事を助けることが出来なかったのだ。
そしてなにより不可解なのは、弾丸が飛んできたのが、どう考えても、
ヘリも飛んでいない空の上からだとしか考えられなかった事だろう。

ディアボロ「どうやって狙撃したのかは解らんが…」
ディアボロ「男の頭を破裂させたのは、恐らく、『エキスプロッシブカートリッジ』による狙撃だろう」

神裂の説明を、ディアボロが引き継ぐ。

ディアボロ「弾頭に爆薬を仕込んだ特殊弾だ」
ディアボロ「生身の人間の頭など、この弾丸の前には血のつまった風船に過ぎん」

上条「……お前の方のスタンド使いは…?」
ディアボロ「似たような物だ。例の『ワイヤーのスタンド使い』は、確かに俺が倒したが…」
ディアボロ「奴から少し目を離した隙に、何時の間にか接近していた例の『風船鳥』のシャッターに、な」

シャッターで顔を真っ二つにされ、脳漿を辺りにまき散らした、
『ポーク・パイ・ハット小僧』の死骸を、ディアボロは思い返す。

589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 20:00:55.23 ID:+tD7mxF/0

上条「なんでだよ…」
ディアボロ「口封じだろうな」

ディアボロは確信を以て答える。
彼自身、ボス時代にそうやってよく部下を切り捨てたからだ。

ディアボロ「連中には、敵に捕まるかもしれない仲間を救出できる余裕がなかったのだろう」
ディアボロ「だとすれば、情報漏れを防ぐためにも、殺しておくしかない」
神裂「…頭を狙って破壊したのは、死骸から情報を引き出すのを防ぐためでしょう」
ステイル「たとえ死体になっても、脳味噌が無事なら、情報を引き出せない訳じゃないからね」
ステイル「魔術的には充分可能だし…『科学的』にも可能だ、と僕は聞いてるね」
上条「………」
インデックス「…痛いよトウマ…」
上条「あ…スマン、インデックス」

上条は、自分が恐ろしい顔をしながら、
インデックスの右手を強く握りしめていた事に気がついた。
上条当麻は『善人』である。
たとえそれが『敵』の事であろうとも、『理不尽な人の死』に、
分け隔てなく『怒り』を感じることができる善人である。

ディアボロ「………」

そんな上条の姿を見ながら、ディアボロは考える。
はたして、上条が自分の過去の所業を知ってしまったら…自分の事をどう思うだろうか?

591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 20:05:38.67 ID:+tD7mxF/0
冥土返し「話に割り込むようで悪いけど…少しいいかな?」

そう言ったのは、今まで沈黙を守ってきた『冥土返し』である。

冥土返し「一先ず…君の怪我の事なんだけども…」
冥土返し「さっきも言った通り、銃弾は大きな動脈を外れていたし」
冥土返し「弾丸は完全に貫通し切っていた上に、口径は小口径…」
冥土返し「いやはや…ホント、君は幸運なんだか不幸なんだか…」

『冥土返し』はイヤハヤと呆れる仕草をして見せる。

冥土返し「まあ要するに…銃で至近距離から撃たれた割には…大した怪我じゃない」
冥土返し「と、言っても、しばらくは痛むだろうし、完治するまで時間もかかる」
冥土返し「激しい運動も厳禁だ…と言っても聞く君ではないんだろうけど」
上条「あはははは…」
冥土返し「それと…口の中に火傷と裂傷があったけど…ありゃ何だい?」
冥土返し「一応、軟膏を塗って置いたけど…癇癪玉でも飲みこんだのかい?」
上条「あはははは…」

流石に『煙草の煙を吸ったら爆発しました』と言うわけにもいかず、
上条は乾いた笑いでごまかした。

冥土返し「まあ、元気そうでよかったよ。『丸一日』寝ていただけの事はあったね」
上条「え…」

上条は『冥土返し』の言葉に青い顔をしながら、
傍らのインデックスに尋ねた。

592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 20:11:47.98 ID:+tD7mxF/0
上条「インデックス…今何日の何時だ…?」
インデックス「んーと…『7月21日』の『午後5時半』なんだよ」

上条「ほ、補修…」

上条の脳裏に、プンスカ怒る小萌先生の姿が思い浮かぶ。

上条「携帯で連絡っ…て、あっ…」

そう言えば携帯は壊れてたんだっけ…
これじゃ無断で学校をさぼった上に、連絡がつかないなんて事に…

上条「しかも…」

加えて自室は部屋のドアをあけっぱなしの上に、
窓ガラスは割れて部屋の中はかちゃかちゃ…
今頃、あっちでは大騒ぎ、なんて事に…

上条「ふ、不 幸 だ ~!」
冥土返し「病院では静かにッ!」

上条の絶叫が、院内に響き渡った。

595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 20:17:19.88 ID:+tD7mxF/0
インデックス「トウマ…あーん」
上条「いや、インデックスさん…上条さんは自分で食べれますからッ!」
インデックス「いいから、あーん」

神裂が果物ナイフでウサギさん型に切ったリンゴを、
インデックスがフォークでアーンしている。
上条が赤くなった顔でそれをイイヨイイヨしつつも、
意外とまんざらでもない顔をしている。
ステイルはその様子を見て、忌々しげにガムをくちゃくちゃ噛み、
(病院内は煙草は厳禁ですッ!吸った人は覚悟して貰いますッ!)
ディアボロはわれ関せずと新聞を読んでいた。
『冥土返し』は他の仕事の為に帰ったようだ。

上条の隣のゴミ箱には、
リンゴの皮以外にも、ビニール包装のゴミなどが入っている。

流石に丸一日何も食べていなかった為に、
上条は腹が減ってしょうがなかった。
神裂が近くのコンビニで色々買ってきたのを食べた後、
今はリンゴでデザートと言う訳である。

ちなみに、小萌先生への連絡は、院内の公衆電話で済ましてきた。
本気で心配していたらしく、涙声の小萌先生のお説教に正直胸が痛んだが、
兎に角、怪我が良くなるまで、補修は先延ばしと言うことになった。
その分夏休みも縮まるが、贅沢は言っていられまい。

596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 20:25:24.86 ID:+tD7mxF/0
上条「ところで…さっき聞くのを忘れてたんだけども…」

上条は神裂やステイルのほうを向いて、
素朴な表情で質問した。

上条「なんでお前ら、インデックスの事を追いかけまわしてたんだ…」
上条「聞いてりゃオマエら…『必要悪の教会(ネセサリウス)』だっけ…」
上条「兎に角、所属してる教会が一緒だったんだろ。だったら…」
上条「仲間内だけで通じる合言葉とか…教会内部の人間しか知らない情報を言うとか…」
上条「とにかく、さっさと味方だと言うこと教えて、保護しちまえば早い話じゃねーの?」

神裂「………」
ステイル「………」
上条「(アレ…上条さん地雷踏んだ…?)」

急に重苦しくなった部屋の空気に、上条は戸惑い、
何やら察した表情のインデックスは、リンゴを紙の皿に一先ず置くと、

インデックス「少し、病院の中を探検してくるんだよ…」
上条「インデックス…?」

597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 20:33:21.12 ID:+tD7mxF/0
突然とてとてと部屋を出ていく、インデックスを、
上条は何が何だか解らない、と言った表情見送った。

ディアボロ「…場の空気を読んだか。意外と聡い少女なのだな」
神裂「あの子は…人の気持ちの解る子なんです。一見そうは見えませんが…」

神裂火織は、何か意を決した表情で、上条当麻に向き直った。

神裂「上条当麻…」
上条「…なんだよ」
神裂「そちらのディアボロさんには既に話した事ですが」
神裂「今から重要な話をします。インデックスについてです」


600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 20:39:16.56 ID:+tD7mxF/0
上条「………」
神裂「…理解しましたか」
上条「……スマン…いきなりの事だから…正直混乱してる…」
上条「少し…落ち着く時間をくれ」

上条は、今しがた神裂に言われた内容を、脳内で反芻していた。

神裂曰く、
インデックスは『完全記憶能力』の持ち主であり、
インデックスはそれ故に10万3千冊の魔道書を記憶していられる、
しかし、それはインデックスの脳に尋常でない負荷を与えており、
故に、1年ごとにインデックスの魔術関連以外の記憶を消去しなければ、
彼女の脳は負荷に耐えきれず死んでしまう。
そのために、神裂とステイルは既に1度、彼女の記憶の消去を実際に行っている…

上条「(何の冗談だこりゃあ…)」

601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 20:41:47.90 ID:xTwJpeNFO
ディアボロはこの与太話に気付くだろうか?

602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 20:56:56.33 ID:AiRbYyz50
彼女たちは『そう』だとは、はっきりとは言わなかったが、
彼女たちの語り口を注意深く聞けば、
神裂も、ステイルも、インデックスを憎からず、
いや、明確に『好意』を持っている事は容易に察せられる。

しかし、その事をインデックスは知らない。
『記憶』していないのだ、知るはずがない。
だから、神裂とステイルを敵だと容易に思い込む。
『好意』を持っている相手に理不尽な『恐れ』と『敵意』を抱かれ、
しかも相手に『真実』を告げることも出来ない。
彼女達の心中、いかばかりか…

上条「なあ…記憶を…」
ステイル「僕たちが…」

ステイルのドスの効いた声が、静かな病室に響く。

ステイル「何もしなかったと思っているのかい?」
ステイル「何も探さずに、ここまで来たと思っているのかい?」

ステイルは上条を凄まじい目線で睨みつける。
『いいかげんなことを言えば許さない』…視線がそう言っている。

605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:11:16.78 ID:AiRbYyz50
ディアボロ「…ひとついいか?」

ステイルの視線に気圧され、思わず口を噤んでしまった上条を余所に、
先ほどから何か考える様子を見せていたディアボロが会話に入ってくる。

神裂「…なんです?」
ディアボロ「俺は既に、今上条にお前たちが言って聞かせた話を聞いていたが…」
ディアボロ「それいらい、『何か』がずっと気になっていてな…」
ディアボロ「それについてずっと考えていたんだが…今、ようやくそれが解った」

ディアボロは、神裂、ステイル、上条の顔を順に見てから、
再び口を開いた。

ディアボロ「『エス・ヴェー・シェレシェフスキー』…」
ディアボロ「この男の名前に聞き覚えは?」

神裂は知らなかったらしく、ステイルの方に目線で問うが、
どうやら彼も知らないらしい。上条も同様のようである。

ディアボロ「この男は…」
ディアボロ「かつてロシアに実在した『完全記憶能力者』だ…」
神裂「!」ステイル「!」上条「!」


606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:13:00.21 ID:n/Tp4p5gP
なにそれ新展開

607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:26:48.44 ID:6Ksivqjd0
ディアボロ「『完全記憶能力』と呼ばれる能力は、何もインデックス固有の能力じゃない」
ディアボロ「こういう能力を持った人間は古来より存在したし、おそらくこれからも存在するだろう」
ディアボロ「この男は、今からおよそ50年ほど前のロシアに、確かに実在していた男だ」

『エス・ヴェー・シェレシェフスキー』、通称『シィー』…

ラトビア生まれのこのユダヤ人は、新聞記者を生業とし、
時々、その『完全記憶能力』を生かした『記憶ショー』の副業で生計を立てていたが、
彼は生涯、その『何も忘れることができない病』に苦しめられ続けた。

この男を、何と『30年間』にわたって診察し、
その結果を本に残した精神科医がいた。
その名は、『アレクサンドル・ロマノヴィッチ・ルリア』と言い、
その著書、『偉大な記憶力の物語』は、現在の我々も読むことができる。

神裂「ちょっと待ってください!『30年間』…あなたは確かにそう言いましたよね」
ディアボロ「ああ、言った」
ディアボロ「ちなみに、シェレシェフスキーがルリアの元に初めて訪れたのは30代の時だ」
ステイル「待ってくれ!それだと、そのロシア人は…」
ディアボロ「ああ…少なくとも60歳以上まで生きた計算になる」

608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 21:27:09.67 ID:/ANEPjEE0
結構あっさりwww

609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/10(金) 21:31:00.81 ID:B/+zWHoTO
というか原作から図書館行くなり、病院行くなり、ググるなりしなかったんだこの2人は

610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/10(金) 21:32:57.33 ID:xTwJpeNFO
まあ、インターネットで調べりゃ出て来るような情報だからな


魔術師ってのはよっぽど閉鎖的なんだろ

661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 18:02:40.45 ID:oSJEI0Xb0
これには、神裂とステイルも顔を見合わせた。
60歳以上も生きたって?じゃあ、1年で死んでしまうインデックスは何だと言うんだ?

ディアボロ「無論、一概に『完全記憶能力者』と言っても…」
ディアボロ「このシェレシェフスキーとインデックスとを同列に語る事は出来まい」
ディアボロ「一口に『完全記憶能力者』と一纏めにされるが、その記憶のメカニズムは個々で違うと言うからな」
ディアボロ「ただ、俺は少なくとも『完全記憶能力者』が記憶のしすぎで死んだと言う話は来た事が無い」

現実における『完全記憶能力者』として著名な人物には他に、
アメリカの『キム・ピーク』などがいるが、
彼もその享年は58歳であり、死因は『心臓マヒ』であった。
無論、『記憶のしすぎ』が原因ではない。

神裂「………」
ステイル「………」

これには流石のステイル、神裂も考え込んでしまった。
正直に言えば、彼女達はインデックスの記憶の問題を、
魔術的方面、あるいは、単純な彼女との『思いで作り』、
と言った方面からしか考察、並びにアプローチをしておらず、
脳科学、精神医学と言った分野は、完全にノータッチだったのだ。


662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 18:04:20.99 ID:oSJEI0Xb0
ディアボロ「…と言うか、今俺が言った様な情報は…」
ディアボロ「インターネットを使えば簡単に調べられる事だぞ」
ディアボロ「お前たちも…今まで色々と調べて来たのだろう?」

ディアボロがそう問うと、
神裂とステイルは、顔を少し冷や汗を流しながら、
視線を逸らした。

ディアボロ「…ちょっとまて!まさかお前ら…」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ …

ディアボロ「パソコンが『使えない』のか…?」
ディアボロ「冗談だろう…今時、インターネットも使えんとは…」
ディアボロ「シチリアの字も読めない田舎者ならまだしも…」

神裂「う っ せ ぇ ん だ よ ッ! こ の ど 素 人 が っ !」

664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 18:04:58.29 ID:sx7kSZ+D0
酷い逆切れだwwwwwwwwww

665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 18:05:33.37 ID:oSJEI0Xb0
突然キレだした神裂に、ディアボロと上条は面喰う。
まるでどこぞの氷のスタンドを操る暗殺者みたいなキレっぷりだ。

神裂「田舎モンで悪かったなぁぁぁぁぁッ!ええッ!」
神裂「こちとら携帯電話とコードレスホンの区別もつかねぇんだよ、チクショォォォッ!」
神裂「つうか携帯電話とPHSの違いって何だよクソがっ!私に解りやす説明しろぉぉっ!?」
ステイル「か…神裂…少し落ち着いて…」
神裂「落ちつけるかぁぁぁッ!どうせ皆私の事、洗濯機もろくに使え無い『行き遅れ』だって…」

冥土返し「 う る さ い よ ! 病 院 は 静 か に !」
神裂「すみません」ステイル「御免なさい」

二人は土下座した。


667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 18:07:04.13 ID:lCsoW9cJ0
というかそんな理由で説明した上役がアホだよな
「SAN値に限界があるので一年ごとにリセットします」なら信憑性があるのに

669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 18:08:02.42 ID:oSJEI0Xb0
ディアボロ「とにかくだ…インデックスの記憶を消すまの『期限』まで…まだ幾分か間があるのだろう?」
ディアボロ「だとすれば…その間に色々と試して見れば良いのではないのか?」

ようやく落ち付いた、二人(主に神裂一人だが)に、
ディアボロはそう提案するも、二人は迷わず首を横に振った。

神裂「正直な所…我々は『科学者』と言う人種が信用できません」
ステイル「特にこの『学園都市』のはね…彼女が、メスや薬でズタズタにされる所なんて見たくない」
上条「いや…いくらなんでもそれは偏見じゃ…」

言い掛けて、そこで上条は言葉を止める。
『学園都市』に限って言えば、あながち『偏見』だとは言い切れないからだ。

ディアボロ「…確かに、医者にも、時々とんでもないのがいるのも事実だ(チョコラートとかな)」
ディアボロ「しかし…大半の医者は確固たる職業意識を持ったプロだ。そうそう妙な事はしない」
ディアボロ「第一…お前たちだけでは最早打つ手は無いのだろう?」
ディアボロ「だとすれば…他人の手を借りるしかるまい」

670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 18:10:48.92 ID:oSJEI0Xb0
ステイル「………」

『魔術師』という人種は、よほど『現代科学』と言う物が信用できないのか、
神裂もステイルも憮然とした表情をしていたが、藁にもすがりたい気持だったのか、

ステイル「…正直、気は進まないけど、君の言うことも一理ある」
神裂「…危険なことはしない…そう約束してくれるなら…」

苦々しい、といった感じながら、専門医に見せることを了承した。


上条「…つうか、ディアボロ。良くあんな事知ってたな?何でだ?」

神裂とステイルが、自前で用意した寝床に帰った後、
(この病室を監視できる場所にあるらしい)
上条は戻ってきたインデックスの髪を三つ編みにしながら、
ディアボロに問うていた。

671 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 18:15:22.95 ID:oSJEI0Xb0
ディアボロ「ああ…あれか」
ディアボロ「何…何てことはない話だ」

ディアボロは、何かを懐かしむような表情をしながら答えた。

ディアボロ「昔…ちょっとした事情から脳科学だとか、精神医学だとかに関心があってな」
ディアボロ「その手の本をいくらか読んでいただけだ」

ディアボロは、かつて自分の体に住みついていた『少年』、
『ヴィネガー=ドッピオ』を思い出し、少し寂しそうな表情をした。
上条は、ディアボロの表情を見て、何か思うところがあったのか、
それ以上、この事について問うことは無かった。

果たして、『7月21日』の夜は更けていく。
『始まりの物語』の終着点は、刻一刻と近づいていた…


  /└────────┬┐
 < To Be Continued...     | |
  \┌────────┴┘


672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 18:17:55.28 ID:sx7kSZ+D0
ドッピオ・・・

679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 19:06:07.28 ID:IF6Wb+QI0
チョコラータ・・・

680 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 19:22:30.17 ID:thmbIVCR0
>神裂「落ちつけるかぁぁぁッ!どうせ皆私の事、洗濯機もろくに使え無い『行き遅れ』だって…」

ねーちん・・・・・

681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 19:43:19.47 ID:IF6Wb+QI0
おっぱおが有るから大丈夫!

682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 19:43:38.61 ID:rznB8LOy0
魔術勢力が科学に疎いのは仕方ないとしても家電さえまともに使えないのは行き遅れどころか原始人なんじゃ

683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 19:46:03.94 ID:lCsoW9cJ0
>>682
女教皇なんて地位にある人だから箱入り娘的に育てられたんだよきっと

685 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 20:42:04.47 ID:bxBQnIab0
破廉恥な格好の箱入り娘ですこと

687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/11(土) 20:47:56.80 ID:lCsoW9cJ0
>>685
ああいう格好するとみんなが(精神状態を)心配してくれて嬉しかったんだよきっと

689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/11(土) 21:45:21.52 ID:f1lj1bXJP
ボスの格好もかなりハレンチだと思うの

11 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 15:02:18.64 ID:Gyf9r4g0
冥土返し「まあ、最初に結論だけ言わせてもらうと…」

カエル顔の医者、『冥土返し』は、上条御一行にこう言った。

冥土返し「『医学的』に見れば、彼女の体には『何一つ異常は無いね』」
冥土返し「むしろ、健康そのものだと言ってもいい」

その言葉に、上条達は互いの顔を見合わせた。


『7月22日』、『午前』。
ディアボロの提案により、インデックスは『冥土返し』の病院で、
簡単な『健康診断』を受けていた。
まず、インデックスの『脳』を調べる前に、彼女の体全体を簡単に調べておくべきだと考えたのである。
インデックスの記憶の容量が、本当に生死に関わるほどの負荷を彼女の肉体に与えているのなら、
その『期限』が近づきつつあるという今、既に何らかの形で、彼女の肉体に『異常』となって表れているはずだからだ。

神裂とステイルは尚も少々しぶっていたが、『冥土返し』が、

冥土返し「正直、いきなり『健康診断』をしてくれなんて言われても」
冥土返し「準備もしてないし、簡単なモノしかできないけど、いいのかい?」

と言ったので、『簡単な物なら危ない事もするまい』と、納得し、
インデックスを『診る』のを『冥土返し』に任せた訳だが、

14 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 15:07:21.07 ID:Gyf9r4g0
上条「異常が無い…?」
冥土返し「ああ…あくまで目に見えて解る範囲では…だけどね」
冥土返し「本格的な『診断』をしないと、解らない異常というのもあるし…だだ…」
冥土返し「少なくとも…今日明日死ぬという人間の体じゃないね」
冥土返し「むしろ健康すぎるくらいだよ」

『冥土返し』はハッキリとそう言いきった。
今、彼らが居るのは、院内の診療室の一室で、
インデックスだけが、部屋の外で看護婦さんに貰ったラムネを飲んでいる為、ここにはいない。

冥土返し「神裂君…だっけ?君の言う所によると、以前は『期限』が迫るといきなり体調を崩して倒れたとの事だけど…」
冥土返し「生き死にに関わるほど脳に負荷が掛ってるなら、とっくの昔に『異常』が出て無いと、あきらかにおかしい」
神裂「でも…以前の時は実際に…」
冥土返し「だからさ…そこで僕は思った訳なんだけど」

冥土返し「あの娘が苦しんでいる原因は、ひょっとすると『医学的問題』じゃないんじゃないのかい?」
冥土返し「さっき、あの娘の診断してる時に気がついたんだが…」

『冥土返し』は、先程の『健康診断』中に撮ったらしい写真を、上条達に見せた。


15 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 15:11:29.39 ID:Gyf9r4g0
冥土返し「もしかして、『コレ』に何か関係があったりするんじゃないのかい?」

『冥土返し』が見せて来た写真は、インデックスの喉の奥を撮ったモノだったが、

上条「オイ…これって…」
ディアボロ「…成程」
神裂「…そんな…」
ステイル「嘘だろう…」

そこに写っていた『モノ』…
それは、インデックスの喉の奥に刻まれていた、禍々しさを纏った一文字の紋章だった。


ステイル「『人払いのルーン(Opila)』を刻んだ。僕ら以外に、ここに訪れる人間はもういない」
上条「………」
神裂「どうかしましたか、上条当麻?」
上条「いや…『スタンド』といい、『魔術』といい…」
上条「なんかもう、ホントに何でもありの世界になってきたな~と上条さんは改めて自覚してた次第です」
ステイル「僕からすれば君も大概なんだけどね。何だい『幻想殺し』って…ふざけるにも程がある」
神裂「今思えば、インデックスの『歩く教会』の反応の喪失…貴方が原因だったんですね、上条当麻」
ステイル「つまり、あの子の生まれたままの姿を拝んだわけか、変態ロリペド君。死ねばいいのに」
上条「…一応言い訳しておくと事故です、不可抗力です」

17 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 15:15:12.36 ID:Gyf9r4g0
『7月22日』、『午後』。
上条、ステイル、神裂の三人組は、『冥土返し』の病院の近くにあった公園に来ていた。
まだ日も高いのに、公園内に彼ら以外の人影が見えないのは、ステイルが『人払いの結界』を張っているからだ。
上条は、『松葉杖』を脇に置くと、適当なベンチに腰掛けた。
『松葉杖』をついているのは、上条の右足は、まだ自由に歩き回れるほどには回復していないからだ。

ディアボロ「こちらの見廻りは済んだぞ…部外者はいない」
インデックス「こっちも済んだんだよ!」

念の為、公園内部に『部外者』が残っていないか、確認していたディアボロとインデックスが、3人の所に戻って来る。
彼らが『これからする事』に万に一つでも『部外者』の邪魔が入らないようにする為だ。

上条「『スタンド使い』の邪魔は入らないんだよなぁ」
ディアボロ「少なくともこの辺りに『スタンド使い』がいるような気配はせんが…」
ディアボロ「『スタンド使いは惹かれあう』というジンクスもあるしな」
上条「…不吉な事言わないで欲しいですよ…上条さん的にはそういう事言うと実際に…」
神裂「問題はありません」

神裂は、取り戻した彼女の大太刀、『七天七刀』の鍔をキンとならした。

神裂「周辺警戒は私が行います。蟻一匹、私がこの公園の中には入れません」

前回は油断して遅れを取ったが、今度はそうはいかない。
『来るなら来て見ろスタンド使い』という意気が、神裂からは感じられた。


18 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 15:20:10.15 ID:Gyf9r4g0
ステイル「神裂は僕を凌ぐ『やり手』だ…任せておいて問題は無いよ」
ステイル「それより…もう少ししたら『始めよう』」
ステイル「その時は『君の番』だよ上条当麻」

ステイルは、鋭い視線でベンチの上条の方を見た。
上条もそれを受けて、少し緊張した表情になる。

インデックスの喉の奥の紋章を確認した一行は、
それかインデックスを苦しめ続けていた『首輪』ではないかとアタリを付けた。
加えて、上条が昼頃、月詠小萌女氏に電話し、ディアボロの話の裏付けを取った。
専門では無いとは言え、『学園都市』の教師である為に、脳科学にも造詣が深い小萌女氏の言う所によれば、
人間の脳は140年分の記憶容量を持ち、加えて、『意味記憶』、『エピソード記憶』といった細かい区分けがあって、
それらは相互に独立しており、一方の容量が、別の部署の容量を圧迫するなどあり得ない事だと言う。
やはり、インデックスの『異常』は、『完全記憶能力』に依る物では無かったのだ。

結論は出た。
しかし神裂、ステイルを以てしても、インデックスに掛けられた『術式』の正体を判別しがたく、
故に迂闊に手を出すわけにもいかず、現状では打つ手は無いかと思われたが…

上条「俺の『幻想殺し』なら何とかなるんじゃないか?」

上条の『幻想殺し』の存在に、最初は神裂もステイルも半信半疑だったが、
実際にステイルの『炎剣』を消して見せるなどの実演で、
彼女達も上条の『幻想殺し』を信じるに至っていた。


19 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 15:24:15.16 ID:Gyf9r4g0
ステイル「正直な話…不安が無いわけじゃない」
ステイル「あの娘の喉の奥の『術式』…あれを壊した時、何が起こるか…予測がつかないというのもある」
神裂「しかし、現状、あの『術式』が最も疑わしいのも事実…」
神裂「それに私達は…もう彼女が苦しむ所を見たくはありません」

彼らが公園に来ている理由。
それは、インデックスの『首輪』を破壊した時に、何が起きるか解らないが故だ。

ステイル「本音を言わせてもらえば、『部外者』に頼むは癪だ…」
神裂「でも、今はもうそんな事に拘っている時ではありません」

ステイルと神裂は改めて上条を見た。
両者の瞳に宿っているのは、一切の曇りの無い真摯な『思い』だった。

ステイル「頼む…願わくば彼女を…」
神裂「この忌わしき宿命から解放してやってください」

上条「…いいぜ」
上条「インデックスの人生が」
上条「くだらない『幻想』で縛りつけられてるって言うんなら」
上条「俺はまず、その『幻想』を『ブチ殺す』ッ!」

20 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 15:31:23.77 ID:Gyf9r4g0
上条はベンチから立ち上がり、真向かいのベンチに座ったインデックスの方へと、
松葉杖をつきながら、ゆっくりと歩いて行く。
インデックスの傍らには、ディアボロが立っていたが、

ディアボロ「その右足…本当に大丈夫か」
上条「だから問題は無いですよ。それに、女の子守ってついた傷なら、むしろ男の勲章だ~なんてね」

心配そうな様子のディアボロに、上条は不敵な笑いを返した。
『痛み止め』のお陰で、歩けない事は無いし、不幸な誰かを助ける為なら、
『足の2本や3本惜しくは無い』と言うのが、上条当麻という男であった。

上条「…インデックス」
インデックス「なあにトウマ」

上条は真剣な表情でインデックスの顔を見つめる。
インデックスは、それに、透き通るような笑顔を返す。

上条「少し…苦しいかもしれないけど…ガマンできるか?」
インデックス「大丈夫だよトウマ」
インデックス「私はトウマの事、信じてるから!」


21 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/13(月) 15:32:26.73 ID:JcnvLUQo
嫌な予感が……

22 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 15:39:27.35 ID:Gyf9r4g0
上条の事を全く疑っていない笑顔のインデックスに、
上条は決意も新たに、松葉杖をディアボロに預けてインデックスの前に屈み込むと、

上条「それじゃ…インデックス。口を開けてくれ」
インデックス「あーん」

口を開けたインデックスの喉の奥が、上条にもハッキリと見える。
赤黒い喉の奥には、確かに禍々しさを備えたただ一文字の紋章がある。

上条「じゃあ…行くぜ」

神裂、ステイル、ディアボロの見守る中、
上条はインデックスの口の中に右手を突っ込み、
その奥に刻まれた『首輪』に触れる。

果たして、バチンと、何かが砕け散る音が響き渡って…


冥土返し「こうなった訳だ」
上条「あはははははははは…」

『冥土返し』の呆れる顔の前に、
病院から出て言った時と比べて3割増しの怪我を負った上条当麻の姿があった。

23 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 15:49:29.19 ID:Gyf9r4g0
足の銃創は傷が開いた上に、激しい運動を加えたので大いに悪化、
右手には何か所もの深い裂傷が走り、全身のあちこちにも類似した裂傷に加え、
少なくない数の火傷も負っている。

冥土返し「全く…あれほど激しい運動は控えろと言ったのに…」
冥土返し「君は馬鹿なのかい?アホなのかい?死ぬのかい?」
上条「そこまで言わんでも…」
インデックス「トウマ…あーんして♪」

全身包帯だらけでベッドの上に横たわる上条に傍らには、
甲斐甲斐しく上条を看病し、季節外れの洋梨を上条に食べさせようとするインデックス、
それを手伝いつつ、慈母の様な優しい顔でインデックスを見守る神裂、
その光景を見守りつつ、嬉しさと忌々しさが同居した妙な表情でガムをくちゃくちゃ噛むステイル、
我関せずと、コーヒーを片手に新聞を読むディアボロの姿がある。

『7月23日』、『午前』。
インデックスは『首輪』より『解放』され、
曲がりなりにも『大団円』を迎えた上条御一行の姿があった。

24 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/13(月) 15:51:46.71 ID:JcnvLUQo
変なとこキンクリすんなwwww

25 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/13(月) 15:55:50.80 ID:tQavFUSO
おい自動書記さんの活躍はどうした

26 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/13(月) 15:56:09.36 ID:zEIJQCgo
この様子だと記憶喪失イベントはなかったっぽいな

27 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 16:07:01.40 ID:Gyf9r4g0
上条「いや~でもね正直な話、この程度の怪我で済んだだけ、上条さん幸運だったと思うんですよ」

『7月22日』、『午後』。
インデックスの『首輪』を見事に破壊した上条御一行は、
予期せぬ大いなる『脅威』に曝されていた。

インデックスの『首輪』が外された時に備えて、
イギリス清教『最大主教』、『ローラ=スチュアート』が仕掛けた『防衛機構』、
『自動書記(ヨハネのペン)』の発動…歩く魔術砲台と化したインデックスが、上条達に襲いかかったのだ。

上条「俺の右手でも殺しきれない『ビーム』とかどうしろと…」

『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』…
インデックスは発動させた『聖ジョージの聖域』より発射される『光の柱』。
それは、上条の『幻想殺し』を以てしても、かろうじて防ぐ事しかできない、
まさに伝説上の竜が吐いたかと思われる光の奔流…
神裂やステイル、そしてディアボロの援護がなければ、
ひょっとすると上条は怪我どころか、命すら失っていたかもしれない。


28 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/13(月) 16:16:09.21 ID:kv1DND2o
羽が頭に落ちるところでキンクリ使ったのか

29 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 16:18:40.19 ID:Gyf9r4g0
上条「特に最後のあの羽の雨霰はマジでヤバかったと上条さん思う訳ですよ」

『竜王の殺息』は単なる『光の柱』に非ず、
この『光の柱』に破壊された物質のことごとくを、
舞いあがる『光の羽』、降り注ぐ死の雨に変えてしまう『二段構え』なのだ。

上条「アレに触れてたら上条さん…」
上条「何か『死ぬより恐ろしい破目』に陥ってた気がするんですよね」
上条「何故かそんな『予感』がするんですよ」

特に、最後の詰めの時が本当に危なかった。
見事、上条の『幻想殺し』は、インデックスを取りまく『聖ジョージの聖域』を破壊したのだが、
インデックスを助ける事で頭が一杯で、周囲の状況にまで目が廻らなかった上条目掛けて、
宙を舞っていた『光の羽』が殺到していたのだ。

上条「もしあの時…」

――ディアボロ「『 キ ン グ ・ ク リ ム ゾ ン 』!」

上条「ディアボロが助けてくれなかったら…上条さんはどうなっていたんでしょう」


30 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 16:29:57.34 ID:Gyf9r4g0
上条の頭部に今、正に『光の羽』が直撃せんとした時、
ディアボロが『キング・クリムゾン』で時を吹き飛ばしたのだ。
ディアボロは、『エピタフ』で前もって上条の『未来』を『視て』いたのである。

上条「いや、ホント…上条さんはディアボロに感謝がしきれませんよ」
ディアボロ「前にも言ったが…」

新聞から目を離したディアボロが、上条の方へ眼を向ける。

ディアボロ「俺がお前の味方をしたのは…『俺自身がそれを望んだ』からだ」
ディアボロ「俺はお前に『恩』がある…」
ディアボロ「それに…」

ディアボロは思う。
上条の心に宿る『黄金の精神』…その光り輝く軌跡を、もう少し眺めていたいと。
それは、昔日の自分と対極にあって、かつての自分を打ち破ったモノ。
故に、ディアボロはその光芒から目を離す事が出来ない。
それが、自分の『進むべき道』を、示している様な気がしてならないから。



31 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 16:39:30.18 ID:Gyf9r4g0
上条「それでもさ…ありがとう」

上条はディアボロに頭を下げ、
ディアボロは照れを隠すように新聞に目線を戻す。

上条「ステイルも…神裂も…本当にありがとう」
神裂「…それはこちらの台詞ですよ」
ステイル「感謝される言われは無いね…僕はインデックスを助ける為にやっただけだ」
インデックス「とうま!早く『あーん』してよ!」
上条「いや、だからインデックスさん!上条さんはお腹いっぱいで…」

神裂は笑顔で返し、ステイルはそっぽ向く。
インデックスは笑顔で上条に洋梨を突きつけ、
上条がそれに照れた顔をする。

空にはゆっくりと雲が流れる。

上条「(ともかく…)」

上条は洋梨を頬張りながら、安堵のため息をついた。
自分は確かに大怪我を負ったりしたが、誰も欠けずに今日を迎えている。
上条は、信じてもいない神様にちょっぴり感謝した。

上条「めでたしめでたしってわけだ…」

そう思いながら、上条はインデックスの頭を撫でた。

32 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/13(月) 16:44:36.52 ID:GutVnoDO
ああもうなんかディアボロが可愛い

33 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 16:53:56.52 ID:Gyf9r4g0
――『エピローグ』


上条「それで…ディアボロはこの先どうするんだ?」
ディアボロ「………」

『7月23日』、『午後』。
夕陽が窓から入り込んで、真っ赤に染め上げられた病室で、
ベッドの端に腰かけながら、上条はディアボロに問うた。

インデックスは、本来の主に代わりに、ベッドですやすやと寝ている。
看病している途中で寝てしまったので、上条がインデックスを自分のベッドに寝かせてあげたのだ。

神裂とステイルは、もうここにはいない。
『僕たちの果たさねばならぬ義務があるし、問い糺さねばならない相手もいる』と、
インデックスを上条達に預けて、後ろ髪を引かれる顔をしながら、
彼女達は別れの挨拶もそこそこに、さっさとイギリスへと帰ってしまったのだ。

その際に、『謝礼』として、ステイル曰く『それなり額』の現金を残していったのだが、
上条さん的には『どこがそれなりやねん、このブルジョワめッ!』な額であり、
心の中で小躍りしたのは内緒だ。

34 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 17:09:11.48 ID:Gyf9r4g0
上条「行くあてが無いってんなら、しばらくウチに居候してもいいけど…」
上条「(もらった『謝礼』も結構あるし…)」
ディアボロ「…これ以上、お前には迷惑を掛けたくないとも思うが…」

窓枠に腰かけ、夕陽を見ていたディアボロが口を開く。

ディアボロ「正直…まだどこにも行く『アテ』が無くてな…」
ディアボロ「すまないが…もうしばらく厄介になりたい」
上条「水臭い事言うなよなぁ~…俺もディアボロには世話になったし」

上条は、包帯だらけの右手でインデックスの頭を撫でながら、
左手の人差指で、ポリポリと頬を掻いた。

ディアボロ「それにな…」
上条「ん?」

ディアボロは上条に向き直って、真剣な表情で言った。

ディアボロ「お前がその少女の味方を続けるというのならば…」
ディアボロ「お前はこの先も、戦いの運命から逃れる事はできない」
ディアボロ「だとすれば…俺はお前を助けねばならん」
上条「…『スタンド使い』ッ!」
ディアボロ「ああ」

上条は思い出す。
インデックスを狙って襲ってきて、味方に殺された二人の『スタンド使い』の事を。

ディアボロ「連中が何者かは解らないが…」
ディアボロ「これで引き下がったとは思えん」
ディアボロ「また、別の『スタンド使い』が、その少女を狙って来る可能性は高い」

上条「一難去ってまた一難…難儀なこって…」

上条は左手で頬杖ついて溜息を吐いた。


35 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 17:13:38.39 ID:Gyf9r4g0
しかし、その表情には『後悔』は無い。
来るかも知れない敵に『立ち向かう』覚悟が、その瞳に確かにある。
この男ならきっと、どんな相手にも臆せず立ち向かうだろう。
そういう確信を、ディアボロは覚えずにいられない。

上条「それじゃとりあえず…」

上条は、傷だらけの右手を、ディアボロの方へ差し出した。
ディアボロは、その右手を黙って握り返す。

上条「今後ともよろしく」
ディアボロ「ああ…」

そう言って、二人は握手を交わしたのだ。


36 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 17:24:33.91 ID:Gyf9r4g0
ここで、物語は一旦の区切りを迎える。
上条とディアボロは見事、一人の少女を地獄から救いだした。
しかし、この事は『物語の終わり』を意味しない。
『禁書目録』を狙い、『学園都市』をも浸食する『大統領』。
その陰で蠢き、ある『目的』を遂げんとする『神父』とその一派。
はたまた、邪悪な心を胸に秘めた、『引力』により出会う『スタンド使い』。
そして、『外道』を以て自らの『目的』を遂げんと跳梁する『魔術師』達、
大いなる『魔都』、『学園都市』に跋扈する『能力者』の群れ…

この先も彼らの前に、あらゆる敵が立ち塞がるだろう。
上条(JoJo)とディアボロの奇妙な冒険は未だ終わらない。

いや、むしろ、これから『始まる』のだッ!


バ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ン ッ !



―――第一部『禁書目録編』 完…


37 名前:第10話[saga] 投稿日:2010/12/13(月) 17:27:33.36 ID:Gyf9r4g0
はい、第10話、並びに『禁書目録編』はこれで終わりです。

次には、1話だけ『挿話』を挟んだ後、
第2部『超電磁砲編』に突入します。

VIP時代から、数々の支援と、感想を頂いた皆さまに、この場を借りて感謝をッ!
ディ・モールト・グラッツェ!

48 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/13(月) 18:34:31.07 ID:Sp1hsR6o
今からwktkが止まらない

40 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/13(月) 17:36:32.15 ID:JcnvLUQo

やばいこんなに続きが気になるスレ久しぶりだ













ジョジョの奇妙な冒険 30~39巻(第5部)セット (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫(コミック版))ジョジョの奇妙な冒険 30~39巻(第5部)セット (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫(コミック版))
(2009/04/08)
荒木 飛呂彦

商品詳細を見る
スポンサーサイト
  1. 2010年12月15日 22:54 |
  2. 禁書クロスSS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

コメント

うおおおおスレ落ちてたから読むの諦めてたのにィィィイイイ
ありがとう!!!!!!
  1. 2010/12/16(木) 02:33:32 |
  2. URL |
  3.   #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック URL
http://tekitouvip.blog107.fc2.com/tb.php/574-e2852c6f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。